【インタビュー】THE イナズマ戦隊・上中丈弥「21年目のスタート。イナ戦で遊んでくれる人がいる限り一緒に楽しんでいきます」
取材・文・撮影/本田珠里(編集部)
取材協力/LIVING STEREO
結成21年目、ライヴバンドとしても全国に根強いファンをもつ、THE イナズマ戦隊。福岡では2003年に始まった野外ロックフェス「HIGHER GROUND」そして「NUMBER SHOT」に唯一の完全連続出演バンドとしても長く愛されている。昨年20周年を迎え、今年5月に日比谷野外大音楽堂での公演を大成功に収めた後、9月から『21年目の日本大巡業 2018-2019』ツアースタートと同時にシングル『My Generation』をリリース。福岡公演はツアーファイナルの来年3月と待ち遠しい中、プロモーションのため来福したヴォーカルの上中丈弥さんにその想いを直撃した。
— 新曲の『My Genaration』は、40代になってもストレートに青春を叫ぶ熱い歌詞が印象的でした。
上中:20周年で野音で初めて演らせてもらって「めっちゃくちゃ応援してもろてるやん!」と感じたからこそ自分たちに向けて書けた歌です。21年目でシングル出すのに、媚びたの作っても誰も喜ばんし、野音の会場で“私たちがいるから好きにロックしておいで〜!”ってファンの皆さんに言われた気がして、力強く踏み出したいなと思って選んだ楽曲ですね。
— プロデュースはやはり名村武さんですね。
上中:名村さんは僕たちがやりたいことを具現化するために協力してくれる、ずっと一緒にやりたいくらい最高のプロデューサーですし、人としてもあんな大人になりたいなと思える人ですね。今回は歌詞書く時もアドバイスをもらったんですよ。「もう十分上手に書くことができるから、上手く書こうとしない方がいい。荒削りな方がいいから今回はキレイにまとめないでくれ」って。
—確かに気付かないうちに小慣れてしまうことってありますよね。 21年も続けていると、往年のファンから若いファンまで色々な世代を見ていると思うんですが、イナ戦の熱いメッセージはどう受けてめられていると感じますか。
最近分かったことなんですけど僕らが歌っていることって経験しないと届かないメッセージが多いのかなと。長いことやって経験したから、より響くようになってくれたんじゃないかなと思うんです。だからこれからも続けて行くことでしか自分を肯定できないというか証明できないというか…。お客さんもそう受け止めてくれてるんじゃないかなと。
— イナ戦の活動の中心といっても過言ではないライヴツアー。私も何度か拝見してますが、毎回全力投球のステージは、いつ見ても胸が熱くなります。ライヴにかける想いや力の源は何なのでしょう。
上中:単純に楽しいし、ファンの方が常に新しい景色を見せてくれるんですよ。特に野音は大きかった。あんな景色見せてもらえるなんて…もう、本当にありがたいです。あとはライヴが一番のプロモーションですし、ライヴすればかっこいいって言ってくれますし…(笑)。何よりお客さんが来てくれるからやれる事なので、そこでしか恩返しできないからできるだけ返していきたいんですよね。
—個人的には ライヴ中のファンの方とのやりとりも面白くて楽しみの一つなんです(笑)。大御所と呼ばれてもおかしくない活動歴なのに、お客さんとの距離感も近いし、ファンのイナ戦愛もめちゃくちゃ感じるというか、その掛け合いが素敵だなと。
上中:そうかもしれないですね(笑)。でも嬉しいじゃないですか、もう40歳にもなる僕なんかに「写真撮ってください」とか言われたりするの(笑)。だから精一杯応えたいと思っちゃうんですよ。去年47都道府県ツアーをやって、こんだけ全国回ってるつもりでも初めての土地があって、そこで「来てくれてありがとう〜!」なんて言われると「イヤイヤ、こっちこそありがとうやでー!」って感じですよ、本当。
— イナ戦は福岡出身ではないにも関わらず、なかなか福岡出身アーティストでも難しい4デイズ公演を行ったり今回のツアーでは最終日だったり、勝手に根強いファン層が多いような気がしているんですが…。
上中:福岡は毎年フェスに出させていただいてますし、ファンの方々はもちろん、長くやってるとイベンターや媒体の方にも応援してくれる人が増えてきてイナ戦で遊んでくれる大人の方がたくさんいるんですよ(笑)。求められているうちは、ありがたく楽しもうと思いますし、何でもやります!
— 今回のシングルには野音のライヴ音源も2枚組で付いていますが、それを聴いていると今までのメッセージもバンドサウンドもいい意味で変わらない部分をすごく感じました。でも変わらずにいることって逆に難しいじゃないですか、やっていれば欲も出てくるだろうし。
上中:ずっと応援してくれてる人にまず届かないとやってる意味がないですから。デビュー当時は色んなファンの層を取り込みに行けって言われましたけど、やっぱり一番は長年応援してくれてる人たちに対して歌いたいっていう気持ちが昔からある。だから変わらないんじゃないかな。
— ライヴが一番イナ戦らしさを感じられるので、節目となった公演に行けなかった人にとって野音をそのまま音源化してくれたのは嬉しいプレゼントだと思います。
上中:結構そうおっしゃっていただくことが多くて、意外と需要があったみたいで良かったな〜と思ってます(笑)。やっぱライヴの瞬間が僕たちも一番気持ちいいですから。
— 今年21年目。まだまだイナ戦としての活動は続くと思いますが、これからの目標は。
上中:20年目で野音、来年は中野サンプラザで演らせてもらいます。この先、わからないですけど武道館に行けたら最高ですよね。そういう成長がイナ戦を応援してくれている人たちにとっても一年に一回のイベントになって、さらに生存確認みたいになって(笑)手に手を取って楽しめたら最高じゃないですか。野音でも子供連れのファンが多くて、それがまたいい空気を作ってくれたんです。ツアー会場でもそういう光景が増えて来ましたし、“ここまであなたの人生でイナ戦の音を鳴らしてくれたんやったら死ぬまで一緒に行きましょう!”って伝えたいです。本当にみんなが支えてくれてるおかげなので、これからも頑張ります!