「スギ・ヒノキ花粉による花粉症について」街のお医者さんに聞きましたvol.3『もりや耳鼻咽喉科』守谷先生
くしゃみ鼻みずが止まらない!眼がかゆい!鼻がつまって夜眠られない!そろそろつらい花粉のシーズンになりますね。
2月初旬に福岡はスギ・ヒノキ花粉の飛散が本格的に始まります。今年の福岡での飛散は、過去10年の平均飛散よりは少ない予想ですが、昨シーズンよりは多く飛散する予想です。
・医療機関での治療法は
花粉症の治療の基本は、初期療法と維持療法です。できれば花粉が飛散する少し前から内服薬や点鼻薬を使い始め飛散終了まで続けます。有効な漢方薬もあります。お薬とひとくちに言っても各々特徴があり、効き方、効果的な服用方法・使用方法がちがいます。また眠気など副作用の出方は人によって異なりますので注意が必要です。飛散状況に見合った効果がきちんと得られているのか確認しながら、効果が弱いと感じられるときには我慢せずに医療機関で相談されるとよいでしょう。
耳鼻咽喉科では、飛散開始前までにおこなっておくと有効な治療法に、レーザーや高周波ラジオ波(サージトロン)を用いた鼻粘膜焼灼術があります。本格的な飛散開始前に受けておけば飛散時期の症状の緩和に役立ちます。
以上の内服薬や点鼻薬を続けたり小手術を受けたりするのは効果的ですがあくまでも対症療法です。花粉によるアレルギー反応自体をおこさせなくする完治を目指す治療法に免疫療法があります。今までは皮下注射を長く続けていく皮下免疫療法のみでしたが、2014年からは舌下免疫療法が保険診療で始まりました。飛散シーズンのみでなく1年を通して毎日薬の舌下を続け、3~4年医療機関に通いつづけることで花粉症の完治を目指します。
また事前の血液検査が必要ですが症状と血液検査で重症と診断された方には昨シーズンから新しい注射の治療も選択肢に入るようになりました。
・飛散シーズンの日頃の対策は
屋外ではマスクとメガネが有効です。新型コロナ感染対策もあり皆さん、マスク装用に気をつけておられますが、花粉症対策にもマスクはとても有効です。メガネは通常の形状のものでも有効ですが、花粉症用専用のものがシーズン中には売られていますので検討してみてください。衣類もウールなど毛羽だったものはさけてツルツルした素材のものをえらび、屋外から屋内に入るときはまず服や帽子についた花粉をしっかり払ってから家に入る習慣をつけましょう。
・規則正しい生活リズム、適度な運動などを心がけましょう
花粉症の症状の程度は自律神経の働きと密接に関係しています。年度末で何かと忙しい時期になりますが、ストレスをさけ規則正しい生活を心がけることが大切です。バランスのとれた食事をとること、睡眠時間をしっかり確保すること、ランニングやジムなどでの適度な運動もよいでしょう。でもストレス発散の目的でのお酒の飲み過ぎは、アルコールが血管を拡張させてしまい鼻づまりや目の充血などの症状を起こりやすくしてしまい逆効果ですので注意してくださいね。
もりや耳鼻咽喉科 院長 守谷啓司先生
日本耳鼻咽喉科専門医、補聴器相談医。福岡市南区生まれ。山口大学医学部卒、山口大学院医学研究科博士課程修了。平成10年10月にもりや耳鼻咽喉科を開院。地域の各医療機関と密に連携して治療にあたっている。ホームページにてブログも更新中。
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もりや耳鼻咽喉科
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