【すてきなリノベのお宅訪問～case13】穏やかな日々にときめきを、上質な感性に包まれる家「Re-FillLIFE」

2021年04月07日 公開

日本有数の温泉地として知られる別府。遠くには、別府湾が美しく青い弧を描き、街のあちらこちらで湯煙が立ち上る場所にKさんの家はある。純和風の凛とした佇まいは、宮大工だったKさんのお義父様が建てたもの。荘厳な外観の期待を裏切らない大胆なリノベーションを手がけたのは、福岡と大分に拠点を構える「リフィルライフ」の釘宮さんだ。
大分市内で事業を手掛けてきたKさんは、事業継承したことをきっかけに自信のセカンドライフを楽しむため、両親と3人で暮らす実家の大規模なリノベーションを計画。人生100年時代を生きるために、居心地がよく癒されながらも“ときめき”が続く家で暮らしたいと理想を描いた。福岡や北九州まで足を運び、依頼先を探してみたが、ビビッとくる出合いに恵まれなかったという。そんな時、新規事業のパートナーとして出会っていた釘宮さんの紹介を受け、「田中工藝」の存在を知った。そこから、Kさんと釘宮さん、「田中工藝」の田中さんの3人で大改装計画が本格的にスタート。キッチン周りは、「田中工藝」が得意とする繊細かつ美しいデザインを持ちながらも機能性にすぐれた作品に仕上がり、「夢はすべて叶えてもらいました！」と大絶賛のKさん。そこに、東京の第一線で店舗デザインを手がけてきた釘宮さんの磨き上げた感性が重なり、モノトーンと木の風合いが見事に調和するシックな空間が完成した。

自然光を自由に採りこみ、紫外線を大幅にカットできるハンターダグラス社のシェードや素足で過ごす北欧の暮らしが育てたADワールドの無垢材複合フローリングなど、一つひとつの材質や機能にもこだわったリビングは、店舗設計が得意な釘宮さんならではの仕上がりに

白と木を基調としたリビング側の天井の木目を変えて、全体的にダークトーンを施し、シックな落ち着きのある空間に仕上げたダイニングキッチン

優れた機能性を備えながらデザイン性の高い造作キッチンや家具を得意とする「田中工藝」と数多くの店舗設計でセンスを磨いてきた「リフィルライフ」の釘宮さんのコラボにより生まれた最高傑作。天井から吊り下がるペンダントライトが特別な空間に仕上げている

以前は、ゴールドの煌びやかな装飾が施されていた客間。最初に訪れた時、ふと釘宮さんの頭に金閣寺と相対する銀閣寺が思い浮かんだそうだ。「シルバーと紺をベースに、和柄の市松模様からインスピレーションを受けたデザインを施しました」と釘宮さん。天井の壁紙にはビーズをちりばめた壁紙を選択。反射した光にビーズが輝く夜の雰囲気はうっとりするほど美しい。とはいえ、実はまだ前期工程が仕上がったところ。これから縁側や玄関回りの工事を進めるという。「お客様を迎えると、歓声を上げてくれるんです。みんなテンションが上がって、私もつい楽しくなって(笑)。次は縁側の板張りを畳にして太鼓障子にする予定なんですよ。どこまで楽しませてくれるのかしら」とワクワクしながらKさんが話してくれた。

釘宮さんの提案により完成した客間には、ラグジュアリーなアルマーニの壁紙を選択。中心にはクッション性の高い床材を敷き、ストレッチやヨガを楽しむことができるなど、多目的に利用できる

一日の始まりに爽やかな朝を迎えられるよう明るいトーンでまとめたウォッシュルーム。タオル掛けなど機能性を持たせたスペースに大満足のKさん

Kさんのお父様のオーダーで、まるで旅館のような本格的な御影石のお風呂が誕生。自宅で源泉かけ流しのお風呂に入り事ができる贅沢さは別府ならでは