トップに
戻る

【ハウスランド社がつくった新築住宅】(筑紫野市)いい素材で美しく設えた住むほどに愛着が深まる家

光や緑を感じる開放感はあるけれど、すっと心が静まるような陰影もある。
コンパクトだけど、薪ストーブや隠れ小部屋など個性的なアイデアも満載。
延床面積28坪の平屋にはご夫妻のこだわりが散りばめられています。

 

壁は漆喰、屋根はショコラ色の洋風瓦。アプローチの階段は洗い出し

 

家づくりを考え始めたご夫妻は、雑誌で[ハウスランド社]に興味を持ち、筑紫野市の展示場を訪問。自然素材にこだわる家づくりに大いに共感したという。「時間が経つと劣化していく人工的なものよりも、キズや古さも味わいになっていく自然素材が好きなんです。経年変化を大切にしたいし、昔つくられたものを受け継いで使い続けるという考え方も好き。だから、職人さんの手でつくる自然素材の家に魅力を感じて、ハウスランドさんで建てることにしたんです」。

 

間取りを検討するうちに“平屋”の案が浮上。無垢の木や漆喰の塗り壁、床をタイルになど、一つ一つの素材にこだわりたいと考えていたご夫妻にとっては、コンパクトな家にすることは予算面での折り合いを付ける事にもつながったという。「小さな家なので、後から収納を買い足しておくのは難しいだろうと思い、家具や収納は最初から造作してもらうことにしました。広くない分、こだわることができました」と笑顔を見せる。

 

床はオークの無垢材。壁は漆喰。延床面積28坪のコンパクトな平屋でも、勾配天井で開放感たっぷり。収納家具はほとんどが造作

 

この家を語るうえでのもう一つのポイントは“北側採光”。ご夫妻の土地は、南側は道路に面している一方、北側には実家が建っており、他人の目線を気にせず過ごせる庭があった。実は北側採光は直射日光が当たらないので、夏場も室温の上昇が緩やかで、本や家具の日焼けも防げるというメリットもあるのだ。そこで、大きな開口部を北側に設けたご夫妻。「プライバシーが守られて安心ですし、北からの日差しは柔らかいですし、光量は一日中安定していて快適です」。寒さ対策に暖房機能に優れる薪ストーブも設置。

 

薪ストーブはエレガントなデザインのアメリカのバーモント社の「アンコール」。灯台と遮熱壁の素材には模様と風合いに特徴がある大谷石を選んだ

 

特にこだわったのはキッチンまわり。「夫や子どもと一緒にキッチンに立てるよう作業スペースを広くとるよう作業スペースを広くとるためにL字型に。コックピットのイメージで、窓際にコンロ、ダイニングとの間にカウンターを置くことにしました」。

キッチンや収納カウンターはすべて家具職人の手による造作。コンロや流しの下は扉をつけず、敢えてオープンに。湿気がこもりにくく、鍋を取り出しやすくなるうえに、お気に入りのアイテムが並ぶ風景がつくり手のモチベーションも高めてくれる。反対に、生活感が出てしまう冷蔵庫やレンジといった家電や使いかけの食料品などは、リビング側からは見えないようにパントリーコーナーに収納。

 

収納もキッチンもすべて家具職人による造作。作業がしやすいように幅や奥行きもミリ単位で考えて設計されている。コンロはレトロで機能的なデザインが美しいハーマン。床は水に強いタイルをセレクト

 

キッチンの奥に広めのパントリーを設け、冷蔵庫やレンジなどの家電や食品ストックは見えないようにデザイン。飾り棚にはお気に入りの雑貨を並べて

 

造り付けの棚は可動式になっているので、必要に応じて高さを変えて使うことができる。キッチンのみならず、ダイニングの一角にあるスタディスペースやリビングの飾り棚、洗面台や玄関の収納に至るまで、この家の設備や家具の多くは大工や家具職人による造作。床はオーク、壁は漆喰という自然素材にこだわった住まいに似合うよう、あらかじめ同社女性建築士と相談して、何を・どこに・どれくらい置くか決めて、サイズもデザインもオリジナルで設計。キッチンや収納カウンター、デスクなどの家具収納はタモ、本棚は杉の無垢材と素材にもこだわり、空間全体の素材や色、デザインを統一した。

整ったインテリアコーディネートに加え、ところどころに間接照明を取り入れて陰影をつくることで空間に立体感も生まれた。こうして、勾配天井とも相まって28坪の平屋とは思えないほどの広さや奥行きを感じられる住まいが完成した。

 

「子どもが巣立てば物置になるから」と子ども部屋1人当たり3.75畳とコンパクト。勾配天井にロフトもあるので広く感じる

 

玄関はリビング側とシューズクローク~洗面・脱衣所への2つの動線を確保。「コートを脱いで鞄を置いて手洗いして」と行動をイメージして間取りを考えた

 

美しく整えるだけでなく、変化球も盛り込んだ。リビングの隅の茶室のにじり口のような開口をぐるりと小さな畳の間がある。実用的でなくても、ちょっとした余白が暮らしに楽しみをもたらしているようだ。

「忙しい日々のふとした瞬間、自分のお気に入りの素材だったりデザインだったりが目に入ってくると癒されます。一緒に悩んで、情熱をもって作ってくれたハウスランドさんのおかげで、愛着のある素敵な家になりました」。

 

洗面台は大き目のシンクとシルバーの水栓を組み合わせた造作。アンティークカタログから選んだ真鍮のタオル掛がアクセントに

 

茶室の入り口のような下がり壁をくぐった先にあるのは洞窟風の和室。子どもの遊びやお昼にも使えるお籠り空間

 

ダイニングのそばのスタディースペースは庭にやってくる虫や鳥も見える子どものお気に入りの場所。棚は可動式で本や教科書の収納にも便利そう

株式会社ハウスランド社 吉木事務所

[所]福岡県筑紫野市大字吉木344-1

[☏]092-922-8771

[HP]https://www.h-land.jp/

※この記事は「ふくおか・さが 家づくりの本No.52」より抜粋して記載しております。

SNS運用代行サービス