Fuku Spo – 福岡ソフトバンクホークス/甲斐野 央
甲斐野 央(かいの ひろし・背番号20)
後半戦に頼もしい存在が復帰!
フォームの改良で生まれ変わった甲斐野が孤高の投手を目指す
ルーキーイヤーに中継ぎの一角を担い、チーム最多の登板数を記録した甲斐野が、手術やリハビリなどの長い戦いを経て、1年半ぶりに一軍復帰した。フォームの改良に着手し、生まれ変わった甲斐野。球界を代表する唯一無二の存在になるべく、新たなスタートを切る。
長かったリハビリを経て 久しぶりの1軍マウンドへ
右肘の故障から約1年半ぶりに一軍に復帰しました。多くの方に「おかえりなさい」と言われたことが、何より嬉しかったですね。久しぶりにペイペイドームのマウンドに立った時は、率直に「長かったな」と思いました。その間、チームには迷惑をかけましたが、復帰後もリードしている場面で登板させてもらったり、ホールドが付いたり…本当に感謝しかないですね。
学生時代は一度も大きな怪我をしたことがなかったので、故障してしばらくは戸惑いがありました。休めば治るという状況でもなく、これからもプロ野球選手として走り続けるには、何かを変えないといけない時期にぶつかっていたんですよね。その中で、大きかったのは千賀(滉大)さんの存在ですね。リハビリに入ってから約1年後の昨年12月に患部の手術を受けたんですが、それでも気持ちが上がらず…。何をどうすればいいのか悩んでいる時に、千賀さんから人としてとか、投げることとか、フォームの考え方を少し教えてもらって。「何の知識もなく、良くなって、悪くなってを繰り返しながら、良い状態をキープするように頑張るより、悪くなるのは原因があるんだから、そこに意識を向けた方がいいんじゃないか」って言われて。千賀さんって多くを語る人ではないので、「あとは自分で考えろ」って最後の答えまでは教えてくれなかったんですが、それで目が覚めましたね。その後は、めちゃくちゃ体の勉強をしました。一番力を入れたのは、自分の体の根本を知ることと投球フォームです。頭がパンクするんじゃないか!と思うぐらい悩みましたけど、ファーム投手統括コーチの倉野(信次)さんや同じく二軍の田之上慶三郎投手コーチと相談しながらフォームを改良してからは、2週間ぐらいで自分のものになってきたという感覚が掴めました。以前に戻ったというより、新しく手に入れたという感じの方が大きくて。実践感覚が戻ってきた最近では、満点に近いフォームで投げられるようになっています。騙し騙し投げていた頃とは、感覚的にも全く違いますね。
日本一に向かって 全力投球を誓う
もともとホークスの中継ぎは雰囲気がすごくいいんですが、首脳陣からは「僕が帰ってきてから、すごくいい雰囲気になった」と言われています。自分でも全くその通りだなと思っています(笑)。先輩方は僕のことが大好きなんですよ。僕も好きなので、相思相愛がいい雰囲気にしているのかなって思いますね。今の中継ぎは若鷹が増えているし、みんな元気がいいので、負けられないですよね。日本一の投手陣の中でも、絶対的なポジションを確立するというのが今後の目標です。調子がいいから使ってもらえるような投手ではなく、一人突出した選手。いないと困ると思われるような選手を目指していきます。試合も残り少なくなってきましたが、僕たちは常勝軍団だと思っているので、最後まで優勝するというビジョンに向かって全力で戦っていきます。ファンの皆さんにもそう信じて応援していただきたいですし、僕の力は微々たるものですが、任された試合は全力で投げていきますので、引き続きの応援よろしくお願いします!
<編集部からのQ&A>
Q.幸せを感じる瞬間は?
A.帰ったら奥さん待ってくれていることですかね。食事も栄養のことを考えて作ってくれますし、リハビリ中も変わらず応援してくれたので、期待に応えたいと思っています。
Q.お気に入りの飲食店を教えて!
A.もつ鍋が好きですね。関西出身なので、ホークスに入ってから、よく食べるようになりました。天神にある「田しゅう」の醤油味がお気に入りです。
<プロフィール>
2018年ドラフト1巡目でホークスに入団。2019年にルーキーながら65試合に登板し、26ホールド8セーブと大活躍。プレミア12で日本代表にも招集された。翌年春に右肘を故障。長いリハビリ期間を経て、今年7月に一軍復帰。