絶賛開催中!九州エリア「SA・PAおどろきグルメ大賞」エントリーメニューを実食レポ
↑九州エリアでは26か所で“おどろきグルメ”を販売中。写真は古賀SA上り線の「めんたいかしわ御膳〜九州道(博多〜宗像〜北九州)箸で旅する味巡り〜」
↑SA・PAグルメコンテストの中でも、過去最大規模の参加店舗数
現在、西日本エリアのSA・PA (サービスエリア・パーキングエリア)で、グルメコンテスト「SA・PAおどろきグルメ大賞」を開催中。西日本高速道路サービス・ホールディングス九州支社管轄では26か所がエントリーしており、メニューを注文した際に渡されるQRコードを読み込んでの“お客様による審査”、そして“審査員による実食”でレストラン部門、スナック・フードコート部門それぞれで、大賞、特別賞が選出される(12月中旬発表予定)。
「SA・PAおどろきグルメ大賞」公式サイト
https://odorokigourmet.com
今回は、審査員の一人であるグルメライター上村敏行が実食レポ。
10月に行われた審査の模様と共に、各“おどろきグルメ”のポイントを紹介していく。同コンテストの対象メニューはすべて販売中(〜2022年1月末)であり、11月30日(火)まではお気に入りの一品に投票することも可能。また、年末年始も食べることができるので、帰省や冬ドライブの前にも要チェック!
↑対象メニューを注文するとこのカードが付いてくる。裏のQRコードを読み取り投票
味、ビジュアルはもちろん
“おどろき”“ご当地”“ストーリー”が重要
はい! ライターの上村です。
私普段、自称・豚骨戦士として九州のラーメンを啜りまくっているのですが、実は高速道路グルメも10年に渡り取材・執筆をしている“SA・PAツウ”でもあります。西日本エリアのSA・PA名物は知り尽くしていますし、これまでの季節メニューもほとんどを実食。SA・PAメニューの進化を肌で感じてきました。
「通過地点でなく目的地に」。高速グルメのレベルが上がってきた昨今、よくこんな事も聞かれますが、私もそうであるように第一には「安い、旨い、早い!」。そして「ガッ、とかき込める!」B級グルメの要素を求めている方がやはり多いでしょう(基山の肉うどん、玉名の焼きそばサイコー!w)。このような流行り廃りとは無縁な、不動の人気グルメがあるからこそ旬&創作メニューの輝きがより増すというもの。たまにゆったり旅を楽しんでいる時は、自分へのご褒美としてご当地の詰まった豪華御膳を満喫する。気分やシーンで選べる料理の幅、そして土産品の選択肢も格段に広がっています。
- 上村敏行(かみむらとしゆき)。1976年鹿児島市生まれ。食べ歩きの趣味が高じて2002年、ラーメンライターに。各媒体で数々のラーメンページを担当し、取材した店は3000軒を超える。2011年より、高速道路グルメを紹介するフリーペーパー「まんぷく手帖」、「別冊遊悠WesT」も執筆。年に3回、九州中のすべてのSA・PAを巡り、季節メニューや旬みやげを実食してきた。久留米とんこつラーメン発祥80周年祭、福岡ラーメンショー広報、ソフトバンクホークスラーメン祭はじめ食イベント監修、高速グルメコンテストなど食の審査員も務める。ラーメンライターとしての活動はイギリス・ガーディアン紙、ドイツのテレビZDFでも紹介された。
私自身、高速グルメの審査員を務めさせていただくのは3回目。以前は、福岡の1か所の会場に各エリアの料理長が集って披露するというスタイルでしたが、昨今の状況を受け今回は、審査員が各SA・PAを訪れて実食するという形に。審査員同士は間隔を空け、席の消毒、パーテーション設置と、感染予防もしっかりとされた中、2日間食べまくりました。
※北九州方面から、佐賀、長崎、大分エリアの順で実食したメニューを紹介していきます。
さあ、必食SAPAグルメ12連発!
