【福岡ラーメン】若手もベテランも!福岡が誇る職人たちが手掛けるラーメン店4選!
「ラーメンの聖地」として全国に知られる福岡・博多。
今回は、『福岡麺本 vol.11』から厳選し、ラーメン激戦区の次世代を担う若手職人たちと、長年厚い支持を続ける職人たちが手掛ける店を2店舗ずつご紹介!
【若手ラーメン職人】
厳選国産素材&無化調で
新豚骨時代開幕
鉄製品などを取扱う会社を主宰する店主・大長公太さんが、旧知の仲であった那珂川市の人気店『nakamuLab.』の店主・中村聡志さんと共にプロデュースしたラーメンは、新しい風を感じさせてくれる豚骨系だ。
イチオシの『豚骨MEN(こってり)』は、チンゲンサイ、低温調理した特製チャーシュー、黒ゴマ、揚げた背脂がトッピングされ、見た目にも斬新な一杯。豚骨や数種類の野菜など、厳選国産素材から生まれるスープは、すっと身体にはいってくるやわらかさを感じるとともに力強い。
「豚骨MEN(こってり)』750円、カリッと揚げた背脂が味にコクと深みを与える。「国産にんにく』一欠片50円をトッピングするのもおすすめ。麺の硬さは大長さんに任せよう。
もう一つの味、『醤油MEN』も無添加スープ。北海道産羅臼昆布などをたっぷり使わなければ生まれない深い味だ。
「素人なもので、すべてのメニューに原価がかかり過ぎているかもしれません(笑)。でも、美味しいと言っていただけるものを作りたいんです」。最高の一杯のために、今も日々研究中という大長さん。さらなる進化にも期待大!
『醤油MEN』650円。低温調理のチャーシューの甘みがより際立つ。
\毎日が研究の日々、うまい一杯を目指し続けます/
[所]福岡市南区日佐2-27-27
[☎]090-4994-7115
[営]11:00~14:30、
金・土曜11:00~14:30/18:30〜22:00
※スープがなくなったら終了
[休]水曜
【若手ラーメン職人】
王道を進みつつ挑戦する
新しい豚骨ラーメン
高知県土佐出身の店主・和田一平さんは、四国で出会った豚骨ラーメンの味に感動して、本場である福岡で修業。2020年に『いちむじん』をスタートさせた。
和田さんが目指すのは王道でありながらも新しい一杯。『豚骨らぁめん』のスープは豚骨の部位ごとに丁寧な下処理をほどこしたり圧力鍋を使うことなどで、豚骨ならではのしっかりとした香りと旨みを持ちつつ、クセや脂っこさがない味わいを作り出している。
『豚骨らぁめん』680円
入魂のスープ、鮮度の高い麺、直前に炙る香ばしいチャーシュー…丁寧で細かな仕事がぎゅっと詰まった一杯だ
麺は、「麺そのものだけで考えるのではなく、麺とスープのバランスが大切です」と、日々最適な状態を追求する自家製の細麺だ。まろやかでクリーミーなスープがよくからみ小麦の風味が際立つ。
店名の由来は、土佐の方言で、一生懸命わき目も振らず行動することを意味する“一無尽(いちむじん)”から。「福岡では、やはり豚骨ラーメンが愛されていることを強く感じますね。福岡でやるからには、豚骨ラーメン好きの方を裏切らないようにやっていきたいと思います。すべての一杯を“いちむじん”で作っていきます!」
\目指す方向性は変わりませんが まだまだこれから!/
『ピリ辛豚骨まぜそば(ごはん付)』850円
豚骨スープをベースにしたピリ辛タレで、自家製太麺の風味が際立つ。残った具材はご飯と一緒に
[所]福岡市博多区榎田2-3-1
[☎]092-436-2350
[営]11:00~21:30(OS21:20)
水・日曜は11:00~15:00(OS14:50)
[休]なし
[HP]https://www.instagram.com/ramen_ichimujin/
【支持され続けるラーメン職人】
純度の高い豚骨スープが
極上の「余韻」を演出!
