Fuku Spo – アビスパ福岡/田邊草民
MF 田邊草民(Sotan Tanabe・背番号19)
しぶとく根気強く、挑戦者としての意地を見せるとき
約1カ月の中断期間以降、粘り強いプレーで勝ち点を着実に積み上げていくアビスパ福岡。第26節では、今シーズン無敗の川崎フロンターレに初黒星をつけるなど、J1でも戦える強さを見せつけた
“しぶといプレー”が、僕たちのスタイル
このチームはJ2・2位の順位でJ1に昇格したので、実質一番下からの挑戦者という立場ですが、現在の順位に位置付けられているのは、いい戦いができている証だと思います。チームとしてJ1でもしっかり戦えていることが、選手たちの自信にもなってきていると思います。シーズン序盤の試合では、動きも堅くなることも多かったですが、張り切って自分たちのサッカーをできるようになってからは、負けたとしてもすごくいい戦いができている気がしています。
中断期間前は、5連敗することもあって勢いが落ちてしまったんですけど、中断期間でもう一度、自分たちのストロングポイントを再確認できたことが今のチームの好調さに繋がっていると思います。全員でハードワークして、攻守の切り替えに素早く対応するという戦い方が徹底できるようになりました。(第26節で、)今シーズン無敗の川崎フロンターレに勝利できたのも、あの時間帯まで無失点でしぶとく戦えたのが勝因だったと思います。前半でピンチはありましたが、皆が体を張って失点せず、後半まで行けると何があるかわからないっていうのが僕たちのスタイルになりつつあると思います。
個人的に印象に残っている試合は、アウェーでのベガルタ仙台戦(第14節)ですかね。連勝している中で、その試合はなかなかチャンスで決めきれなくて。最後の最後、ロスタイムで渡選手がゴールを決めてくれたんですけど、あの試合はチーム力を感じたというか…。ベンチから出てきて渡選手が点を取ってくれたので、嬉しかったのを覚えています。
チームにリズムをもたらす役目
以前は守備が自分の弱点だと思っていたんですけど、今年はしっかりできている気がします。ボールを持って攻撃のリズムをチームにもたらすのが僕のストロングポイントだと思っていますが、もう少し前に絡んでいけるような体力が必要だと思っています。残り試合も少なくなってきましたが、まずは「勝ち点50・10位以内」という目標を達成するため、しっかりJ1に残留して、来年にも箔がつくように最後までいい試合をしたいですね。僕がボールキープしたり、パスをさばいたりするところに注目してくれたら嬉しいです!
編集部からのQ&A
Q.休日の過ごし方は?
ほぼほぼ家にいますね。昨日もオフだったんですけど、(愛犬の)ゴンの散歩以外一度も外に出ていないです。結構遅くまで寝て、ゆっくり家でくつろいでいることが多いです。遅い時は11時まで寝ることもあります…。ゴンと一緒にお昼寝するのが幸せですね。
Q.マイブームは?
本を読むことですね。ジャンルは結構バラバラで、小説も読みますし、有名な方の自伝も読みます。サポーターの皆さんにお勧めするとしたら、昔から好きな西加奈子さんの『サラバ!』という本ですかね。どこにでもいるような30代の男性が主人公で、その人が生まれてから現在までの出来事がツラツラと書かれているんですけど、すごく面白いです!
Q.コロナが落ち着いたら行ってみたい店は?
僕はいつも同じお店に行っちゃうタイプなので、せっかく福岡にいることだし、美味しいお店をたくさん巡りたいですね。焼肉も好きですし、オフ前だったら和食屋さんでお酒とか飲みたいです。(編集部:福岡でデートするなら?)そうですね~。美味しいお店を2,3軒はしごしたいですかね…。
Q.ジブリがお好きですよね。一番好きな作品は何ですか?
やっぱり『もののけ姫』ですね。まずは、サンの可愛さ。初めて見たのが幼少期だったので、僕の初恋でもあります(笑)。顔がめちゃくちゃタイプですね。性格的には、サンは結構強めの女の子だけど、実際は強い人よりも優しい人がいいですね。物語も素晴らしくて、とても大好きな作品です。
サポーターの皆さんにひとこと!
コロナ禍で声を出せなかったり、人数制限があったりで、盛り上がりづらいこともあるとは思いますが、僕たちアビスパ福岡が福岡の街を少しでも盛り上げられるように頑張りたいと思います。今はスタジアムに来られない方もたくさんいるとは思いますが、コロナが終息したら、ぜひ皆さんにスタジアムへ来ていただいて、僕たちと一緒にアビスパ福岡を盛り上げてほしいです。
〈PROFILE〉
田邊草民
生年月日 1990年4月6日
身長175㎝ 体重68㎏
出身地 東京都
’19年にFC東京からアビスパ福岡へ完全移籍。ボランチを主戦場としながら、テンポのいいパスでチームにリズムをもたらす。三度の飯よりゴン(愛犬)が好き。元チームメイト・大竹選手のYouTubeに登場し、一部ファンの間で話題に
文・取材/岩井咲里香