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【映画】吉永小百合さんが『こんにちは、母さん』の舞台挨拶に登壇!

8月19日(土)、女優の吉永小百合が西鉄グランドホテルで映画『こんにちは、母さん』の合同記者会見に登壇した。

こんにちは、母さん / 9月1日(金)公開

 

本作にて吉永小百合は“恋する母親”福江を熱演。『母べえ』(’08)、『母と暮せば』(’15)に続く「母」3部作にして、吉永小百合主演・山田洋次監督作の集大成とも言える作品だ。

 

―もうすぐ映画が公開されます。今の心境はいかがですか?

吉永:前作の『いのちの停車場』が上映していた頃はまだコロナ禍で、東京も大阪の劇場も閉まっていたんです。でも今回は全国で観ていただけるので、たくさんの方に劇場へ足を運んでいただきたいです。

 

―山田洋次監督作への参加は『母と暮せば』以来、8年ぶりです。

吉永:今回、監督は新しい映画を作るんだ、という強い想いがあったと感じています。撮影方法も、今までは短いカットを繰り返し撮影して繋げていくことが多かったのですが、今回は長回しがメインでした。永井愛さんの戯曲が原作で、長いセリフも多かったです。それをワンカットで撮っていくということもあり、最初は慣れなくて大変でした。でも、大泉さんをはじめ、キャストの皆さんに助けていただきながら演じることができました。

 

―福江は老舗の足袋屋を守り続ける一方で、恋をしたりボランティアに励んだりと、二面性を持つキャラクターです。演じるにあたり工夫したことはありますか?

吉永:福江は、地域の人たちと一緒に一人でも生きていこうとする力強い母です。当初は、とにかく前を向いて進んでいく「肝っ玉母さん」のような演技をしようかと考えていたんですが、監督から「もう少しゆっくり歩いて」と注意を受けてしまうことはありました。

福江の生き方は、とても素敵だと思います。私も歳を重ねても、そんなふうに前を向いて生きていきたいなと思いました。

 

―本作はキャストが豪華です。まずは、親子役を演じた大泉洋さんの印象や撮影時のエピソードを教えてください。

吉永:大泉洋さんと初共演で、最初は親子役をうまく演じられるかという不安も抱えていました。大泉さんと初対面したのは撮影が始まる2カ月ほど前だったのですが、お会いする際、ケーキをいくつか持って行ったんですね。私が「大泉さんは何がよろしいですか?」とお聞きしたら、「ショートケーキ」とおっしゃって。その時の言い方が少年っぽくて、これは息子だなぁと感じました。大泉さんは気取らず、おしゃべりがお好きな方です。新聞記者さんのように色々質問してくださるんですよね。私もつい、ふだんなら喋りたくないようなプライベートなことまでお話ししてしまいました。

 

―孫の舞を演じた永野芽郁さんについてはいかがですか?

吉永:『キネマの神様』という作品を拝見して、なんて素敵なお嬢さんなんだろうと思っていたので、ご一緒できるのがとっても嬉しかったです。「芽郁さんはいくつからお仕事してるの?」と聞いたら、8歳からと。私は11歳からなので、ちょっと負けたなって(笑)。

 

―印象に残っているシーンはありますか?

吉永:「やけ酒」シーンは楽しかったですね(笑)。お酒を飲んで酔っ払うみたいなシーンはここ30年くらいなかったので、楽しく演じることができました。

 

―演じていて難しいと感じたところはありますか?

吉永:原作である演劇のセリフを映画に落とし込んで話すのが難しかったですね。楽しかったですが、どういうふうに演じれば良いか考えながら一人で練習を重ねていました。

 

―福江と孫の舞が恋愛の話で盛り上がるシーンがありました。福江とご自身の恋愛に、重なる部分はありますか?

吉永:舞ちゃんに「(好きな人に)告白しないの?」って聞かれて、「言われるまで待つの」と答えるシーンがありますが、どちらかというと私もそうだと思います。相手の方から自分のことが好きだとわからないと、積極的にいけないタイプの人間なんです。私も最初はそういう要素も入れながら演じた方が良いのかなと思っていました。でも、山田洋次監督は舞台とはまた違う「母」を描きたいとおっしゃったんです。だから、山田洋次監督の考えもあって、映画の福江は舞台版よりも少し人に対して甘い性格です。

 

―『母べえ』、『母と暮せば』、『こんにちは、母さん』の「母」3部作で、山田洋次監督はどんな母親を描こうとしていたと思いますか?

吉永:『母べえ』のプロモーション活動で九州に行った際、移動中に山田洋次監督が自身の母親についての話をしてくれました。監督がまだ学生の頃、お母様が他の男性と住んでらしたみたいで。助監督になった時、1日だけ休みをもらってお母様に会いに行ったという話をしてくださいました。その話を聞いて胸がいっぱいになって…。母の映画を撮っていらっしゃるのは、ご自身のお母様への想いが強いからなんだろうなと感じたんです。

山田洋次監督のお母様も耐える母ではなく、ご結婚も3回なさるなど、前を向いて生きてらっしゃった方だと思うので、とてもリスペクトされていたんじゃないでしょうか。本作で描かれる福江も、山田洋次監督のお母様に近い部分があると感じています。山田洋次監督の想いも受け止めながら、自分なりに母親像を作りながら演じました。チャンスがあれば、山田洋次監督のもとでまた違うタイプのお母さんを演じられたらと思っています。

 

―最後に、映画を楽しみにしている方にひと言お願いします。

吉永:世の中の状況も大きく変わっていく中で、映画館に行くという機会も減っていることもあるかと思いますが、それでも映画館で観てほしいです。そして、ぜひご家族やお友だちと色々な想いを語り合っていただきたいと、切に願っています。

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