めかりPA上り線
「関門海峡丼」(1380円)
@スナックコーナー
リニューアルした「めかりPA」の新しい“顔”となることを予感させる傑作丼。
言わずと知れた下関名物のふく(フグ)を筆頭に、ハモの天ぷら。
ワカメに明太子、シラスが脇を固めています。
ホクッと淡白な白身が出てくるフグが、揚げ方も完璧!で主役なのは間違いないですが、私、ワカメと敷き詰められたシラスがいい仕事っぷりだと思いました。さらに、丼タレがしつこすぎず、程よい酸味でさっぱりとしているのが好印象。ワカメがあえて大きめにカットされているので、ワシャと掴みやすいし、強調された食感も楽しいですね。ご飯や具を巻くように食べてもいいですし。
明太子をフグやハモ天に絡めて、仕上げに柑橘を搾って食べるのも、まあ最高♡
ゴロゴロと入った貝汁、小鉢も付いています。
関門海峡を望むカウンターが特等席。この丼メニューは朝食にもいいですね。
↑今回、審査員として共にした「ももち浜ストア」のリポーター・池尻文さんも太鼓判!
↑新設されたオープンエアのデッキも気持ちイイ♪
こちらが当日の審査表です。
コンテストのメインテーマである“驚き”をはじめ
“ネーミング” “オリジナリティ” “味覚” “お値打ち感” ”ご当地感”
の6つの項目で実食審査をさせていただきました。
壇之浦PA下り線
「武蔵の必殺二刀流カレー」(1080円)
@スナックコーナー
グリーンカレー&マサラカレー。そして具材はフグ&クジラ
カレー、具材ともメニュー名の通り“二刀流”。
2色のカレーに浮かぶライスは、かの有名な巌流島を見立てています。
カレーソース、結構好きな味でした。グリーンカレーは甘さを感じ、一方のマサラカレーは鮮烈な辛さ、スパイスも効いています(ビジュアルからの想像より辛いです)。最初はフグを、各ソースを行き来させながらパクリ。食べ進めていくごとにグリーンカレーとマサラカレーが渾然一体に。溶け合うことで、私的にはちょうど良い辛さ、ソース濃度になりました。クジラ肉もクセがなく食べやすいですね。
「壇之浦PA」もリニューアル。関門海峡を切り取る大きな窓が開放感を演出してくれます。ちょうど巨大なタンカーが!とにかく絶景!
古賀SA上り線
「めんたいかしわ御膳」〜九州道(博多〜宗像〜北九州)箸で旅する味巡り〜(1980円)
@レストラン
古賀SA上り線は、西日本エリアでも屈指の来客数を誇る横綱格。そして過去のSA・PAグルメコンテストでも輝かしい受賞歴を誇る凄腕料理長が迎えてくれる“間違いなし!”のSAです。今回のエントリーメニューもさすがと唸る一品。
“九州道の味を一膳で”というコンセプトのもと、明太子、かしわ飯、天然あなごの天ぷら、アゴ出汁にゅうめんなどのセット。彩りもすばらしいですね。
一品一品に丁寧な手仕事を感じ、味付けも緻密に計算されています。
例えば、かしわ。食感を配慮し少し大きめの“そぼろ”になっていて、そのまま食べてももちろん美味ですが、茶漬けにした時にも他具材や出汁とマッチするような味付けになっています。粒感もしっかり感じる明太子もグッド!
アナゴは天然もの!
皿からはみでるボリューム感で、顔の近くに持っていくとこんな大きさでございます。
古賀SA上り線。レストラン、スナックコーナーともバリうまグルメが揃うマンモスSA
古賀SA下り線
台湾からあげ大鶏排(ダージーパイ)✖️古賀ちゃんぽん(1380円)
@スナックコーナー
ラーメンライターとしても、これは度肝を抜かれました。まさに“おどろき”グルメ。丼と肉のバランスがちょっと変?と異様さを感じるほど圧倒的な肉のボリューム。
台湾からあげ(タージーパイ)は200g!味付けがしっかりと濃い!そしてスパイシー!(五香粉の香りも鼻を抜けます)これでちゃんぽんがこってりしていたら、しつこ過ぎる感じになるのでしょうが、スープは比較的サラリとした鶏白湯。炒めた野菜の優しい甘味も相まってベストマッチ。
箸で持ってもズシリと重さを感じる台湾からあげ
お、重い…。笑っちゃうぐらいのボリューム。このジャンキーたるや!
