【福岡肉本2022】半世紀の「ありがとう」を味わう『焼肉・もつ鍋 稲 笹丘店』
食通、特に焼肉通の間では、「当然」という存在の名店『稲』。創業から半世紀、女将の藤原孝子さんが、「実るほど頭を垂れる稲穂かな」の言葉を胸に、まじめにコツコツ守り続けてきた店だ。
駐車場になっている1階から客席のある2階へ上ると、まずは生花がお出迎え。「わざわざ足を運んでくださるお客様に喜んでいただきたくて」と、開店から今日まで、一日も欠かしたことのないこだわりだ。温かな女将さんの人柄に惹かれて足を運び続ける常連客も多く、中には親子2代、3代、さらに4代で駆けつけるというファミリーも。
『稲』で味わう、”焼肉”と”もつ鍋”
一般的には日によって、”焼肉”と”もつ鍋”のどちらかをオーダーするパターンが多いかもしれないが、『稲』では、”焼肉”からの”もつ鍋”という流れが常識。というのも、両方に「諦められないポイント」があるからだ。
例えば”焼肉”なら、『和牛 特上タン塩』。
半世紀にわたり信頼を重ねてきたからこそ入手できる極上部位で、女将さんが心を込めて、1枚1枚スライス。
胡椒と、醤油をサッと回しかけてから運ばれてくるタンは、テーブルに登場するなり拍手喝采の美しさ。片面を7、もう片面を3の割合で焼き、添えられたレモンをギュッと絞っていただけば、溢れ出す旨味と、驚くほどの歯切れの良さに唸ること必至だ。
網の上で炙られ、ツヤをまとったそれは、一口頬張ると、誰もが無条件に目を見張ってしまうほどの衝撃的な味わい。ほぼ全ての席からオーダーが入るので、席の予約と同タイミングでの予約が必須。安心して喜びの瞬間を迎えたい。
(写真左)『タン(並)』、『和牛ロース』、『和牛カルビ』がセットになった『タンセット』(2〜3人前3500円)も人気。
(写真右)輝くホルモンの盛り合わせ。それぞれ焼いたら、自家製タレで味わって。『ホルモンセット』(3〜4人前 3000円)。
ビール、焼酎に加え、スパークリングワインや赤ワインをオーダーする人も多いとか。
誰もが 楽しみにしている女将さんの”雑炊タイム”
そしてもう1つの名物が、『雑炊』。これは、”もつ鍋”を味わってからでしかたどり着けないところがポイントで、もつや野菜の旨味を余すことなく受け止めたスープに、ご飯とたっぷりのニラ、卵で仕上げる。
シンプルなようでいて、女将さんの手入れが加わると、これが「他では味わえない」一品に。ある時間になると、女将さんの順番をワクワクしながら待つ、客の笑顔が店内を満たす。
「50年、誠実に店を続けてきたつもり。今も、皆さんに「おいしかった!」の言葉で帰っていただくのが一番の幸せです」と女将さん。「ありがとう」の気持ちがたっぷりと詰まった”焼肉”と”もつ鍋”。感動を共有できる仲間と、ぜひ一緒に味わいたい。
この度、新しく創刊した『福岡肉本2022』
『福岡の肉の指南書』となる情報を多数掲載!
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【焼肉・もつ鍋 稲 笹丘店】
[所] 福岡市中央区笹丘1-34-14-1
[TEL] 092-771-0425
[営] 17:30〜OS22:00
[休] 月・火曜(祝日の場合は営業)
[席] 44席
[P] 3台
カード/不可