食から日本を考える「NIPPON FOOD SHIFT FES. 九州」開催!!
人が生きていく上で決して欠かすことのできない「食」。「食」について考えることは未来を考えること、人の生き方を考えることでもあります。今どんな問題があって、これからどうすればいいのだろう…そんなことを考え持続可能な日本の未来へつなぐイベントが、農林水産省主催で行なわれる「NIPPON FOOD SHIFT FES.」。2022 年11 月12 日(土)・13 日(日)の2 日間に渡って、「ららぽーと福岡メディアパーク」で「NIPPON FOOD SHIFT FES. 九州」が開催されました。
トークセッション
メディアパークのステージで行なわれたトークセッションでは、食に関する様々なテーマで未来を担うZ 世代と食や農に関わる方々が熱い対話を展開しました。
トークセッション1
オープニングステージ
オープニングステージは農林水産大臣政務官・藤木眞也氏による開会の言葉。熊本県のご出身でかつてはご自身も農業を営まれていた九州にゆかりの深い方です。「今回のイベントが消費者のみなさんに生産者のみなさんの想いを伝え、食を考えることのきっかけになればと考えています。たくさん食べて生産者のみなさんを応援してください!食糧の安全保障は重要な問題です。消費者のみなさんが困らないよう、農林水産省は今後も尽力してまいります」と挨拶されました。
続いて今回のイベントを盛り上げてくれる日本の農業を応援するラジオ番組TFM&JFN「あぐりずむ」などで活躍するタレントの川瀬良子さん、JA いぶすき青年部の前原祐樹さん、JA 島原雲仙青年部の宮崎英一さん、福岡キャリナリー農業・食テクノロジー専門学校の生徒さんたちも登壇。手を上げて高らかに開会を宣言しました。
トークセッション2
開講! NIPPON FOOD SHIFT 大学 学ぼう九州の農業!
トークセッション2 は、福岡キャリナリー農業・食テクノロジー専門学校の生徒さんたちの疑問に前原さんと宮崎さんが“ 先生” として答えるというステージ。JA 青年部の活動や農業経営に関すること、昨今の肥料をはじめとしたコスト増への対応などリアルな質疑応答が行なわれました。「九州の農業の特徴は?」という質問に対する、「自然に恵まれ温暖な気候の九州は、1 年を通して様々な作物をつくりやすく美味しいものができますね」というお二人の答えに、このイベントの前に九州各地で実際に農業体験を行なった生徒さんたちは大きくうなずいていました。
トークセッション3
“ 萌え断” しか勝たん!
九州7 県の旬食材で作る彩りサンドウィッチ〜生産者体験編〜
参加してくださった福岡キャリナリー農業・食テクノロジー専門学校の生徒さんたちは食健康テクノロジー科・製パン& ベーカリーコースを専攻されているので、いつもはパン作りの勉強をされています。今回、九州7 県のチームに分かれて農業を体験。担当県の食材を使って2 種のサンドウィッチを開発しました。“ 萌え断” とは写真映えする“ 萌える断面” のことなのです。トークセッション3 は農業体験で体験・体感したことをレポート。生産者さんの苦労を知るとともに「食糧自給率の観点からも自分たちが食べるものに目を向けるべき」「生産者のみなさんは愛情を込めて作られている」といった多くの気づきがあったようです。
トークセッション4
“ 萌え断” しか勝たん!