この台湾からあげ、サクサクの時に食べてももちろん旨いですが、スープを吸って、ひたひたになった状態でかぶりついても美味(よりズッシリと)。とにかく、今まで体感した麺メニューの具材の中でも最も“重み”を感じるものでした。トンカツや唐揚げがのったラーメンやちゃんぽんとは、味付け、衣の感じもまた別モノです。
広川SA上り線
筑後伍国膳〜輪から広がる未来〜(1880円)
@レストラン
広川SAの周辺、筑後エリアの美味を詰めた「筑後伍国膳」(ちくごごこくぜん)
ブランド豚「八女もち豚」を、甘い辛いタレのステーキ、そしてミルフィーユカツで。添えられた「八女抹茶塩」をふりかけて、味、風味の変化も楽しむことができます。
そして「ごろし」という麺をご存知でしょうか?
こちらも筑後地域の名物で、「幅広の麺」のことを古来よりそう呼びます。きな粉や黒蜜をかけて食べることも多い「ごろし」を豚汁の具材としてイン!
はい! そして、中央のこの一品。
実は、これエリンギの唐揚げなんですね(近隣の福岡県大木町はエリンギはじめキノコが特産)。ポテトで作った籠に盛られていて、崩しながらいただく。エリンギはしっかりと濃い味付けになっていて、見た目も含め一瞬“ホルモンか何か?”と思ってしまいました。知らないで食べたらキノコとは気づかないかも。テーマである驚きもあるし、何より美味しい。ストーリーも良く練られた御膳でした。
サイズはミニですが「ハヤの甘露煮」も柔らかくて美味。デザートも「八女ほうじ茶プリン」と、細部までご当地感を感じました。ちなみに、「八女茶ほうじ茶」「ハヤの甘露煮」「野菜の粕漬け」は、ショッピングコーナーで販売もしています。
広川SA下り線
深緑の茶丼(800円)
@スナックコーナー
広川SA下り線の「深緑の茶丼」。「八女茶」を全面に出したメニューです。緑が濃い!
グリーンのビジュアルって、食欲をそそるかって意味では難しいんですけど、これね。私的には味も含めて結構ポイント高かったです。まず、写真の通りかき揚げにお茶がまぶしてあるだけでなく、ご飯も緑。“茶炊き”なんですね。
普通、この緑のご飯の上に海苔やらのせたくなるんでしょうが、この緑一色(麻雀じゃないですよ)が逆に良かったですね。潔く「お茶推しです。」みたいな。拍手!!
かき揚げのエビとしては大ぶり。揚げ方もいいし、お茶のさっぱり感が効いてうまかっ!
お茶で炊いたご飯に、さらに茶をかけて“茶漬け”に。とことん茶ッチャ!♪
急須に入っている茶は、和風出汁と合わせてあって味もしっかり(うどん出汁のような味)。臭みやクセもなく食べやすくて、高評価でした。
金立SA下り線
翔たく勝ちガラスハンバーグセット(1100円)
@スナックコーナー
メニュー名に取り入れている「カチガラス」(カササギ)は、佐賀県の県鳥で、とても縁起のいい鳥なのでございます。カチガラスの見た目の特徴である黒と白のツートーンカラーを、黒デミグラスソースの“黒ハンバーグ”と“揚げワンタン”(翼にも見立てている)で表現。
ハンバーグは、“肉肉しい”タイプ。コク深いデミグラスソースも多めにかけられています。
“勝ち”ガラスをイメージした必勝メニュー。
受験生の方!
