OITA ART TRIP(大分県)大分のアートとカルチャーを巡る旅。~由布市編part1~
大分ってどんなとこ?
そう聞かれたら、真っ先に「アートの街だよ」と答えよう。
未知の感覚を味わうアートも、日常の延長線上にある土着のカルチャーも、
アートが誘う、見たことない大分の旅へ。
今回は、由布市をご紹介。
|由布院駅
礼拝堂をモチーフにした磯崎新の建築
1990年に大分県出身の建築家・磯崎新の設計で誕生した『由布院駅』。駅舎建築のモチーフとなったのは“礼拝堂”。ホームから向かいプラットフォームまで、すべて黒で統一したシックな佇まいと、自然光が降り注ぐ開放的な高さ12メートルのコンコースが印象的だ。待合室を兼ねたギャラリーは、弧を描く天井とそれを支える梁が空間にリズムを刻む。駅舎を背にして湯布院の街へと向かう視線の先には、真っ直ぐに由布岳が見える湯布院の玄関口だ。
|由布市ツーリストインフォメーションセンター
波打つ梁とガラスで魅せる現代的な森
JR由布院駅前に隣接する『由布市ツーリストインフォメーションセンター』は、建築家・坂茂の設計により、2018年に完成した。坂茂は、磯崎新が設計した由布院駅舎との対比を意識しつつ、山々に囲まれる街並みを想起する空間を描いた。
1階は観光案内のカウンターで、2階は旅に関する書籍を自由に閲覧できるフリースペース。波打つような曲線を描くアーチ状の梁が交差する天井は、ずっと見ていても飽きない造形的な面白さがあり、森の中にいるような感覚で誰もがゆっくりと過ごせる場所だ。
|山荘無量塔
時代と文化の融合が生む創造性
元々は1983年に小さな茶寮としてオープンした『山荘無量塔』。その頃と変わらず、一期一会の精神を大切に、人々へ生きる意欲を湧き起こす、創造性に富んだひと時を提供する。ブランドを語るのではなく季節を感じる料理を愛でながら、宿の世界観を五感で感じたら、新たな人生の可能性が見えてくるはず。
|亀の井別荘
油屋熊八の感性を追体験
大正10年に別府の油屋熊八翁の別荘として建てられた『亀の井別荘』。3万平米という広大な庭の中には、本館洋間6室と離れ客室14室が点在する。洋室、和洋室、和室と異なる個性で彩る客室は、どこを選んでも雰囲気たっぷり。自然をすぐそばに感じられる非日常の空間で、心身ともにリフレッシュして。
|由布院 玉の湯
唯一無二の時を奏でる宿
昭和28年、禅寺の保養所として開業した『玉の湯』。柔らかな木漏れ日が注ぐ雑木林の中には、1 3 棟1 6 室からなる離れの客室が佇む。自然の音をBGMに源泉掛け流しの湯を満喫する檜風呂や、読書好きにはたまらない談話室など、心の赴くままに過ごす贅沢なひと時を噛み締めて。