【Fuku Spo/インタビュー】 – アビスパ福岡/北島祐二
MF 北島祐二(きたじまゆうじ・背番号25)
どんな状況であっても 最後の1秒まで不屈の精神で挑む
得点力に伸び悩んでいたアビスパ福岡だったが、GWの3連戦では勝点7を積み上げる好調ぶりを見せた。この短期間でチームにどのような“変化”があったのか。そのカギを握るのは、今注目の成長株・北島祐二かもしれない。
一発のアシストを機に 自分のプレーに自信が持てるように
今シーズンの序盤は、なかなか試合に絡めず、カップ戦でも出場時間が短くてなかなか自分のプレーが発揮できないなと感じていました。そんな時に、ルヴァン杯のジュビロ磐田戦でスタメンのチャンスを頂いたので、思い切ってやろうと心に決めて挑みました。その結果としてルキアンのゴールをアシストできて、本当に良かったです。ルキアンにパスを出した後は、「入ってくれ…」って願っていたし、ゴールが決まった時はプロ入りして一番うれしかった瞬間でしたね。この試合でも初めはジタバタしてしまっていましたが、アシストしてから自分の中で余裕ができたというか。自信がついたことで、落ち着いて自分の思い描いていたプレーができるようになった気がします。
プロに入ってからずっと言い続けていますが、今シーズンこそは初ゴールを決めたいです。もうプロ4年目ですし、この3年間ゴールを決められていないので、様々なシチュエーションでのシュート練習に力を入れています。最近の試合で記憶に残っているのは、ルヴァン杯のFC東京戦。後半15分で入って、残り5分のところでビックチャンスが来ましたが、相手キーパーとの1対1の場面で急にゴールが小さく見えて…。決定機を逃してしまって本当に悔しかったですが、ヤクブ・スウォビィク選手の絶妙なポジショニングに凄さを感じました。
「最後の30秒で呼ばれるかもしれない」
それが、最後までアップを止めない理由
僕がサッカー人生で影響を受けたのは、元日本代表の香川真司選手です。中学生の頃からずっと香川選手のプレー集を見ていて、「僕はこういうタイプの選手にならなければ!」と、想像しながらサッカーをしてきました。今でもDAZNで試合を観ています。僕の強みは、ドリブルと狭いスペースでボールを受けたり運んだりできることだと思っています。ボールを扱う技術は、小さい頃から家の中でもずっとサッカーボールを触っていたので自然に身に付いた気がします。あとは、フィジカルの部分を今後強化したいです。守備の相手とぶつかるシーンでも、僕は体が小さいので、もっと強く当たらないと勝てないですし、勝てなくても相手の重心をずらせれば、次の選手がボールを奪いやすくなります。体を強くするために週に1回トレーナーの方に筋トレの特別メニューを組んでもらっていて、食事の面でも揚げ物は週に1回のご褒美にするなど気を付けています。チーム内では志知選手が強いですね。ずっと筋トレしていますし、食事も相当気を遣っているみたいです。セットプレーの練習で志知選手とぶつかったことがあるんですけど、僕からぶつかりに行ったのに、志知選手の体が硬すぎて、めちゃくちゃ痛かったです…。
スタジアムに「不撓不屈(ふとうふくつ)」と書かれた僕の横断幕を掲げてもらっているのですが、この四字熟語は僕の中で大事にしている言葉です。意味は「屈せずにやり続ける」。因みに、その横断幕は僕が小学生の頃に所属していたサッカーチームが作ってくれました。たとえ試合に出られない状況だとしても、目の前の境遇に負けないという強いメッセージが込められています。ベンチ入りした時も、「最後の30秒で呼ばれるかもしれない」という思いで、いつ出ても自分の100%が出せるように最後の最後までアップするようにしています。
編集部からのQ&A
昨年退寮されたそうですが、一人暮らしはどうですか?
楽しいですね~。自分の時間が持てますし、誰にも邪魔されないのがいいですね。僕は寝るときに音がするのが嫌で、寮の時は皆の足音とかドアの音が聞こえるのでイヤホンをして寝ることもありました(笑)。今は何も気にせずにぐっすり眠れて嬉しいです。
英語も勉強されているんだとか。
少しさぼりがちになってきたのですが、英語は勉強していますね。やっぱり海外でプレーしたいという思いがあるので、やり始めました。最近覚えた単語は「incredible」。アビスパの外国籍の選手がよく使うんですけど、「信じられない」という意味で、いろんなシチュエーションで聞きますね。ふざけている時とか、試合中も相手のプレーなどに対して彼らが連呼しているので、自然と覚えちゃいました。
サポーターの皆さんにメッセージを
なかなかリーグ戦で勝利をお届けできていない状況ですが、今必至に課題をクリアできるように練習に励んでいます。ぜひスタジアムに足を運んで頂いて、僕たちを後押ししてほしいです。
〈PROFILE〉
Yuji KITAJIMA
ミッドフィルダー 背番号25
生年月日 2000年8月4日
身長169㎝ 体重67㎏
出身地 福岡県
中学時代からアビスパ福岡の下部組織でプレーし、’19年トップチームに昇格。同年のJ2・FC町田ゼルビア戦でプロデビューを果たす。今季はルヴァン杯FC東京戦で初アシストをマークし、以降リーグ戦でもスタメン起用の機会が増えた期待の若手サイドハーフ。
取材・文/岩井咲里香(編集部)