【すてきなリノベのお宅訪問~戸建編】春のつつじに冬の南天 リビングは自然を楽しむ特等席『有限会社 桑野組』
すてきなリノベのお宅訪問
有限会社 桑野組
糸島市[Y邸]
自然の美しさの楽しめる
ピクチャーウィンドウの家
Yさんが両親・2人の子どもと暮らすこの家ができたのは昭和53年のこと。トイレや浴室など、住宅設備は交換しながら40年以上にわたって住み続けてきたが、冬の寒さには閉口していたという。また、欲しい家具や雑貨があっても、純和風の家には似合わないからと購入をためらうことも多く、「今のライフスタイルに合わせた家につくりかえたい」という思いはつのっていった。
奥さまが[桑野組]の副社長と同級生だった縁から、同社に相談。家族が集まるLDKを中心に、冬の寒さを解消し、家族みんなが暮らしやすいデザインにするためにリノベーションすることにした。
ダイニングキッチンと和室、子ども部屋と廊下の壁を取り払い大空間に。季節ごとにかけかえる絵画のように、窓一面に映る自然の変化を楽しめる
当初は10畳のダイニングキッチンと6畳の子ども部屋をつなげてLDKにするつもりでいたが、奥さまとお母さまが並んで立てるキッチン空間を確保するには少々スペース不足。そこで、[桑野組]は6畳和室と廊下の壁も取り払って20畳以上の広いLDKにすること。さらに、裏山の自然豊かな景色を活かして一面ガラス張りの大きな開口部を設けることを提案した。
「いつかリノベーションすることを考えて、それに合うように考えてつくった」というYさん作のテレビボード。木製の家具は新しいリビング空間にしっくりと馴染む
断熱性能向上と造作収納で
3世代みんなが笑顔に
「窓が大きいと寒くなるのでは、と心配していましたが、二重サッシにして断熱材を天井と床下に追加してもらったおかげで、エアコンの効きが良くなりました。夏はエアコン1台で過ごせたし、冬はエアコンと湯沸かし用ストーブ1台で十分暖まります」。
広く明るく快適になった住まいを、できるだけ美しく整った状態にキープしたいというのが主婦の心情。しかし、3世代同居なのに、若い人のライフスタイルに合わせたたばかりに、おじいちゃん・おばあちゃんが不便になってしまうのは奥さまの本望ではなかった。
「本当はキッチンの収納も中のものが見えないように扉をつけたらいいのかもしれないけど、お箸を出すとかお茶を飲むとか、一日に何度もやることをやりやすいようにこの形にしてもらったんです。これなら便利だし、テーブルの上は片付くし、お気に入りの雑貨も飾れます」。
オープン収納の対面キッチンは、「みんなで心地よく過ごしたい」という思いのシンボルでもあるのだ。
キッチンは両サイドを空けて動線を確保。手元は見えないように腰壁を高くして、ダイニング側には収納棚を造作。ポットや茶器を置いて家族のドリンクコーナーにした
キッチンパネルの色は奥さまが好きなイエローをチョイス。「家事する気分も上がります」
そして、何よりも家族が気に入っているのは窓からの眺め。
春はツツジ、夏は紫陽花、冬は南天と、季節によって移ろう景色の美しさは、まさに裏山から発掘した宝物だ。同じ場所で同じ骨格を保ちながら劇的に変化した住み心地を、Yさんのお母さまも驚きつつ喜んでいる様子。
「山がきれいで、陰のものが表に出てきたんだと思います。前の家とは全然違うんで不思議なごたぁけど、ほっこりします。おじいちゃんもうれしそうにしていますし、『若いもんに任せてよかった』って言いよったです」。
「冬は南天がクリスマスツリーのように見えた」とYさん夫妻。クリスマスローズやミモザも植え、山の手入れもするようになった
長年愛用してきた食器棚をアレンジ。最上段を神棚にして使い続けることにした
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有限会社 桑野組
[所] 福岡市早良区干隈4-20-9
[☏] 092-861-7126
[HP]http://www.kuwanogumi.com/
※この記事は「フクオカリノベno.8」より抜粋して記載しております