【福岡麺本2022 – vol.11】猛々しい豚骨と黄金の天津飯。 “二代目”がとことん攻める!『博多ラーメン 二代目けんのすけ』
天神エリアきっての濃度の高さを誇る“羽釜豚骨”が人気の「博多ラーメン 二代目けんのすけ」。鉄板サイドメニューの天津飯を主役にしたネクストブランド「好好天津飯」も今春、香椎駅前に開業するなど、“チームけんのすけ”の勢いが加速している
濃厚豚骨派は“絶対に!”
食べなくてはならない
ひたすら濃く、猛々しい。「二代目けんのすけ」のラーメンは、現店主・北村和也さんの熱量、男気が染み出したような“直球豚骨”。「ラーメン作りで肝要なのは“鶏ガラ”や“豚ガラ”。そして“人ガラ”」を、改めて実感させてくれるような一杯だ。北村さんはラーメン職人でもあり、ラッパーでもある異色の経歴の持ち主。「けんのすけ」の発祥、そして北村さんが“二代目”を名乗るまでの歩みも、とても興味深い。
「地元の遊び仲間であるけんのすけ先輩が、ガレージで豚骨を炊き、山王公園の花見客に出前をしていた通称“090ラーメン”が始まりです。ゲリラ的なスタートだったんですけど、僕も手伝う中でラーメンにどっぷりとハマり、豚骨道で勝負しようと決めました。その後、有名店での修業を経て2013年にけんのすけ先輩から継承。感謝の気持ちを忘れないために屋号を残し、“二代目”を付けたんです」と振り返る北村さん。
辿り着いたのは「骨を炊き、カエシ(醤油)で味付けするだけの、ごくシンプルな豚骨ラーメン」。理想的な対流を生む昔ながらの「羽釜」を使い、豚のゲンコツ、背骨、ねっとりとした「腹脂」をガッツリと炊き込んでいく。営業中も本釜に生骨を次々に投入し、強力な火力で一気に臭みを飛ばす「けんのすけ式呼び戻し」手法。ライブ感のある“魅せる巨大羽釜”も同店の醍醐味だ。
お客様、仲間、そして豚様にも
感謝の気持ちで最高の一杯を!
先に北村さんはラッパーとしての顔も持つと紹介したが、自身のラーメン愛を「ラーメン、ホルモン、ファンキー」というオリジナル曲でも表現。そんな楽しく、男気のある北村さんの周りには、志を同じくする仲間が集まってくる。
「久山店」、2020年12月オープンの「天神本店」とも、“生き物である羽釜スープ”をまかせられる職人も育ってきた。そして昨今、初代けんのすけさんも再び参戦。新たに製麺機を導入し、自家製麺作りを担っている。チームけんのすけの皆はラーメンに対して実直で、ホスピタリティあふれる接客もすばらしい。「ラーメンで“スープが命”ってよく言いますけど、僕的には感謝を込めて“命のスープ”だと思っています。豚“様”の命をいただいて僕らは商売し、皆に楽しんでいただいているんですから。だからこそ妥協はしたくない。最高の一杯に仕上げ、最後の一滴まで味わってほしいんです」と北村さん。
昨年末にはラーメン連合「令和維新会」と共に、「年越しラーメン」にボランティアで参加するなど、地域貢献、食育活動にも積極的だ。「博多ラーメン 二代目けんのすけ」とネクストブランドとなる「好好天津飯」。北村さんの勢い、心意気を感じる両店でガッツリ飯を楽しんでほしい。
[所]福岡市中央区天神1-13-13
[☎]092-713-7113
[営]11:00〜15:00、18:00〜OS22:30
[休]不定
[所]糟屋郡久山町山田1702-14
[☎]092-976-3805
[営]11:00〜OS15:00(土曜・日祝日~OS15:30)、18:00〜OS21:00
[休]不定
[所]福岡市東区香椎駅前1-12-3 フォレストタウン3F
[☎]092-671-0010
[営]11:30〜OS14:30、17:30〜OS21:30
[休]不定