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【気になるお金のハナシ】2022年最も売れた本『ジェイソン流お金の増やし方』の著者・厚切りジェイソンにインタビュー。

先日、イベント開催のため来福されていた厚切りジェイソンさんにインタビュー。著書『ジェイソン流お金の増やし方』について、たっぷり話を聞いてきました!

取材・文/岩井咲里香(編集部)


—『ジェイソン流お金の増やし方』の反響はいかがでしたか?

 

とても反響ありました。ありがとうございます。おかげさまで2022年に日本で一番売れた本になりました!

 

—そもそも、本を出そうと思ったきっかけは?

 

本を出す前からいろんな取材が来てたんですよ。多分、コロナ禍で不安を感じてた人が多くなってて、「お金はどうしたらいいですかね?」「今後大丈夫ですかね?」「急に会社が潰れたらどうやって生きるのか?」「いつかは引退できるのか?」など、皆さんの不安がコロナ禍で加速したんだと思いますね。この本は、自分が普通にやっていることをまとめただけです。

 

—お金のことはいつから勉強していたんですか?

 

勉強というか、普通に自分のお金を大事にしていただけです。アメリカでは、福利厚生が比較的薄いので、自分で将来のための資金を作らないということは、若い時から教えられたりしていました。だから、勉強したというか、そういうもんだと昔から思っていた感じです。それができる人しかリタイアできないんですよ。できなかったら、死ぬまで働くしかない。

 

親から直接説明されたわけではありませんが、お金との接し方を行動で見せてもらっていた感覚です。お母さんは専業主婦だったんですけど、セールとか割引券とかに力を入れていましたね。お父さんは仕事して稼いでいるけど、お母さんは同じお金で買えるものを倍増させていただので、家計には同じくらい貢献していたんですね。

 

だから、稼ぐのも大事なんですけど、お金を使わないのも同じくらい、いや、もっと大事かもしれない。

 

—ジェイソンさんといえば倹約家のイメージですが、辛いと思ったことはないですか?

 

生まれてから無駄遣いしたいと思った時期はなかったですね。我慢しているわけじゃなくて、どちらかというと節約するのは趣味みたいな感じで、どのくらい得できたのかで妻と盛り上がってます。家に帰ったら大根を出されて、「これいくらだったと思う?」って聞かれて、「110円?」「いやー、もっともっと!」って…(笑)。楽しいですよ。楽しむのが大事です。お金がかからない趣味というか、それが楽しめたら上手くいくよね。ずっとお金が使いたくてストレスだったら、それは大変でしょう。けど、うちは妻とも金銭感覚が合っているんですよね。

 

—お金を使わないようにしている理由はありますか?

 

お金があった方がいい機会が来た時に対応ができるようにですね。例えば、娘たちが海外留学行きたいけどお金がなくて断らないといけないとか、そんなことがないようにお金を貯めています。将来何が起こるか分からないですけど、選択肢を増やすために将来にとっておきたいという考え方です。

 

—投資のことはどうやって学んだんですか?

 

働き出してから、自動的に給料から天引きされるような制度に入っていました。アメリカではそれが一般的です。福利厚生がそんなに整っていないので、いい人材を雇うために会社がそういう制度を提供するんですね。最近、日本でも流行っているiDeCoみたいな感じで、自分の収入を税金払う前に投資に回せる制度ですから、実際に払う税金もお得になりますし、会社もその制度を促すために、例えば自分が給料の4%を入れたら会社もさらに4%を上乗せして投資してくれるんですね。だから、投資すると、買ったものが半額になったとしても損はしてないやり方なんですよ。今も、そのまま同じやり方でやってるだけです。

 

—投資する上で、大事なことは?

 

冷静さですね。暴落している間に売らず、耐えられるか。計画どおりやっていくとか…。やっぱり、長い目で見ないといけないんですね。長期的に分散して積み立てていくことが大事です。

 

—そうすれば必ず増えると考えてもいいんでしょうか?

