大切な人と過ごすダイニングが暮らしの中心

2020年11月18日 公開

大開口のガラスサッシを開けてアウトドアリビングとつながるバーカウンターもついたバルのようなキッチン。土間に落ちる木漏れ日や、通り抜ける風に心地よいひと時が過ごせる。ゆったりとしたアウトドアリビングに友人を招いてBBQを楽しむときも、キッチンが近く、ゲストの様子やタイミングを見ながら料理をサーブできる。パーティ―の日だけでなく、このカウンターで食べる朝ごはんもきっと特別な時間となるだろう。
「日々のご飯の準備や友人を招いたり、ほっと一息お茶を飲むときも、家にいる間は、ほとんどダイニングにいるんです。自然とダイニングやキッチンの空間づくりにこだわりました。」とキッチンに立ちながら奥さまが話してくれた。ご主人が思い浮かべたのは、自分たちにフィットする家づくり。
「広々としたリビングでの家族団らんのイメージよりも、家族や友人が集まって過ごす、ダイニングやキッチンの方がイメージできて、色々アイデアも浮かんできたんです。」とご主人の言葉に奥さまも頷く。

 

アウトドアリビングの土間には塗装して深みを出した。日差しや木漏れ日が表情を加える

 

安心してくつろげるアウトドアリビング。屋根付きなので、過ごしやすい。お気に入りの植物の特等席にも、アウトドアリビングからの光が差し込む

「どんな空間で、誰とどう過ごしたいのかを起点に、そのシーンに合わせた空間づくりを考えました」とご主人。そして、雰囲気だけでなく、住まいの中心に据えたキッチンは実際に使う時を具体的に想定してじっくりプランニング。アウトドアリビングともつながるので、床は掃除がしやすく清潔感をキープできるタイルにしたり、コンロ近くに蛇口を設けたりと、ムードを崩さず機能性もしっかり吟味されたデザインに。
長年愛用してきたお気に入りの鉄のフライパンが吊り下げられたキッチンを見るだけで、食を囲む時間や場所へのこだわりが伝わってくる。さらに煮込み料理やオーブン料理もできる薪ストーブも設置。「新玉ねぎの煮込みや旬の野菜のホイル焼きにピザを焼いてみたり」と手料理でゲストをもてなす。張り切って食材を準備したり、薪を準備したり、火をおこしたりのテマヒマも、おいしい料理を頬張るゲストの喜ぶ顔を見るためにと厭わず、ご夫妻とも楽しんでいるご様子。こだわりが詰まったバーカウンターのような落ち着くダイニングキッチンは、時間の流れを忘れてついつい長居してしまう居心地だった。

 

張り切って集めた色とりどりの食材を並べると、ゲストの期待も高まります。

 

コンロ近くに設けた蛇口は、パスタを茹でるときやコーヒーを入れるためにお湯を沸かす時にも大活躍

 

調理の時間もゲストと一緒に楽しめるステージのようなキッチン