【福岡麺本2022 – vol.11】進化を止めない 2人が歩む無限の麺道『博多 一成一代』
第2のラーメンを
もう一つの柱に邁進!
2014年末にオープンし、濃厚豚骨ラーメンを代表する一店として、ますます認知を広める『博多 一成一代』。豚の頭骨をメインに、ゲンコツ、背骨を寸胴鍋で炊き、極限まで濃度を高める昔ながらの手法でスープを取る。なにより店主の高田成人さんは豚骨が持つポテンシャルに魅せられた職人気質。厨房には巨大な寸胴鍋を3つ構え、自身が理想とする味わいを追求するために、日々スープと向き合っている。その姿勢は愚直なまでに真摯だ。
そんな濃厚豚骨ファンをうならせる一杯で勝負する『博多 一成一代』が、2022年5月から新境地としてスタートするのが『鶏白湯ラーメン』。ベースとなるスープは鶏ガラ×豚骨のハイブリッドなスタイルで、荒々しいイメージの『博多 一成一代』の豚骨ラーメンとは一線を画す、繊細さも重視した一杯に仕上げている。重きを置いたのは、「女性でも食べやすい、上品な旨味に秀でたラーメン」。その言葉通り、スープを一口すすれば、豊潤な旨味が広がり、じわじわと体に染み入るような印象だ。もともと、コロナ禍前に2店舗目の展開を考えていた高田さんが、新たな店の柱にしようと数年前から温めてきた自信作。鶏ガラ、豚骨を独自の比率で配合し、従来とは異なる手法で炊くことで、上品な味わいを引き出している。
こういった新たな挑戦ができるのは、高田さんの右腕として厨房に立つ店長の益野弘晃さんの存在も大きい。『博多 一成一代』の濃厚な豚骨ラーメンに魅せられ、弟子入りを志願した益野さんは、今やスープ作りの中枢を担うほど。営業中も常にスープの状態に目を配り、手が空けば寸胴鍋を巨大な木べらで撹拌。濃度を極限まで高めるため、グラグラと強火で炊き続け、追い骨を繰り返す。『博多 一成一代』では日常の当たり前の風景だが、これが濃厚豚骨の確たる証。妥協一切なしの姿勢は高田さんから益野さんに確実に受け継がれていると感じた。
2人の職人が生む至極の麺。今春より新機軸となる『鶏白湯ラーメ』を掲げ、さらなる高みを目指す。『博多 一成一代』の挑戦はこれからも続く。
[所]福岡市博多区東比恵2-17-23 ローズマンション第1博多1号館
[☎]092-292-7555
[営]11:00~14:30、17:00~23:00
(日曜・祝日11:00〜OS15:00、17:00〜OS22:00)
[休]不定
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