 

必ずとは言い切れないです。だけど、傾向として20年見ていると、下がった実績は歴史に一度もないです。最低でも3.49倍になっています。戦争、リーマンショック、コロナ…。この20年でも下がりそうになったことはいっぱいあったんです。けど、それでも乗り越えられているんですよ、今までは。だから、僕は将来もそれを超えるほどの大変な状況になったとしても大丈夫だろうと思っています。それを信じられるかどうかだけです。

 

—それを聞くと、今から早く始めたいなって思いましたね。

 

長ければ長い方が安定していくんですよね。短期的に、来週までに億万長者を目指せば、ほとんどの人は全財産をなくすんですけどね。長期的に見て、少しずつやっていけば、いろんなデータに基づいて計算していくと安定したリターンが見込める。

 

—この本を通して一番伝えたいことは?

 

一番大事なのはお金の意識を持ちましょうということです。日々使っているところとか稼いでいるところとか、資産運用もそうですけど、自分が頑張って稼いだお金はどこにどういう風に流れているのかは把握しましょう。

 

例えば時給1000円のバイトを1時間して、給料をもらってそのまま100均に行ったら何個のアイテムが買えますか?

 

—10個ですかね。

 

と思うじゃん?でも、実際に働いて給料入ったときは、いろんな控除があるんだよね、所得税とか。いろんなものが引かれて800円しか入ってない。さあ、何個のアイテムを買えますか?

 

—8個。

 

違います。消費税もかかるから7個のアイテムです。だから、700円を消費しないのは1000円を稼ぐのと同じ力があるんですよ。支出を減らすのは収入を増やすよりも1.5倍くらい力があるんです。そういう意味で支出が非常に大事です。だから、700円のコーヒーを飲まないのは、1時間1000円のバイトをしたのと同じなんです。

 

—そう思ったら、ちょっと買えなくなっちゃいます。

 

ね、そうでしょう。それをずっと考えないといけません。これは1時間分の労力の価値が自分にとってあるかどうか。それほどではないなと思ったら、じゃあやめようってなるじゃないですか。

 

—その考え方、大事ですね…。早く何かしたいなと感じたんですけど、明日から簡単に始められる節約術はありますか?

 

まず、全ての人が第一歩としてやるべきことは、現状を把握することです。僕が勧めているのは、キャッシュレス決済やカードを使っている時に自動的に分析してくれるアプリを入れること。現金で払っている時も手動で記入して、毎月いくらをどこに使っているのかをまずは見ましょう。その中に、使っていない固定費とかあればそれを解約してもいいし、年間でこんなにコンビニで使っているとか、気づくものがあればそれを削ればいい。

 

まずは、支出を把握すること第一歩です。これは、リスクがないんですよ。投資になると下がるリスクはあるけど、支出を可視化するだけならリスクはありません。これをやっていないのに、投資しようとしている人は順番を間違っています。いくら稼いでも、いくら投資で成功しても、お金が全部消えてしまいます。

 

—個人的にもすごく勉強になりました!では最後に、読者の皆さんにメッセージをお願いします。

 

自分の人生は自分の責任です。だから、どうなりたいのかをまず考えて、計画を練って冷静的にやり続けるだけなんですね。感情的にならないで落ち着いていることが大事だと思います。

 


 

PROFILE

厚切りジェイソン

1986年アメリカ・ミシガン州生まれ。17歳の時に、飛び級でミシガン州立大学へ入学。卒業後、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校へ進み、エンジニアリング学部コンピューターサイエンス学科修士課程修了。現在は3姉妹のイクメンパパながら、IT企業の役員も務める二刀流芸人であり、情報番組でコメンテーターを務め、ドラマや映画に出演するなど幅広く活動している。

ジェイソン流お金の増やし方

著者 厚切りジェイソン

発行 ぴあ株式会社

発売 2021年11月12日

定価 1430円

書店、ほかネット書店にて販売

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