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20年越しの約束を叶える、おおらかに暮らせる平屋の家

多くの人が自然と集うわが家を暮らしに合わせて建て替え

Sさんは90歳になるお父さんと2人暮らし。弟の幼馴染である『栗原建設』の栗原社長に「家が古くなってきたので建て替えたい」とSさん一家が相談していた矢先に弟が他界し、計画を諦めることになったという。それから20年が過ぎた令和元年。Sさんの家は台風7号にみまわれて屋根瓦が吹き飛び、ついに住めない状態になってしまったのだ。「以前の家は築50年の建物を、手先が器用な父が自ら移設したもので、とても古いものでした。思い入れはあるものの、これ以上は住めないので、改めて栗原社長に建て替えを相談したんです」と、Sさん一家の家づくり計画は、時を経て再び歯車が回り始めた。「元の家は部屋数は多いけれど、使わない部屋がたくさんあって住みにくかったんです。これから60歳の私と90歳の父が暮らすにあたって、コンパクトな平屋で便利に住めるようにしたいと思いました」。出入りしやすく、玄関チャイムがよく聞こえるようにと、お父様の部屋は玄関のすぐそばに配置。親戚だけでなく、ご近所さんの憩いの場として多くの人が出入りがある家なので、LDKとお父様の部屋は間仕切りを開けて広く繋げられる間取りにした。自動車整備をしていたお父さまは、今でも草刈り機の修理や鎌研ぎの技術で近所の人に頼りにされる存在。「ますます元気になって、長生きしてもらえるよう、父に仕事に打ち込める場所をつくってあげたい」とガレージにロフト付きの作業場を設けることにした。
栗原社長からは花ブロックの設置を提案。「人の出入りが多い家なので、無機質なブロック壁で囲んでしまうと車が出入りしにくくなってしまう。道路に面した開口部に、風を通しつつ適度に目隠しできるものをつくることを考えて提案させてもらいました」(栗原社長)

 

ダイニングテーブルはこの家の雰囲気に合わせて栗原建設が造作。ウォールナットとトチの無垢の木を組み合わせた天板にアイアンの足を付けた一点もののオリジナル作品

 

屋根は耐久性の高い平瓦で、外壁は石積み風サイディングで仕上げた。前庭は石タイル、モルタル、人造石の洗い出しを組み合わせて仕上げた

 

LDKと水回りをつなぐ廊下は、花柄模様の明るい色のクロスに。壁一面を収納にしたので、収容力は抜群。片付けやすくなった

 

道路に面した窓は人目を避けるため花ブロックを設置。沖縄発祥の花ブロックは風と光を通しつつ目隠しの役割も果たす、実用性と美観を兼ね備えた優れものだ

 

 

作業スペース&収納が広いコの字型キッチンがお気に入り

「設計は基本的に、全て専務にお任せでした」と語るSさんも、コックピットのようなコの字型のキッチンはこだわって選んだ。「作業場を広く取りたかったからです。サイズにこだわって、よその家にお邪魔してキッチンのサイズを測らせてもらって、これだと後ろが狭いとか、幅はどれくらいにした方がいいとか、細かいところまで考えてレイアウトを決めました。鍋や蒸し器などの調理器具もたくさんあったので、以前は台所に収まりきれず、お座敷の食器棚や天袋などに分けて収納していましたが、いまはすべて手が届く範囲に収納できています。便利になったので、料理のスピードも上がったし、この家でおもてなしをするときにも、手伝いの人と一緒にキッチンで作業できるのでとても使い勝手がいいんですよ」。
デザイン面も栗原専務による提案。「やわらかく飽きのこないデザインを考えました。居室とLDKはベージュやライトグレーを中心に落ち着きのある色でコーディネート。反対に、玄関ホールから水回りへ向かう廊下は、どうしても暗くなりがちなので、明るい色のアクセントクロスを使いたいと考えました。Sさんのお人柄からイメージした、オレンジで大きな花柄をあしらった鮮やかな色のクロスを提案させていただきました」(栗原専務)

 

L字型キッチンに収納を組み合わせたコの字型の作業空間はコックピットのよう。「センチ単位で測ってつくってもらったこだわりのキッチンです。作業しやすいので、料理のスピードが断然早くなりました」

 

洗面台とユニットバスはクリナップ製品。「洗面所に除湿機を付けたので、梅雨時はここに洗濯物を干して乾かすことができて便利でした」

 

 

デザイン性だけでなく性能も備える職人のつくる家

新しい家の住み心地を尋ねると「南向きの広い開口部からは陽射しがよく入るし、遠くに山も見えてとても気持ちがいいんです」とのこと。また断熱性能が高いことも、Sさんの話を聞くだけでよく伝わってくる。「暑い日も部屋を閉め切ったままにしておくと熱気をシャットアウトするみたいで、エアコンを切って外出しても、それほど部屋の気温が上がりません。みんなここを見に来てくれて、口々に“いい家になった”と言ってもらえるのがうれしくて」。どの部屋にもアクセスしやすい、動線の確保されたコンパクトな家づくりは、ただの一階建てというわけではなく、住む人のことが考え抜かれた“平屋のお手本”とも言うべき職人の技だ。お父さまも「燃料で動く機械は何でも修理できる」と言いながら、今日も真新しい作業場で地域の人のための手仕事に勤しむ。理想の住まいを舞台に、親子の穏やかな暮らしはこれからも続く。

 

LDkはライトグレーやベージュなど落ち着いた色味でコーディネート。フローリングに合わせてキッチンも木目調のパネルを選び、やわらかな雰囲気に。広々とした空間で家族や友人との会話もはずむ。勝手口からはガレージにすぐ出られる

 

更紗柄のクロスやペパーミント色のクロスによるカラーコディネートが爽やか

 

Sさんの部屋。クロスは一番好きな色でもある紺色をセレクト。隣の洋室を収納として使用している

-------Company Profile-------------------------------

栗原建設株式会社

[所]福岡県古賀市川原1295

[☏]092-942-2987

[HP]https://kuriharakensetu.co.jp/

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