『石田一龍』の創業者・新森龍二さんの人生におけるターニングポイントは、今から12年前、28歳の時に遡る。何をやっても続かなかった若い頃。前代の店を継いだはいいが、満足のいくラーメンが作れずに、どん底を這っていた所を救ってくれたのが、北九州の老舗『安部製麺』の代表で、現在、グループ店『石田一龍 まこと家』を経営する仲間のひとりでもある、安部大介さん。
多くのラーメン店に自家製麺を卸し、スープと麺の相性を知り尽くした安部さんが、新森さんの試作したスープを味見し、改良を重ねること7ヶ月。まさに不眠不休で生み出したのが、『石田一龍』の運命を変えた『濃厚ラーメン』だ。
豚骨とまる骨を通常の2倍の量使用し、強火で16時間炊き上げて作るそのスープは、丁寧な下処理と職人の技が結実したもの。骨を砕かぬよう繊細に大胆にまぜながら、骨の髄から旨味を引き出すことで、濃厚だが臭みのないスープに仕上げている。「食べている途中においしいのは当たり前。大切なのは余韻です」と語る新森さん。
帰り道に口の中で花開く豚骨のフレーバー。その味を思い出し、すぐにまた食べたくなる、そんな一杯が人々の心を捉えて離さない。
感謝の一杯、
納得の一杯を作る
こってりとコクのある『濃厚』と、やさしくさらりとした味の『屋台』。好みで選べる2大スープが魅力のラーメンは、熱き男たちの魂を反映するかの如く、熱湯で煮沸した熱々の丼で配される。手間暇惜しまずに作った一杯だからこそ、最高の状態で味わって欲しい、そんな思いを感じる瞬間だ。「仕込みは練習、営業は試合」ゲストが入店する時の声かけから、退店するまで全ての場面で、目配り心配を徹底するその様子は、まるでアスリートのよう。
今や、全店で約100名のスタッフを率いる新森さんの目下の目標は、社内のインフラ整備。「『石田一龍』に人生をかけてくれた仲間が、仕事もプライベートも楽しむことができて、この先何十年も働いて良かったと思える職場にしたい」と意気込む。
ラーメン職人としては一人前でも、経営者としてのこれからは未踏の地。新森さんが自身の研鑚を怠ることはない。さらに、コロナ禍や物価の高騰など、見通しの難しい時代にあっても、できるだけ価格を抑えて、安定的に商品を提供していくため、手作り餃子や「かえし」などを製造する自社工場の設立なども予定しているという。
『石田一龍』はどこまで成長するつもりなのか。しかと見届けたい。
[所]北九州市小倉南区下石田1-4-1
[☎]093-963-2650
[営]11:00~16:00 / 18:00~20:45
[休]なし
【支持され続けるラーメン職人】
サイズやシーンなど
楽しみ方の幅が更に拡大!
酸辣麺や担々麺といった多種多様な麺をはじめ、点心やチャーハンなど、本格的な中華料理を手頃な価格で味わえると評判の『中華キッチンまくり本店』。
2021年11月には約5年ぶりに西長住店が復活!本店同様、“with piano”をテーマに自動演奏機能を備えたピアノ「ディスクラビア」の生演奏を聴きながら、食事を楽しむことができる。
また、今年1月にはメニューを見直し、25種類の麺を中心にミニサイズ(通常の約6割の量)が選べるようになった。「酸辣麺と担々麺の両方が食べたい」「子どもがいるから辛いメニューが選べない」「1つでは物足りないけどフルサイズをもう1品オーダーするのは多すぎる」といった状況にもきめ細かな対応ができるようになったほか、飲茶とビールを楽しんで〆にラーメンをオーダーするなど、楽しみ方の幅も広がった。
2005年の創業から約17年。メニューの選択肢のみならず、空間や店舗展開など、着実に進化を続けるまくりグループ。この春には木の葉モールに酸辣麺とシュウマイの専門店のオープンを予定している。
「まくりの人気メニューの餃子を中心に提供する予定でしたが、社長が福岡市美術館で開催されていたゴッホ展を訪れた際にインスパイヤ―され、新しいシュウマイの楽しみ方を提案したいとイチから手づくりしたシュウマイを考案しました」と、舟木店長は言う。ピアノの生演奏や白を基調にモンドリアン柄を活かしたカフェのような内装など、中華のイメージを超えた店づくりを手掛けてきただけに、どのような店になるか、期待も高まる。
汁物を含めたすべての商品はテイクアウトやデリバリーにも対応しており、店舗のみならず自宅でも楽しめるようになった。
「すべてはお客様の笑顔のために。美味しい料理はもちろん、より身近に楽しいスタイルを提供していきたいですね」と、意気込む舟木店長。定番から限定メニューまで常時約100アイテムが揃う『中華麺キッチンまくり本店』。訪れるたびに新しい発見や楽しみ方に出会えるはずだ。
[所]福岡市城南区飯倉1-4-38 メガネビル1階
[☎]092-292-7220
[営]11:00〜14:30、17:00~22:00(土日祝は11:00~22:00)
[休]不定
[HP]http://www.makuri.jp/
[Instagram]@maqri_fukuoka
※掲載の内容は取材時のものです。取材日と記事公開日は異なる場合があり、メニューや価格、営業時間、定休日など取材時と異なる場合がありますので、事前に公式HPやお問い合わせにてご確認をお願いします。
※お出かけの際は、新型コロナウィルス感染拡大防止に十分ご留意ください。