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【フクオカリノベ No.10】
リノベ×福岡移住|近い価値観を持つ人たちと 身近に関わり合える暮らし。#Case:01

リノベ×福岡移住
移住先として福岡を選び、リノベーションという選択をした人たち。
外から見た福岡の魅力や家づくりのこだわりを聞いた。

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Case:01
サンテラス今宿
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[東京 ▶ 福岡]
鎌苅 竜也さん:福岡市西区今宿にある海辺のシェアオフィス『SALT』を始め、各地の拠点企画・運営の他、不動産活用によるブランディング・移住促進・収益化、移住経験をもとにした移住相談や不動産のサポートを行なう。

 

スキルを活かしながら
心地良く暮らせる場所

 

福岡への移住サポート等を行なう「福岡移住計画」はじめ、不動産活用を通した働き方のサポートや地域づくりに取り組む[株式会社SALT]のメンバーである鎌苅さん。職場は、福岡市西区にある海辺のシェアオフィス『SALT』。2016年の4月に東京から福岡へ移住し、現在は今宿にある物件をリノベーションして、妻、息子、犬と暮らす。

「初めは福岡じゃないといけない理由はありませんでした。僕にとって東京はそんなに住みやすい土地ではなかったため、どこか、暮らしていて心地よく、不動産開発業のスキルが活かせるような場所への移住を考えていたところです」。不動産を使う人がもっと身近に感じられるような不動産業をしたいと考える中で、地方に出るという選択をしたそう。大学時代住んでいた別府や、夫婦の出身地である大阪、その他いろいろな候補地があった。そのため、それほど大きく生活を変えなくても自然と触れ合える場所として、福岡が選択肢の1つになった。

 

収納棚などで圧迫感を出さず、開放的なキッチンにしようと、見せる収納を採用。スペースの広さに合わせたステンレスキッチンを特注で導入した。デザイン性に優れたドロップインコンロもこだわり

 

 

移住候補地で
リアルな生活を体験

 

ある時、東京で参加したイベントで、今の会社を知り、規模こそ小さくなるが手触り感のある不動産業、新しい暮らしやビジネスに挑戦しようとする人たちに自分の力を注げる不動産業ができるのではないかと考えた。そこで、約半年間、当時のSALTのメンバーやさまざまな方を頼りながら、旅行を兼ねて福岡に下見に通った。もし、事務所のある今宿周辺で生活するとしたら、買い物や子どもの教育はどうか、実際にスーパーへ買い物に行ってみたり、SALTのメンバーや家族に話を聞いたりした。
「福岡を見ていると、街が整備されていて綺麗だという印象を持ちました。また、東京より日が長く、それが福岡の人たちの〝陽〞の部分を作っているんじゃないでしょうか。コンパクトシティなので、僕も妻も実際に生活できそうだと感じ、移住を決めました」。

福岡に照準を定めて検討を始めてから約半年で移住を決め、初めはSALTから徒歩5分程度の海沿いにあるアパートでの生活を始めた。福岡に住み始めた当初、奥さまは東京へ帰りたいと考える時期もあったが、1〜2年経つと、次第に福岡での生活にも慣れ、福岡が良いところだと思うようになったそう。

 

足場板を使ったダイニングテーブル。また、あちこちに座れる場所を作り、いつも同じ向きではなく、いろんな向きで人と話せるように

 

 

物件の決め手は
住む人の価値観

 

その後、長く住むための住まい探しが始まる。今宿という地域は確定だったが、そこでどんな暮らしをしたいか考えたときに、新築であってもリノベーションであっても、隣近所の人と関わり合いながら生活したいという思いがあった。困ったときは助けてもらい、誰かが困っていたら助けたい。家を決めるときには、すでに子どもがいたので、子どもにも周りの人たちと関わりながら成長して欲しいと願っていた。

「今は、夫婦だけで子どもを育てられる時代じゃないと考えています。自分と感覚の近い人たちと近くで暮らせたらと思っていました」。しかし、どんな人が隣に引っ越してくるかは当然分からないため、どうしたら良いものかと考えていたところで出合ったのが、今住んでいる「サンテラス今宿」という物件だ。

