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境界線が揺らぐ愛と赦しの物語――。鈴木亮平と宮沢氷魚のタッグで描く映画『エゴイスト』

 一見ネガティブな印象を受ける「エゴイスト」という言葉の持つ意味合いが、鑑賞後には変わっているかもしれない。性別や血縁などさまざまなボーダーを問う、愛と葛藤の物語が誕生した。14歳で母を亡くし、ゲイである自分を隠して鬱屈とした思春期を過ごしながら、今は東京でファッション誌の編集者として自由に生きる浩輔を演じるのは鈴木亮平。シングルマザーの母を支えながら暮らす龍太を宮沢氷魚が演じる。

 

© 2023 高山真・小学館/「エゴイスト」製作委員会

 強さと脆さを同居させる浩輔と、自分の美しさに無頓着で純真な龍太。ドキュメンタリータッチで映される2人の温かくも親密な時間、繊細な感情描写が胸の奥底に突き刺さる。また、龍太の母親で浩輔の人生観にも影響を与える妙子役を、女優としての存在感も増している阿川佐和子が自然体で表現。愛への根源的な問いなど、今の時代だからこそ触れたいメッセージをスクリーンから感じ取ろう。

 

龍太との出会いによって自身の“鎧”を脱ぎ捨てていく浩輔。しかし、大切な人との関係を断たれた時、自分の愛は自己満足ではないかと自問自答を始める

 

龍太はパーソナルトレーナーとして浩輔と出会う。やがて彼は母親を養うためにずっと「売り」をやってきたことを告白し、浩輔の前から姿を消すが…

 

客を装って龍太をホテルに呼び出した浩輔は、月10万円で自身が龍太の専属客になることを提案。涙ながらに龍太は気持ちを受け止め、2人の新しい関係が始まる

 

■LGBTQにまつわる注意が必要な表現
性的マイノリティにまつわる言葉で、誤用されがちなワードをピックアップしました。正確な表現を心掛けることで、負荷のないコミュニケーションが実現します。

「禁断の愛 / 普遍的な愛」…同性愛を「禁断の愛」や「普遍的な愛」と表現することなど、同性愛をタブー視したり、または異性愛と同じだと角に強調したりすることの背景に、自身の偏見がないか注意しよう。

「女性らしい / 男性らしい」…言動や振る舞いに対して、すぐに女性的 / 男性的と性別で二分せず、「柔らかい / 硬い」などより具体的な表現を心がけたい。

「オネエ」…当事者によって使われることもある一方で、侮蔑的な文脈で用いられることも。「いわゆる」と加えるなど、配慮する必要がある言葉。


※引用元:LGBT 法連合会『LGBTQ 報道ガイドライン – 多様な性のあり方の視点から』

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