明太子〈やまや〉のヒミツ
【連載企画】vol.1
美味しさのヒミツ「人篇」
福岡人におなじみの、明太子の〈やまや〉。
数ある明太子メーカーの中でもユニークな存在の〈やまや〉を深堀りして、
福岡グルメの魅力、美味しさのヒミツに迫っていきます!
“舌”の感覚で明太子を輝かせる「ブレンダー」
〈やまや〉の明太子ができるまでの工程のひとつに「漬け込み」というものがあります。
たらこを「匠のたれ」に漬け込み、“168時間”の熟成へとつなげるための重要な作業です。
この「漬け込み」を担っているのが「ブレンダー」と呼ばれる特別な職人さんたち。
門外不出の「匠のたれ」を調合し、品質管理を行うブレンダーは、明太子の旨さを支える
いわば“味の番人”的な存在です。
甘味、酸味、塩味、苦味、旨味の“五味”を正確に判断する厳しい味覚テストが課せられ、
もちろん勤務態度から愛社精神まで問われます。
ブレンダーの称号をもつ職人は、本社工場に3人しかいません。
(写真左から)
八木 俊一さん 2010年入社。「漬け込み」部門をトータルで管理
西村 誠さん 2004年入社。ブレンダー歴15年以上の調味責任者
本多 宣昭さん 2010年入社。正確な計量で味を支える熟練ブレンダー
「繊細な舌の感覚が求められる仕事のため、私生活から徹底した自己管理をしています。
刺激の強いものは普段から口にせず、出社前の朝食も塩分を抑えたものにしていますね」と、ブレンダーの1人、西村誠さん。
味に頑固な熟練ブレンダーが明太子に旨味、“命”を吹き込む手仕事を、本社工場で詳しく見てみましょう。
本社工場に3人だけ! 明太子の味を支える「ブレンダー」
↑ 完成した新液をチェック。殺菌した旧液を加えることでコク深さが増す
旨味が凝縮した“旧液”と“新液”を絶妙にブレンド
ブレンダーが仕事をする場所は、限られた人しか出入りを許されない工場奥の一角にあります。
主な業務は漬け込み液である「匠のたれ」の“新液”の製造。
そして創業当時から継ぎ足しながら明太子の旨味を重ねてきた“旧液”とブレンドすることです。
新液は水を一滴も使わず、唐辛子、柚子、昆布、酒の4つの素材で作ります。
それぞれの特性を見極め、香りが最も花開く順番、タイミングで調合タンクに投入。
上品に溶け合うよう、大型のハンドミキサーを使って丁寧に混ぜ込んでいきます。
「明太子の味により深みを出すために、新液に殺菌後の旧液を合わせることが重要です。
新液は材料、配合と決まったレシピがありますが、旧液は状態や含まれる成分の度合いがその時々で異なるので、
味を一定に保つのが本当に難しいです。ここが私たちの腕の見せどころでもあります」と、ブレンダーの八木俊一さん。
「匠のたれ」は、まさに匠の技と感覚の賜物。刻んできた半世紀分の旨味も凝縮されています。
↑大型の調味液製造のタンクも据えられている。「匠のたれ」を1日に1000〜2000リットル製造
そんな〈やまや〉の明太子が食べたい! 贈りたい!
創業以来受け継がれる「匠のたれ」の奥深さを、いざ実食です!
↑受注生産のため、予約制の『できたてめんたい』[中辛]※写真は240g
注文が入ってから作る受注生産、期間限定の『できたてめんたい』は、「匠のたれ」で168時間熟成した後、博多から直送。季節の贈り物に最適です。
今季のご注文は、2022年7月21日(木)まで。
公式HPからご注文いただけます。
https://www.onlineshop-yamaya.com/