【ローカル企業とSDGs】地球と人の尊厳を大切にした唯一無二の物づくり『TAMOTSU Group』
地球にも人にもやさしい『保のゼロ』と『LABO棺』
現在、多くの企業は行なっている事業をどうやればSDGsに貢献できるのかを模索している。しかし、Tamotsu Groupの山下健治会長のアプローチはこれとは大きく異なる。SDGsという言葉もなかった30年以上も前から、スローガンとして掲げているのは『地球はもっと幸せになれる』。自然環境の保全に関する研究開発に取組み、自然の土、緑、空気や太陽エネルギーの健全化を保守する商品化を進めている。商品開発において、地球を守ることが大前提なのだ。
もう1つ、山下代表が大切にされているのが人の『尊厳』。独自につくりあげた『保のゼロ』も地球と人への愛から生まれた。「父を見送った時、棺の中にはドライアイスが詰められ身体は冷たくなっており、悲しくなりました。なんとかできないのかと考えた時、前職での経験が解決の糸口になると思いました」。山下会長は会社員時代にファインセラミックス(ごく簡単に言えば陶磁器類に属し人工的な生成方式で特定の機能を付加ないし向上させた製品)の研究・開発に従事されていた。「製作工程の途中にある素焼きしたものに消臭効果や脱臭作用があることを体感していたのです」。その特性を生かしHBセラミックスを開発した。原料は土壌と鉱石に含まれる成分で自然由来。二酸化炭素の固体であるドライアイスの気化によるCO²は大幅な削減となり、さらに火葬中に排出するCO²やダイオキシン類などを吸着。この素材を使った『保のゼロ』は、故人にやさしく、地球環境を守り、多くの方々の〝おだやかな別れ〞に貢献している。その他、日光東照宮・太宰府天満宮等の宝物庫、又、東京都の災害備蓄品として採用され、建設のシックハウス対策商品として重宝されてきた。
5年前、山下代表は「環境に関することで何かお手伝いできることはないかと、全国150以上の自治体にうかがったところ、多くの自治体が火葬場から排出するダイオキシンについて問題を抱えていました。1つの棺には金釘など150本もの金属が使用されており、燃焼する際にダイオキシン類が発生します。火葬は年間約140万回行なわれ、焼け残った金属類は相当な量の産業廃棄物にもなっていたのです」。さらに実態を調べる中、衝撃的な事実に直面する。「火葬炉の中で金釘や金具が飛散して亡くなられた方の顔や身体を傷つけていました」。このことを改善するため開発したのが金具・金釘を使わない棺『LABO棺』。『LABO棺』は、故人にやさしく、地球環境を守る〝思いやりのある〞棺として注目され、日本国内の大手棺メーカー数社と業務提携し故人の尊厳と環境問題に取り組み注目され全国展開している。
正しい物づくりを通して地球を守り未来をつくる
『LABO棺』のLABOは“研究”に由来する言葉であり、研究に必要なのは真面目に根気強く続けること。『LABO棺』には、物づくりに真摯に取組んでいることを伝えたいという山下代表の想いが込められている。「想像力と発想力で世の中にない物をつくるのが、開発の仕事。物づくりは人をつくり、環境をつくります。私は物づくりを通して新しい時代をつくらなければならないと思っています。企業にとって利益も必要なことですが、それよりも大切なのは信念を抱き続けること。私たちのグループは、1つの会社で取扱う商品は1点と決めています。それは、自然環境にやさしく、人にやさしい唯一無二の商品に責任を持って提供することを続けていくためなのです」。
SDGsが注目されている昨今。山下代表がずっと前から考えていたことに時代が追いついたようだ。大変なご苦労も乗り越え、今も山下代表の目は輝く。「正しいことは最後に必ず勝つ成るといつもそう信じていますよ!!(笑)」。
TAMOTSU Groupが目指すSDGs
内閣府が国内のSDGs事業を推進して地方創生につなげることを目的に設立した『地方創生SDGs官民連携プラットフォーム』にも登録され追い風となっている。
7月にSDGs推進都市である北九州市などを主催として行なわれる『エコテクノ2023』~地球環境ソリューション技術展・エネルギー先端技術展~には、数百社が出展する中「次世代に向けた環境技術枠」で選定され参加。次世代に向けた環境技術社として多方面からの期待を集めている。
『エコテクノ2023』~地球環境ソリューション技術展・エネルギー先端技術展~
[日時] 2023年7月5日(水)~7日(金)
[HP] https://eco-t.solution-expo.jp/
[場所] 西日本総合展示場 新館