【久留米グルメ 愛される老舗#02】創業以来変わらぬ味とスタイル 3代続く老舗食堂
昭和5年から続く老舗食堂『べら安食堂』。開店以来一番街や東町などへの移転を経て、現在は小頭町で地元民のはらぺこ腹を満たしている。一見さんは少し入店をためらうであろう年季の入った外観。
思い切って扉を開けると、3代目の二田健司さんと洋子さんご夫婦がにこやかに迎えてくれる。使い込まれたカウンターやこじんまりしたテーブルがかわいらしい小あがりの座敷。初めてきたのに懐かしさを感じるお客さんも多いだろう。
「うちはうどんから丼、定食までいろいろあるけど、よく出るのはカツライスとランチやね」と健司さんがおすすめしてくれた『ランチ』(1100円)は、お皿にトンカツとオムレツとハンバーグがどんっとのった一品。これにライスと味噌汁がついてくる。
オムレツの中には肉うどんに使う甘めに煮付けた牛肉が入っており、がっつりご飯が進む味わい。トンカツは厚みがありボリューミー。脂身が少なくサックリした食感でくどくない。このカツとハンバーグに、50年前から継ぎ足しているというコク旨のデミソースがかかっている。長年のファンも多いという話に深くうなずける一皿なのだ。
「うちは特別なことはせんで先代から受け継いだ味とメニューをずっと守っとるだけ。だけんウーバーイーツ? ペイペイ? 一切しとらんとよ」。取材時は17時ごろであったが出前の電話がけっこう入る。近所のもっていける範囲の分のみ受け付けているらしい。この味が自宅で味わえるとは近くの常連さんは幸せ者だ。
聞けば娘さん二人はそれぞれ離れて暮らしており、今のところお店の後継ぎはいないとのこと。「創業100年目まであと8年はなんとか続けたかねって二人で話しとるんよ。まあ体が動けばやけどね(笑)」。洋子さんはそういうが、調理に出前にテキパキと動く二人の姿を見るとまだまだ10年以上はいけそうだ。これからもきっと変わらない味と二人に会いに、ちょこちょこまた顔出すけんね!
掲載の内容は取材時のものです。取材日と記事公開日は異なる場合があり、メニューや価格、営業時間、定休日など取材時と異なる場合がありますので、事前に公式HPやお問い合わせにてご確認をお願いします。
べら安
久留米市小頭町3-158-1
[TEL] 0942-32-2444
[営] 11:00〜14:00/16:00〜20:00
[休] 木曜
[席] 13席
[P] 2台
カード/不可