【福岡の頼れるお医者さん2022】腎臓病治療や透析への導入をすべて外来で行える時代へ「池田バスキュラーアクセス・透析・内科」
心臓にやさしく長生きするための透析とは?
全国で約33万人いるとされる透析患者。高齢化や慢性腎臓病の増加により、その人口は増え続けているという。慢性腎臓病とは、尿蛋白や尿潜血が認められる病気の総称で、糖尿病の合併症として知られる「糖尿病性腎症」や、高血圧による動脈硬化が原因となる「腎硬化症」は、悪化すると慢性腎不全となり、腎代替療法(透析)が必要となる。その透析を適切な時期に導入出来るかどうかが、その後の健康に大きく関わると『池田バスキュラーアクセス・透析・内科』の池田潔院長は語る。
「透析は今やスタンダードな治療です。急患で運ばれるまで導入を待つのではなく、外来で計画的に導入し、患者さんの負担を軽減したいと考えて、10年前に当院を開業しました」。先生がそれまで福岡赤十字病院で行ってきた、慢性腎不全の外来治療や、透析の前に血管を確保するために行う「シャント」手術の経験を生かし、腎炎から腎不全に至る患者を外来で受け入れながら、外来手術でのシャント作製やトラブル処置、透析患者のアクセストラブルの緊急外来治療を、周辺医療機関からも積極的に受け入れている。
シャントの狭窄や閉塞などが起きた場合、以前は再建を余儀なくされたが、最近は、風船付きのカテーテルを用いて詰まりを治すシャントPTA(VAIVT)という治療法が普及されてきた。同院ではこの手術を、年間800例以上、総合計8000例近く実施。全てのシャント手術に院長自ら執刀し、局所麻酔で約30分〜1時間の手術を、基本的に日帰りで行っている。造影剤アレルギーの患者さんに対応し、透視ではなく先端的なエコー下で行うのも特徴のひとつだ。
また、ここ10年で増えているのが、動脈硬化などでシャント作製が難しい場合に選択される「留置カテーテル」。この方法は、血流量の増加で心臓に負荷がかかるシャント作製に比べて、透析患者の死因となる「慢性心不全」のリスクが低いなどの利点がある一方、前胸部から管が出ているため、細菌感染を起こす可能性がある。とはいえ、透析を行う際の穿刺がないため、自身で透析を行う在宅透析患者にも有用な方法。しっかりとした手技指導、感染対策をすれば、安全に透析が行えると、同院でも普及に力を入れている。
仕事や家庭の都合に合わせて365日透析ができる
週3回の通院が必要となる一般的な透析治療は患者への負担も大きい。そのため『池田バスキュラ―アクセス・透析・内科』では希望する方へ、在宅透析を導入している。在宅透析の利点は保険によって定められた週3回に縛られることなく365日透析ができること。毎日透析を行っている患者は、血色が良くなり、血圧の薬や造血剤の必要もなくなるという。またスムーズな治療を行うため、穿刺のない留置カテーテル透析を推奨し、心臓にやさしく長生きするための透析として普及に力を入れている。透析中のトラブルは少ないというが、随時ウェブカメラで監視し、何かあれば臨床工学技士が24時間電話対応を行うというから安心だ。九州では取り組んでいる病院が少ない在宅透析だが、始めてみると「こんなにいい透析はないと実感した」と池田院長。ただし、配管工事などの初期費用が必要で、電気代や水道代で月2~3万の出費が必要となる。また、現制度では1人での治療は禁じられているため必ず付き添いが必要だ。しかしそれ以上に在宅透析のメリットは大きく、今後注目されていくに違いない。
医療法人 心信会 池田バスキュラーアクセス・透析・内科
院長・事務長 池田 潔先生
1988年大分大学医学部卒業。2003年九州大学大学院医学研究院病態機能内科学入局。福岡赤十字病院腎センター第六内科部長を経て、2010年池田バスキュラーアクセス・透析・内科クリニック開院。日本透析医学会認定透析専門医、指導医。
他にも気になる病気や症例について各専門ドクターがわかりやすく解説!
お求めは☟をクリック
Hospital Data
医療法人心信会 池田バスキュラーアクセス・透析・内科
[診療科目] 腎臓内科(予約制)、人工透析、バスキュラーアクセス、一般内科
[住所] 福岡市中央区白金1-20-3 神与薬院ビル1階/2階
[電話] 092-526-4810