元気になれる島旅「長崎五島・福江島」。福岡から飛行機で40分先のバカンスへ④
青空だった1日目から一転! 2日目の今日は曇り空だけど、心は昨日出かけた香珠子(こうじゅし)海岸の海のように澄み切っていて、とても晴れ晴れ。
というのも、今日は五島列島を構成している島の1つ「奈留(なる)島」へお出かけするんです。
福江港からフェリーに乗って行ってきまーす!
※元気になれる島旅「長崎五島・福江島」。福岡から飛行機で40分先のバカンスへ①~③は、記事の一番最後にURLを掲載しているので今回の記事と併せて見てね。
フォトジェニックでかわいい『江上天主堂』
インスタでこの教会のことを知って以来、いつか行ってみたいと思っていたのが『江上天主堂』。「元気になれる島旅「長崎五島・福江島」。福岡から飛行機で40分先のバカンスへ②」でご紹介した教会建築の巨匠・鉄川 与助さんの作品です。
小さな湾のほとりに佇む教会なんだけど、背後からタポンタポンと小さく聞こえる波音や水鳥の声が心地よくて、なんだかずっと眺めていたい気分。
教会の中は、『水ノ浦教会』と同じこうもり天井(リブ・ウォールト天井)を採用。アーチ状になった曲線が、中央と左右にそれぞれある三廊式になっていてカッコイイ! 木造と白漆喰の色の調和がとてもキレイで、見ているだけで優雅な気分になりそう。曲線同士が交わる部分にお花の模様を見つけたんだけど、これは五島ならではのデザインなのかな?
『江上天主堂』は木造ロマネスク様式の天主堂としては最も完成度が高いと言われているんだけど、すべてが美しすぎてドラマチックな気分になっちゃった
(教会内部は撮影NGなので、お出かけをした際は気をつけてね)。
案内してくださった松川さんから「柱をじっと見てください。なにか変だと思いませんか?」と言われてじぃ~っと見てみると…。
もしかして、本物の木目ではない!?
「一見、年輪のように見えるけど、実は当時の人の手で描かれているんです。手掘りなんですよ」と言われて驚きました! 遠目だとまったくわからなかった…。
教会を1つ建てるとなると、建設費は莫大にかかってしまう。それでも自分たちの教会を建てたかった信徒たちは、自分たちの生活費を切り詰め、お互いに費用を出し合うことで建築費用を工面したそうです。
松川さんは「江上の集落の人たちは半農半漁で暮らしていたのですが、当時、キビナゴ漁が活況だったこと、また信徒たちが運搬などの建築作業を手伝ったことでなんとか完成に至ったのではないかと言われているんです」と教えてくださいました。自分たちの教会をなんとしてでも手に入れたかったであろう当時の人たちのことを思うと、胸が熱くなります…。
※内部見学をしたい人は事前予約が必要。問い合わせ先は「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産インフォメーションセンター」まで
HP:http://kyoukaigun.jp
小さなアートを発見!『奈留千畳敷』
江上天主堂から車で20分のドライブをしながらやって来たのは、『奈留千畳敷(せんじょうしき)』。浜辺へ降りる階段の手前で、こんなかわいいアートがお出迎えしてくれました。
どれもかわいいなぁ~。ただの石でも、こうやって絵を描くと立派な作品だよね! すっかり見入っちゃう。
入江の先から海の向こうまでは大きな岩がずっと連なっているのですが、見晴らしの良い場所に着いたところで記念撮影。
千畳敷の由来は、畳が千枚も敷けるほどに広いという意味からつけられたんですって。岩が平坦すぎて、意外と歩きやすかった!
ユーミンと高校生をつなぐ、感動の奈留島ストーリー
タイトルを見て「えっ、いきなりユーミン!?」と思ったでしょ?
奈留島でのラストは『奈留高等学校』。 この学校には、ユーミンにまつわるステキな話があるんです。この学校でのお目当ては↓。
ユーミンの歌碑なんです!
どうしてこの学校にユーミンの歌碑があるのかというと、1974年(昭和49年)、当時「五島高校 奈留分校」の在校生だった女子高生がラジオの深夜番組に「わたしたちの校歌をつくってください」とハガキを送ったことが事の始まり。
現在の奈留高校は、当初、福江島にある五島高校の分校として開校したため、校歌は五島高校のものを用いており、奈留島と縁が薄い校歌だったんです。ラジオ番組経由でこの話が届いた荒井 由実さん(ユーミンの結婚前の旧姓)は、高校生たちに曲をつくってプレゼントしようと奈留島の海や山のイメージを詩に託した歌をつくりました。
これが、名曲「瞳を閉じて」です!