 

風変わりなデザインであり、黄色が目印の集合住宅「サンテラス今宿」。坂を上った先にあり、窓から今宿の街を一望できる

 

鎌苅さんがこの物件について真剣に考え始めたのは、今から約2年前のこと。「サンテラス今宿」は、30年前に建てられ、高台にカーブを描くように22世帯の家々が連なった、一見ちょっと変わった形の物件。この中でのコミュニティが約30年間培われている。ここでは、人と関わり合いながら暮らしたいとか、自然のある暮らしをしたいという感覚を持った、鎌苅さんと価値観の近い人たちが多く生活している。この物件なら、今宿で自分が思い描いていた生活ができると感じたという。

「築年数が経った物件のため、一般的な不動産評価としては低いかもしれません。しかし、珍しい物件で、これから物件の価値をきちんと作っていけば、希少性があり、もっと価値が上がっていくんじゃないかと思っています」。身近な人たちと暮らしを豊かにしながら、そんな不動産に関わりたいと思ったのも、ここを選んだ1つの理由だ。
実際、現在は、敷地内の公園で同じサンテラス今宿の住人たちと行事ごとや食事を楽しんだり、これから新しく移り住んでくる住人や知人・友人などを招いてバーベキューを楽しんだり、サンテラスでの暮らしを満喫している。

 

 

 

実現したい暮らしを
リノベーションで形作る

 

物件を探す上で、もちろん新築も選択肢の1つとして考えていたが、なかなか土地が見つからないという問題もあり、中古の購入に至った。しかし、初めてサンテラス今宿の間取りを見たときは、生活イメージがつかなかったという。よくある30年前の物件であり、建物形状が複雑なのもあって、使い勝手が悪い印象だった。物件自体は気に入っていたこともあり、理想の暮らしを実現するためにも、この物件を購入してリノベーションすることを決めた。

 

床には、建築の現場で使われる足場板を使用することで、自然素材にこだわりながらもコストを抑えた

 

理想の家を作るため、テーマカラーやキーワードなどを簡単なプレゼン資料にまとめて、設計士と打ち合わせをした。理想の暮らしを実現するうえで大切にしたいキーワードやメインで使いたい色をいくつかピックアップ。また、リノベーションのイメージに近い写真もいくつか送った。リビングから緑が見えるので、壁に明るい色は入れず、落ち着いたグレーにして、外の青空や緑が映えるように。

また、開放的な家にしたいと思い、キッチンも階段も、部屋の仕切り方も含めてオープンな空間作りにこだわった。子どもの回遊性、遊べることを意識して計画していく。「デザインを考える前に、まずどんな暮らしを実現したいのかを話し合い、イメージした方が良いと思います。いきなりデザインから入ると、あとから行き詰まってしまいます」。

 

玄関横から上がれるように造られていた階段を取っ払い、階段の向きを変えて、リビングの先から上がれるように作り直した。回遊性があり、子どもと犬が一緒に走り回れるような空間に

 

階段を上がった2階部分は、元々壁や扉が設けられていた一般的な洋室だったが、壁を取っ払ったことで、2階も広々とした開放感のあるスペースへ生まれ変わった

 

 

生活しながら
家を作り続ける

 

「移住は移り住んできた時点がゴールではなく、そこから先の暮らしが大切です。リノベーションも、作って終わりではなく、作ったものをどう活かしていくかだと考えています」。
鎌苅さんの家は、現在進行形でまだリノベーションは続いているという。定期的にものを作り、設計士ともっとこう変えていきたいという話をしながら、家を作り続けている。
「リノベーションは、1回で終わらせない方が良いと思います。生活していきながら、改善点を見つけ、少しずつ手を加えていくと、より暮らしやすい家になります。作る工程に自分が関わることで、どんどん愛着が湧きますね」

 

2階の寝室にも、1階と同様の床と壁で統一感を。シンプルで余白のある空間

 

 


 

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