九州7 県の旬食材で作る彩りサンドウィッチ〜レシピ開発編〜
トークセッション4 では開発された2 つのサンドウィッチについて発表されました。ベースとなるパンは九州産米粉を使った特製です。見た目に美しくなるように野菜のカット方法、加工方法などまで考えられています。もちろん、味も試行錯誤して美味しく仕上げられています。
1 /プルコギサンド
食材はニンジン・レタス(福岡県)、紫キャベツ(佐賀県)、長ナス(熊本県)、豊後牛(大分県)など。野菜をたくさん使うために、お肉は少量でも存在感のあるプルコギ仕立て。丸みのある形をイメージしてそれぞれの素材をサンドしたそうです。
2 /トマトすき焼きサンド
食材はオクラ(鹿児島)、トマト(長崎)、パプリカ・きゅうり・宮崎牛(宮崎)など。長崎のトマト農家さんに聞いた「トマトすき焼き」をヒントに、全体のシルエットは四角というイメージでつくられました。
試食した川瀬さん、前原さん、宮崎さんは「きれい」「美味しい」と大絶賛。生徒さんたちも一緒に登壇していた福岡キャリナリー農業・食テクノロジー専門学校副校長の濱中健一さんも笑顔です。会場内に併設されていた「九州7 県マルシェブース」では2 つのサンドウィッチのレシピが配布されていました。
農業体験、レシピ開発を通じて「一つ一つの食材に込められた生産者さんの想いを知った上で美味しいパンをつくることが重要だと気づかされました」と力強く語る生徒さんたちのキラキラした目がとても印象的でした。
見る・触る
〜日本の食と農を支える様々なモノ・コトに触れよう
会場内には実際に見たり触れたりして農業を感じられる展示・体験ブースが設置されていました。
●種植え体験
農のプロ「シェア畑」監修の種植え体験。ポットに土を入れてサラダレタスやトマトの種を蒔く体験は、お子さん連れに大人気でした。芽が出て収穫できるのを楽しみに、みなさんポットを家に持ち帰っていました。
●ワークショップコーナー
「久原本舗」が主宰する「味噌玉づくり」と「福岡おもちゃ美術館」が主宰する「木製箸づくり」の2 つのプログラムを実施。「味噌玉づくり」は出汁と味噌を合わせてトッピングをのせてまるめてラッピングして、自分だけの味噌玉が完成。みなさん、お家でお湯を注いで味噌汁にして楽しまれたことでしょう。
「木製箸作り」は紙やすりで木を削って自分が使いやすい形に。毎日使うものを自分の手でつくることで、食の重要性を感じるきっかけになったはずです。
●ららライブラリー
イベントのコンセプトをもとに「くまざわ書店」がセレクトした農業・野菜・自家菜園・食・調理に関する書籍が置かれ、食材を “ 育てる” ための情報に触れることができました。一緒に並んでいた1731 年創業の「ZWILLING」が提案する最新のキッチン用品を見ると料理をしたくなりますね!!
●ららマーケット(アグリ用品)
「ららマーケット福岡から畑を始めるなら!」をテーマに、畑仕事をやりたくなるようなかっこいいファッションやグッズが展示されていました。手がけていたのは「無印良品」「Green Summit」「LOGOS SHOP」「BAYFLOW」だからオシャレなのは当然ですね!! 様々な生産者さんとつながりを持つ「無印良品」はオシャレなパッケージの「うきはの山茶」の販売も行なっていました。
●ららマーケット(加工品)
会場内には、スウィーツやオリジナルビールなど九州産の様々な農産物を使った、「ららぽーと福岡」で人気の一品が一堂にそろう一角も登場。
●龍谷大学ブース
龍谷大学の学生さんたちが産地まで行って調達した、四天王と呼ばれる和紅茶生産者の和紅茶を販売。テーマは「和紅茶をフィーチャーすると日本農業のフューチャーが見えてくる」です。和紅茶の名人監修による茶葉の手揉み体験も行なわれ、小さな手で一生懸命に茶葉を揉むお子さんの姿もありました。
●ソーセージ作り体験
「ぶどうの樹」は地域で採れた規格外の野菜を使用したオリジナル加工品を販売。家族連れに大人気だったソーセージ作りは、ブランド豚「茶美豚(チャーミートン)」を練り上げ、羊の皮に注入する本格派。専用器具からむにゅっと飛び出すソーセージに歓声があがっていました。
マルシェ
当日はユニークな生産者や食関連事業者さんがつくる魅力的なモノ・コトが集結しました。
●九州7 県マルシェ
福岡キャリナリー農業・食テクノロジー専門学校の生徒さんが農業体験した九州各県の野菜を中心に販売。「このナス、本当に美味しいんですよ!!」など、自らの体験をもとに熱心に説明をしてくださいました。
●ららマルシェ MARKET351
「ららぽーと福岡」で常時営業しているグローサラント「MARKET351」も会場内に出店して、九州各地の野菜を販売。特別企画の「みかん詰め放題100 円」は早々にソルドアウトしてしまいました。
最後に・・・。
現在、なにかと話題にのぼることが多い「Z 世代」。イベントを盛り上げてくれた福岡キャリナリー農業・食テクノロジー専門学校の生徒さんや龍谷大学のみなさんはまさにZ 世代です。トークセッション等を通じて、未来を担うみなさんの真剣な想いを感じました。また、参加してくれた子どもたちの笑顔にも未来を感じることができました。世代に関係なく大切な「食」に触れ、考える…これからも続けていかなければならないことです。