年始、佐賀県・鹿島市「祐徳稲荷神社」への初詣(福岡方面からだと金立SAに立ち寄る事も多いので)とついでに、縁起のいいハンバーグを!
金立SA上り線
がばいっ! 海苔クロラーメン(660円)
@スナックコーナー
黒い丼に、スープ表面を覆う海苔、ノリ、のり〜っ!!漆黒のラーメンに映える白いものはネギ。豚骨ラーメンに佐賀県名物の有明海苔を入れまくった一杯です。
どこをすくっても、“海苔だく”。麺にも絡みまくってきます。豚骨スープと海苔はご存知のように相性が良いので、ありっちゃアリ。思い切りましたね。。。
金立SA上りの看板である豚骨ラーメン✖️有明海苔。
川登SA上り線
ありたどりの湯けむりうどんすき膳(1500円)
@レストラン
“湯けむりうどんすき”。ネーミングも興味をそそられていいですね。
今回、実食審査したメニューの中でも個人的に高い点数を付けた御膳です。
まずは、コンテストテーマの“驚き”の要素。
御膳が運ばれてくる前に、まずはこの「綿あめ」が出てきます。結構大きい。
なんだ、なんだ?
スタッフさんが、このように鍋に綿あめを投入してくれます。
一瞬で溶け込んでしまいますが、まさに「湯けむり」。旅情をかきたててくれます。
綿あめが溶けた、程よい甘さの出汁。鶏肉は「ありたどり」(柔らかっ!)、麺は五島うどんの「はごろも麺」(滑らかな舌触り)。うんうん、美味しい。これは寒い冬のドライブ途中に食べたくなりますね。
山田SA下り線
筑後川カレー〜あなたのセンスが試される〜(830円)
@スナックコーナー
こちらは、太陽光パネルもズラリと並び「エコSA」としても知られる山田SA下り線のカレー。近隣を流れる筑後川をカレーで表現。別皿で出てくる三連水車のリング。ブロッコリー、ニンジンなどの具を好きに盛り付けられるというもの。
マヨネーズで文字も書けます(私は“カレー”と書いたんですが下手すぎましたw)。カレーのソースも“甘め”なので、お子様メニューとしてもいいですね。
実食の様子。
実食し審査表に点数を記入していきます。
山田SA上り線
とり天ワイルどん(1000円)
@スナックコーナー
“驚き”というテーマとなると、真っ先にインパクト大の“G系”(がっつり系)を連想するでしょう。このG丼は、ボリューム、味、コスパとも最強!でございました。鶏天がなんと250gものっていて(というか、刺すように隙間を埋めているw)、ご飯も全く見えません。
横からはこんな感じ。すげー!
持ってもズシリときますねー。
揚げたてサックサク、あっつ熱の状態で運ばれてきて、甘くて濃厚な丼タレも好印象。すでに大人気!というのも納得できます。これは上位入賞間違いなしでしょう(実際、私も高得点を付けました)。
別府湾SA上り線、下り線 ※上下集約線
大分よくばり丼(680円)
@スナックコーナー
680円。まずは値段がイイ!
別府湾はもともと、テイクアウトでも買える「唐揚げ」「鶏天」が旨いと評判のSA。その2つを丼にしたというシンプルな発想ですが、大分名物をどっちも食べたい!を満たしてくれる嬉しいメニューですね。唐揚げと鶏天は衣が異なるだけでなく、鶏の部位も異なり、また趣向の違う味わいです。カボス果汁の酸味もさりげなく香り、ガツガツ&さっぱりといただける!
いかがでしたでしょうか。
現在開催中の「SA・PAおどろきグルメ大賞」のエントリーメニューの中から、12品をご紹介しました。“お客様による審査”“審査員による実食”によりレストラン部門、スナック・フードコート部門それぞれで、大賞、特別賞が12月中旬に発表されます。メニューは来年1月末まで食べられるので、ぜひ体感ください。