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【家づくりのお宅訪問】広さも収納もコンパクト ジャストサイズで建てる家「住工房プラスアルファがつくった新築住宅」

「動線は3歩以内」がカギ
家事がはかどる間取りの秘訣!

仕事を通して、たくさんの家づくりに立ち会ったことがあるHさん。図面を引き、時には現場で家ができる様子を見守りながら、「主婦が動きやすい家はいい」と考えるようになったという。具体的には、「タテの動きが少なく、ヨコの動きで用事を済ませられる」こと。そこで、自分が多くの時間を過ごすキッチンを起点に、そこからの目線と動線を軸に間取りをつくることにしたという。「ここに居れば家中を見渡せて、階段を降りる子どもの姿も見えます。空が見える窓もつくったので、天気の変化も分かるんですよ。もう一つのポイントは、キッチンが玄関に直結していることです。買い物した荷物はそのままキッチンに持ち込めますし、すごく便利なんですよ」。
キッチンのすぐそばに、2.5畳のファミリークローゼットを設け、家族全員の洋服と日用雑貨の収納を集約したのもHさんのこだわりだ。「クローゼットは2階や個室にあるよりも、普段自分がいる1階にある方が便利だからです。おかげで、お風呂上がりの子どもの着替えも、出掛けにちょっと羽織るものがほしい時も、サッと対応できるようになりました」。

青い壁はLDKのアクセントかつ、寝室・ファミリークローゼットを隔てる役割を果たす。「壁に飾った絵や雑貨が映えると思い、この色を選びました」

 

階段下にはリビングから1段下げて土間をつくった。「ここが娘のあそび場。粘土遊びなど、散らかったり汚れたりする遊びをリビングでさせると気になるけれど、ここなら思い切り楽しませてあげられるから」

 

玄関からはリビングとキッチンへの2つの動線を確保

 

 

開放的じゃない場所があると心が落ち着くこともある

「建てる面積と家の心地よさは比例しない」と感じていたHさん。「とにかくLDKを広く」という発想を捨て、延床面積は25坪とコンパクトながら、高低差を生かす空間設計で、暮らしが楽しくなるデザインを追求することにした。「天井は高ければいいというものではないし、隅っこには隅っこの居心地の良さがある」と、開放感を追求しすぎる風潮にも疑問を投げかけるHさん。「トイレで本を読む人がいるように、狭い場所には狭いなりの心地よさがあると思うんです。すべて開放されているより、壁がある方が落ち着くこともあります。ベッドルームがある2階の天井は敢えて1階よりも低めに設計したり、リビングと会談の間にあえて小さな壁を設けたりしたのも、そんな理由からです」。こうした綿密な計算が、心理的な安心感を生むことにもつながるのだ。

 


玄関から入ってきた時も、2階に上がって部屋に入る時も、どんな時もキッチンから家族の顔が見えるように設計。ここにいる時間が楽しくなるようにと、空が見える窓も付けた

 

必要なモノの量を見定めることと収納の配置が重要

収納の作り方には、整理整頓アドバイザーの講習での学びが大きく影響したそうだ。「実家もそうなんですが、2階に大きな収納があっても、運ぶのが面倒になって、次第に収納がない1階にモノがあふれるようになります。だからといって、むやみに収納を増やすより、生活を見直して必要なものの量を見定めることと、収納の配置が重要だと思うようになりました」。
Hさんが考えた家族の持ち物の適正量は、2.5畳のファミリークローゼットに集約され、「どこに何があるか分からない」から解放された。「空間は広く高く、なくてもいい」「収納はたくさん、なくてもいい」。コンパクトで快適な暮らしを実現したHさんの考え方は、きっとこれからの家づくりの新機軸になるに違いない。


リビングには畳を敷き、ゴロンと寝転んでもくつろげる。部屋がスッキリと見えるのは、カーテンでなく木製ブラインドを選んだから

 


土間やスキップフロア風の階段など、個性的なアイデアが満載のHさんの住まい。将来のレイアウト変更を想定して電源は複数パターン用意したそう

 

収納は1階に集約しているため個室は最小限の広さ。子ども部屋の壁紙は自らお気に入りの色に塗り上げた

Company Profile

株式会社 住工房プラスアルファ

[所]佐賀県佐賀市鍋島町八戸構149-9

[☏]095-36-7505

[HP]https://www.alphadegozaru.com/

※この記事は「ふくおか・さが 家づくりの本No.51」より抜粋して記載しております

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