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【GOTO ASOBI】(小値賀町編) ~町民ガイドと歩く野崎島~ 野崎島ガイドツアーを体験!

\小値賀島ってどんなところ?/
長崎県の五島列北端に位置する小値賀は、
佐世保からフェリーでおよそ3時間の船旅で到着する、
人口2300人ほどの小さな島です。
太古昔、海底火山熔岩によって造り出されたその雄大で美しい独特景観や
海岸美から、島全体が西海国立公園に指定されています。

 

今回ご紹介するスポットは『野崎島』です。

 


 

島の歴史に思いを馳せながら進むプチトレッキング

大小17の島々でできた小値賀町。本島の東端から2キロ東にあるのが「野崎島」です。かつては、野崎・野首・舟森と三つの集落があり、多いときには650人前後の人々が暮らしていたこの島ですが、現在は管理関係者以外、ほぼ無人状態となっています。

 

そんな「野崎島」の歴史や自然にふれるアクティビティが「野崎島ガイドツアー」。小値賀港ターミナルそばの乗り場から「町営船はまゆう」に乗り、約35分で「野崎島」中央部の西側に位置する野崎港へ到着しました。ここでガイドさんに、野崎島の特徴やツアーのコースについて説明を受け、いざ出発!

 

まずは野崎港近くの「野崎集落跡」へ。このエリアには倒壊した家屋や石垣、井戸などがたくさん残されています。なかには食器や壊れたミシンなども。かつてここでたくさんの人が暮らしていたことが伺えます。

 

人間が造ったコンクリート塀の隙間から伸びる植物の生命力。もし地球から人がいなくなったら、世界はこんな風に自然に帰っていくのだろうか…

 

その周辺にある、沖ノ神嶋神社の神官屋敷跡にも立ち寄りました。沖ノ神島神社は、野崎島の北部にある神社で、遣唐使の安全を祈願する為に飛鳥時代に創建したといわれています。ここは野崎島が無人になる前に、最後まで島に残った神官が代々居住していた屋敷だそうです。

 

歩いている途中に、シカがひょっこり顔を出しました。野崎島には、400頭以上の野生のニホンジカが生息していて、島内の至る所でその姿をみることができます。そのため島の植物は、シカの口の高さまで食べられているものが多数。なかには、棘をつけたり、毒性を強めたりして、身を守るものもあるそうです。

 

そのまま野崎集落を北上していくと、あたり一面なにもない、開けた大地が現れます。

ここが「日本のサバンナ」と呼ばれる場所。赤茶けた大地をぴょんぴょん跳ね回るシカの群れはまさに!思わずライオンキングのテーマ曲を口ずさんでしまいました。

 

振り返ると、山肌には段々畑の跡が見られます。この光景も、野崎島の特徴的なもの。目を閉じると在りし日の水田の姿が蘇ってくるようです。

 

サバンナの中を歩き、さらに北上していくと、北崎展望台に到着。ここでは、野崎火山火口跡と呼ばれる火山の噴火口跡を見ることができます。海蝕にえぐり取られた荒々しい断崖は大迫力!

 

五島列島特有の急陵な地形が主の野崎島ですが、サバンナのあるこのあたりは、小値賀島単成火山群に含まれ、小値賀島と同様火山の噴火によってできた、なだらかな地形が特徴です。

 

ふたたび野崎集落方面に歩き長い坂を登っていくと、眼下に美しい景色が現れます。ここ「野首海岸」は野崎島の西側の中央に位置し、晴れた日には朝日が拝める絶景スポット。

 

約300mにわたって続く広大な白い砂浜とコバルトブルーの海の美しさに思わず歓声があがります。

 

その砂浜を見下ろすように建っているのが、明治41年(1908年)に、教会建築の名工・鉄川与助によって設計・施工された、旧野首教会。教会が建つ「野首集落」は、かつて潜伏キリシタンが住んだと言われる集落で、信者たちが貧しい暮らしを続けて捻出した費用で、数年をかけて建てた本格的なレンガ造りの教会です。キリスト教が弾圧された時代に、信仰を守り抜いた末に得た信仰の自由への喜びと、崇高な精神が現れています。

 

現在の旧野首教会は、小値賀町が重要文化財として1985年(昭和60年)に全面改修し、1989年(平成元年)には長崎県指定有形文化財に指定されました。2011年(平成23年)には、「小値賀諸島の文化的景観」として国の重要文化的景観に選定。さらに2018年(平成30年)には、「野崎島の集落跡」を含む12の資産で構成された「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が、世界文化遺産に登録されています。

 

ツアーのお昼ごはんは、ここ「野崎島自然学塾村」で。廃校となった小値賀小中学校野崎分校を活用した、簡易宿泊・休憩施設「野崎島自然学塾村」は、旅行者や子どもキャンプ、修学旅行生などを受け入れて、野外学習や自然学習に利用されている施設。トイレや自動販売機もあり、プチトレッキングで疲れた体をゆっくり休めることができました。

 

無人となった島の歴史に思いを馳せながら歩く「野崎島ガイドツアー」は、人の営みを終えても、それでも続いていく生命の力強さと、自然の雄大さを感じさせる忘れられない体験となりました。小値賀島を訪れた際は、ぜひ野崎島にも足を伸ばしてみてください。

 

 


■DATA
野崎島ガイドツアー
○最小催行人数 2 名
○一名 4,000 円(税抜)(小学生以下は 2,000 円(税抜)、未就学児は無料)
※一名で催行の場合7,000 円(税抜)※町営渡船運賃が別途必要
○所要時間・約2時間30分~3時間
[問] NPO法人おぢかアイランドツーリズム協会
[所] 長崎県北松浦郡小値賀町野崎郷
[電] 0959-56-2646(NPO法人おぢかアイランドツーリズム協会)
[HP] https://ojikajima.jp/nozaki

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