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【福岡演劇】コンテンポラリーダンスカンパニー・コンドルズ『GIANT STEPS』開催間近! 勝山康晴氏&ぎたろー氏にインタビュー 

21世紀の始まりから、常に日本のコンテンポラリーダンス界を代表し、けん引してきた「コンドルズ」。昨年、福岡初演から20年にわたって公演してきたイムズホールでのファイナル公演を成功させ、今年は新たな舞台として西鉄ホールでの初開催が決定。

コンドルズプロデューサーの勝山康晴氏と、福岡出身メンバーのぎたろー氏が本公演について、そして舞台について語った。

—今回は初めて西鉄ホールでの公演になります。

勝山:西鉄ホールは‟ザ・劇場”という印象なので、いつもより舞台っぽいステージになるのかな。イムズの時はライブハウスっぽいイメージだったから、音楽ライブみたいな気分でしたね。今回は、福岡スペシャル公演として、福岡の劇団「万能グローブガラパゴスダイナモス」を中心に福岡のアーティスト約20名がゲスト出演します。実は、コンドルズってコラボはあまりやっていないんですけど、あえて福岡でやってみようかなと。ガラパの皆さんにも、もちろんダンスをしてもらいますよ。

—ガラパの面白さとは?

勝山:川口(大樹)さんの天才ぶり。彼の脚本がなぜ岸田國士戯曲賞を取らないのか、いまだにわからない。彼の言葉のセンスは素晴らしいと思いますね。普通の言葉を面白く使う力があって、ウィットに富んでいるんだよね。

ぎたろー:川口は、僕が高校3年生の時の1年生で演劇部として一緒に活動していたので、今回のコラボはめちゃくちゃ嬉しいです。その時は川口がまだ百人一首部と兼部していて、全然演劇をやる気なかったのに、そんな彼が福岡一の動員を誇る劇団を率いているなんて…。思いもしなかったんですね(笑)。西鉄ホールはギンギラ太陽’s以来で、20年ぶりくらいです。また福岡と繋がれることが嬉しいです。

—今年で福岡公演も21年目を迎えます。

勝山:ベテラン中のベテランになっちゃったけど、その分やれることもあるはずで。6月の埼玉公演は、ロシアのウクライナ侵攻真っ只中だったので、思いっきり「反戦」をテーマにやったんですよ。なぜかというと、舞台は暴力を否定しなければならないから。僕たちがやっているコンテンポラリーダンスは、同時代的なダンスっていう意味で、今起きている戦争から逃げちゃいけないだろうと。「芸術くらい嫌なことを忘れられる楽しいものが観たい」という気持ちは知っている。知っているけど、それはもっと大きい市場を相手にしている映画とかがやればいいと思う。やっぱり日本は、社会とか時事問題を描くのが下手くそなんですよ。海外の政治映画とか超面白いのに、日本はなんでつまらなくなるんだろうって。でも、この前Netflixを見た時に、「新聞記者」なんて超面白いわけですよ。映像の人たちも真剣に取り組み始めているし、良いモノを創るようになっていて。完全に舞台負けてんじゃんって…。一番とんがっていたはずの舞台がいなくなるなんて嫌。嘘ついて楽しいよっていうのだけを創ることは簡単にできるけど、やっぱりコンドルズのいい所はそういう部分で‟嘘つかない”ところなんですよね。

ぎたろー:ダンスには、テーマはあるけど意味づけはあまりないというか。そこがダンスのいい所だと思っていて。今の人々って、何か始めることに窮屈になってると思うんですけど、僕たちのダンスを観て考え込むのをやめてくれたらいいなって思います。

勝山:「なんでこんな奴らが踊っているんだ? でも楽しそうだな」っていう。もしかしてダンスって誰でもやっていいの?みたいな。そういう考えが、自由になってくれたらいいよね。

—タイトルの『GIANT STEPS』に込められた思いは?

勝山:ジャズ・サックス奏者のジョン・コルトレーンの名曲が由来です。最近、個人的にやっぱりギターロックっていいなって感覚が戻ってきていて。最近のバンドなんてめちゃくちゃカッコいいわけですよ。「米津玄師」が僕の全てを変えたくらい。「藤井風」も「Vaundy」もいいし、「Official髭男dism」も好きだし。今の20代の子たちはセンスもすごくいいから、そういうカッコいい音楽は若者に任せたい。俺たちはやっぱりギターロックの良さをもう一度伝えたいよね。

今、舞台を観に行く人が中高年しかいなくないですか? 20代の子たちが来ていないとしたら、その子たちが親になった時に子ども連れてこない…、そうやって舞台は終わってしまう。僕たちはやっぱり存在意義を考えていきたいです。これまでは、誰よりも先にその道を行くことをよしとしていたけど、僕ももう50歳になって、今は誰よりも先に道を譲ることに快感を得ていますね。舞台がどう社会に貢献できるかを常に考えています。

コンドルズ福岡新始動公演2022『GIANT STEPS』

 

日時 9月3日(土)14:00/18:00

会場 西鉄ホール

料金 一般 5000円  U-25(25歳以下の方)3000円 ※当日500円増し 障がい者 2000円  ※U-25、障がい者は入場時要身分証提示

問合せ コンドルズ福岡公演事務局 ☎092-532-1830(平日10:00~17:30) 

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