高校を卒業した後、就職などで島を出て行く生徒たちがほとんどだという現状を知ったユーミンは、校歌という名目であっても、島に残った人たちが出て行った人たちのことを思いやり、島を出て行った人たち自身も故郷を懐かしく思いながら口ずさめる歌がいいのではないかと考えてつくったそうです。
その後、五島高校から独立をする際、「瞳を閉じて」を校歌にするかどうか検討された結果、校歌ではなく愛唱歌として制定。校歌にはならなかったものの、奈留高校の卒業式では今でも必ず歌われる曲であり、就職や進学で卒業生が島を離れる時はブラスバンドが「瞳を閉じて」を演奏するのが慣習となっているそうです。
これからは、この曲を耳にする度に奈留島のことを思い出すだろうな。
それにしても「瞳を閉じて」は、歌詞もメロディもなんて良い曲なんだろう。
TEL:0959-64-3117(五島市役所奈留支所 地域振興班)
一度は食べたい『レストラン 望月』の『ビーフシチュー』
奈留島観光を楽しんだ後、お腹ペコペコな状態で向かった先は福江島にある『五島牛専門店 和風レストラン 望月』。地元で人気のお店さんなんです!
聞き込みによると、観光客に人気なのは五島牛のステーキらしいのですが、せっかくレストランに来たんだからビーフシチューがいいなぁ。うーん、どうしよう? と迷った末、いよいよ決めました。
「五島牛のビーフシチュー、お願いします!」。
しばらくすると、運ばれてきました。
スタッフさんがテーブルにお皿を置いた瞬間、おいしそうな匂いと湯気に包まれて思わず天井を見上げてしまうほど幸せな気分に。う~ん、良い香り。鼻孔がくすぐられる~!
グツグツしているのが写真でも伝わるでしょ? そして、シチューのツヤとお肉の照りの美しさと言ったら…! お肉を頬張るとホロホロほぐれていくのにトロットロし過ぎず適度に弾力があって、肉の旨味がジュワ~と広がり…。あぁ、一瞬で口の中が幸福状態に!
シチューもスプーンで口に運ぶ度に、丁寧に仕上げたデミグラスの甘さとコクがしっかり伝わってきます。
このデミグラスはお砂糖を一切使用せず、使っている調味料は塩と胡椒だけ。どうやらこの甘さはチンザノの甘みだそうで「チンザノがいい仕事しているでしょ?」とマスターの望月さん。デミグラスソースはいつも一週間かけて仕上げているそうです。
「このソースだけは、100回つくっても不思議と毎回同じ味にはならないんです。同じ分量で同じつくり方であっても、つくる度に味が微妙に変わる。それぐらい奥深いんです」。
そうお話してくださる望月さんの言葉から、どんなに手が込んでいるのかが伝わってきます。
「このビーフシチューは仕込みが大変だから、あんまり宣伝されると注文数が増えちゃって困るんだけどなぁ~」と望月さんは半分困った顔をしながら笑うのですが、ここはあえて言わせていただきます。
「望月のビーフシチュー、本気でおいしいです!!」。
ちなみに、このお店のメニューを頼むとセルフサービスによるコーヒーまたはコーヒーゼリーが付いてきます。わたしが選んだのは、もちろんコーヒーゼリー。だって、食後にコーヒーゼリーを食べることができるなんて、「おっ!」と絶対うれしい気分になるよね!
このコーヒーゼリーは、消費税が3%に上がった時に「お客さまになにかサービスをしたい」と思ってコーヒーゼリーをつくるようになったのだとか。「人気が出ちゃって、今はコーヒーゼリーをつくるのが大変なんだよ」と話す望月さんの表情はうれしそう。
どこまでもお客さんの心を掴んで離さない『レストラン望月』。取材に訪れたこの日、14時なっても結構な数のお客さんがテーブルを囲んで食事をしていたんですよ。地元のファンが多いというのも本当に納得!
旅先では、地元の人がオススメする飲食店に行きたいと誰もが思うもの。福江島だったら『望月』で決まり♪
TEL:0959-72-3370
営業時間:11:00~OS14:00/17:00~OS20:00
休:火曜
★☆併せて読もう!
※元気になれる島旅「長崎五島・福江島」。福岡から飛行機で40分先のバカンスへ①
https://www.fukuoka-navi.jp/39589
※元気になれる島旅「長崎五島・福江島」。福岡から飛行機で40分先のバカンスへ②
https://www.fukuoka-navi.jp/39857
※元気になれる島旅「長崎五島・福江島」。福岡から飛行機で40分先のバカンスへ③
https://www.fukuoka-navi.jp/107884
椿咲く 心あたたか 五島(しま)の冬
「五島椿まつり」
「東の大島、西の五島」と並び称されるほど、椿の自生地として名高い五島。
幻の銘花「玉之浦」を生んだ五島では、古来より人々の生活に広く、深く、椿が関わってきました。今回27回目の開催となる「五島椿まつり」では、椿に関する展示、イベント、ツアーが盛りだくさん!椿色に染まった冬の五島に行ってみよう!
五島椿まつり
開催期間:2021年2/20(土)~2021年2/28(日)
お問合せ:0959-72-2963(五島椿まつり実行委員会)
https://goto.nagasaki-tabinet.com/feature/tsubakimatsuri/kikan/
http://www.gotokanko.jp/