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藤子不二雄Ⓐ「僕の作品を“ショー”として楽しんで」/『藤子不二雄Ⓐ展 – Ⓐの変コレクション-』が開催中!


『忍者ハットリくん』、『怪物くん』、『プロゴルファー猿』、『笑ゥせぇるすまん』など、代表作は枚挙に暇がない。日本漫画界の生ける伝説・藤子不二雄Ⓐ氏の展覧会が福岡に上陸!
『笑ゥせぇるすまん』でおなじみの「BAR 魔の巣」を再現した“エントランスゾーン”や、藤子不二雄Ⓐ氏が上京して間もない頃の部屋を完全再現した“トキワ荘ゾーン”、『忍者ハットリくん』、『怪物くん』、『プロゴルファー猿』の世界観に浸れる“ポップゾーン”、数多くのブラックユーモア作品や短編集を見ることのできる“ブラックユーモアゾーン”など、通常の展覧会の枠に捉われない、作品の世界観やテーマに沿ったユーモラスな展示が行われている。
 



今回、福岡での開催を記念して藤子不二雄Ⓐ氏が堂々来福。
「漫画を描くことを苦痛と思ったことは一度もない」と話す御年85歳とは思えないエネルギッシュなレジェンドの言葉も合わせて、改めて氏が歩んできた道のり、そして展覧会の魅力に迫る。
 
—スタートした『藤子不二雄Ⓐ展 -Ⓐの変コレクション-』の感想はいかがですか?

藤子不二雄Ⓐ:漫画家だと、原稿を展示する展覧会は多いんですよ。僕はね、それじゃつまらないから。僕はめちゃくちゃ色んなジャンルの作品を描いているから、僕の作品を基にしてもっと色んな展開をして、来る人を楽しませるような、そんな新しい展覧会にしてほしいとお願いをしました。僕はほとんど現場にタッチしていないので、スタッフの方が色んな工夫をして、自分の展覧会なんだけど、僕自身も凄くエンジョイしてるんですよ。
 

—この展覧会を通して、これまでの歩みを振り返ることもあったのでは?

藤子不二雄Ⓐ:そうですね。僕は藤子・F・不二雄氏と子どもの頃から一緒で、手塚治虫先生という大天才に憧れて漫画家になったんですけど、子どもを対象にした児童漫画を描いてきたんですね。20代、30代になってくると、だんだん児童漫画を描くのが苦痛になってきて、『ビッグコミック』という青年漫画誌が出た時に『笑ゥせぇるすまん』の最初の読み切りを描いてくれと言われて、「この線なら、これからイケるなぁ」と思って、それから色んなジャンルの漫画を描き始めて、それがこの歳になってもまだ漫画家を続けられている要因になったと思います。
そういう意味では今度の展覧会も、僕の作品を年代ごとに展示してあるので、自分でも「よくこんなに描いてきたなぁ」と感心しています。

 

—たしかに、先生の作品はブラックユーモアやダークさも特徴ですね。

藤子不二雄Ⓐ:藤本くん(藤子・F・不二雄)は純粋な人ですから、たとえば『ドラえもん』を何十年も描き続けることができましたけど、僕は新聞記者をやっていて先輩らと酒を飲んだり麻雀やったり、色んな遊びを散々やってきたから(笑)。たまたま『笑ゥせぇるすまん』などを描けて、そこから新しい方向へ行きました。
 
— 今回の展覧会でお客さんに一番見てもらいたいところは?

藤子不二雄Ⓐ:一つの作品をずーっと描くんじゃなくて、その時その時で色んなジャンルに挑戦してきたことが僕の自慢なんです。しかも、子どもから大人まで僕の作品を“ショー”として楽しめる展覧会にしていただいています。僕も観客の一人として見ていても楽しめますね。
たとえば、40年以上前に今でいう「ニート」というか引きこもりを描いた『明日は日曜日そしてまた明後日も……』という作品があるんですが、それをスタッフが面白がってミニシアターのような形にしてくれました。前に六本木でやった展覧会ではその作品のグッズが売り切れになっちゃって驚きましたよ。そういう僕の作品を面白く活かした発想による展示が多くあるので、そういったところはぜひ見ていただきたいですね。
 
—全展示が写真OKというのも嬉しいですね。

藤子不二雄Ⓐ:今の人はみんなスマホで簡単に写真が撮れるし、フォトスポットとして写真を撮ってもらった方が楽しくなるんじゃないかと思って。入口に僕が指を出して「ドーーーン!!」をやっている等身大人形がありますけど、あそこで一緒に写真を撮ったりすると普通の展覧会にはない楽しさがあるんじゃないかと思って、写真OKにしたんです。
 
—福岡の印象についても聞かせてください。

藤子不二雄Ⓐ:福岡や九州は大好きで、福岡から展覧会をやりたいというオファーをいただいたので「ぜひ!」という気持ちで今回実現しました。食べ物も良いですね。僕は凄く偏食で、650年続いた寺で生まれたものですから精進料理ばかりで魚と肉は食べたことないんですよ。だから外食がほとんどできないんですけど、今日のお昼は「ごぼう天のうどん」をいただいて。たまらなく美味しくてね、凄く満足しました。
 

—展覧会の今後の展開についてはいかがでしょうか。

藤子不二雄Ⓐ:来年以降も各地からの開催のオファーがあるようですが僕の手を離れて展覧会が全国を周って、僕の漫画を読んだことがない人も、この展覧会を通して作品を読んでもらえるように広まると凄く嬉しいと思います。
 

藤子不二雄Ⓐ展 - Ⓐの変コレクション-

会場: 西鉄ホール(福岡市中央区天神2-11-3 ソラリアステージ6階)
会期: 開催中〜8月18日(日) 10:00〜18:00(入館は〜17:30)
観覧料: 大人(中学生以上)1000 子ども(4歳〜小学生)600円
※3歳以下は入場無料(要保護者同伴)
問い合わせ: 東映/092-291-6792(平日10:00〜18:00)
https://fujiko-a-ten.jp/

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