【映画】『春に散る』T・ジョイ博多舞台挨拶に佐藤浩市と横浜流星が登壇! “流星群”も“浩市群”も熱狂?
8月26日(土)、前日に全国ロードショーとなった映画『春に散る』の舞台挨拶がT・ジョイ博多で実施され、主演の佐藤浩市と横浜流星が満員の観客の前に姿を現した。
春に散る / 上映中
実際にボクシングのプロテストに合格したことでも話題となった横浜がプロボクサー役を務め、元ボクサー役の佐藤と共に胸が熱くなるドラマを展開する本作。この日はまず、舞台挨拶に出席できなかった共演者で福岡出身の橋本環奈よりVTRメッセージが届けられた。
「皆さん、こんにちは。橋本環奈です。本日は『春に散る』をご覧いただき、ありがとうございます。そして浩一さん、流星さん、福岡楽しんでいますか? 私の地元なので、一緒に行きたかったんです。ぜひお二人に福岡を存分に満喫していただければなと思います。
お二人と『春に散る』で共演して、初日のクランクインは浩一さんと大分での撮影だったんですよ。だから私はその前の日に福岡の実家に泊まって、翌日は福岡から大分に向かったんですけど、大分の美味しいご飯を浩一さんとスタッフの皆さんと食べに行ったのがすごく楽しかったです。
今回の浩一さんと流星さんとの関係性は疑似家族じゃないですけど、家族のシーンみたいなものが多かったので、合間とかでお話しできたりと、すごく楽しいアットホームな現場だったなと思います。二人はボクシングシーンもあったのですごく大変だったと思うんですけど、映画で観させていただいてすごく感動したので、今日、劇場に観に来てくださっている皆さんもぜひ圧巻のシーンに感動して帰っていただけたらなと思います。福岡の皆さん、今日はお二人のお話を聞いて、ぜひまた二度、三度と劇場に来ていただければと思っております。本当に私も福岡に行きたかったです。また地元には、プライベートで帰りたいと思います」
―昨日は公開初日ということで、大規模な舞台挨拶をされていましたね。撮影当時について思い出すこともあったのではないでしょうか。
横浜:やっぱり「翔吾」として生きた日々は鮮明に思い出せるというか。自分も格闘家を目指していたから、それを翔吾が叶えてくれたと思うし、翔吾と共に同じ景色を見ることができたので、短い期間ではありましたけど、すごく思い出があります。
―佐藤さんはどうでしょうか?
佐藤:思い出しちゃうとかっていうのはあんまりないですけどね。「山口智子ちゃんの服が緑づくめだった」って話をしていたのはおぼえています。ただ、キャストはみんな同胞(はらから)というか、お互いにその時間を一緒に過ごしていたという安心感があります。会うと「やっとこの日が来たよね」という。最初お互いにアイコンタクトをとって、笑みを交わすんです。それでホッとして。
―なるほど。お召し物の話があったので、ちょっと伺いたいんですけど、今日は二人とも可愛くてデコラティブな服を着ていますよね。特に浩一さんのスタイリングはめちゃくちゃカッコいいです。
横浜:カッコいいですよね。僕もこういうファッションにしとけばよかったなという気もして。僕が今日着ているのは、なんかちょっと春っぽくしようって思ったんですけど。
佐藤:そういう理由で花柄にしたんだ。なるほどね。やっと意図がわかりました。
―『春に散る』は、佐藤さんにとってどんな作品になりました?
佐藤:どんな作品だろう? 今日パッと会場の皆さんを見た時に、ほとんどが女性ですよね。男女比、9対1どころじゃないなと。沢木耕太郎さんの原作はいい意味で昭和感のある、いわゆる男同士の話なんですよね。映画にする時に間口を広げて、対象者を老若男女問わない作品にするっていう言い方は大げさすぎるし口はばったいもの言いなんだけど、これは、誰が観ても面白い映画です。いろんなことを考えさせられます。例えば自分たちのことだけじゃなく、親のことも含めてですね。そんな作品にしたいね、と最初話していたので、その通りの映画にはなれたかな、という気がします。
―横浜さんがもし今度、佐藤さんと再共演するとしたら、どんな関わり方をしたいですか?
横浜:家族になりたいですね。
佐藤:それは言ってましたね。師弟関係だけじゃない義父親子の関係。本作は、人生の先輩後輩を超えたところで、お互いに刺激を与えられるような関係の役にしようという話は流星も言っていたので、そういう役ができたかなと思います。逆に今作でこういう役をやって、次に何やる?と聞かれると、これは困っちゃうよなぁみたいなことを二人で話したことがあって。まぁ、やるんだったら、今度は親子役かな。憎しみ合っている親子(笑)。
横浜:ふだんできないようなことをできるのがやっぱり芝居の特権だと思うので、楽しそうですよね。
―今回の撮影の中で思い出される、大変だったことは?
横浜:ボクシングの試合に向けて、練習を重ねるじゃないですか。その練習の演出を、台本よりももっと膨らませていったんですけど、その中で浩一さんのパンチを腹で受けるっていうね。あれはしびれましたね。
佐藤:もっとパンチ入れればよかったんだけどね。ちょっとどうしても抑えちゃうんでね。皆さんは映画を観たからわかるだろうけど、リングの上で戦っている彼らが、パンチ一発一発に対して真剣なんです。ボディなどには結構なパンチの入れ方をしているわけですよ。スパーリングの場合はヘッドギアをしますけど、ヘッドギアの上からでも結構パンチを入れているし。「ちょっとパンチが強すぎたな」というのも見ているとわかります。そういうギリギリの中でやってたっていうのはありますね。
終盤、マスコミによるフォトセッションの際には、佐藤が会場中の横浜流星ファン=“流星群”に反応する一幕も…。
佐藤:“流星群”だらけだ。流星群、手を挙げて!
(会場中から多くの手が挙がる)
―“浩市群”もたくさんいらっしゃいますよ。浩市群、手を挙げて!
(同じく多くの手が挙がる)
佐藤:…余計なことをしなくていいんだよ(笑)!
―そんな福岡の皆さんに、お二人から最後にご挨拶をお願いします。
横浜:皆さん、映画を観られていろんなものを感じ取ってくださっていると思います。その思いをぜひSNSで届けたり、周りの方に伝えてくださると嬉しいです。本日は福岡に来られて本当によかったです。ありがとうございました。
佐藤:この作品では登場人物各々の背景というのを、あまり映画の中ではあえて語っていないんですね。でもその中で、一挙手一投足、そこはかとなく、それを感じられるようなお芝居を皆さんしていらっしゃると思います。それぞれが背負っていた人生が、どういうふうに自分の中で問題解決していくかも含めて、観ていて楽しめる映画だと思います。僕は同じ映画を「何度も観てください」と言うのは恥ずかしくてあまり言えないんだけれど、これは本当に数回観ていただいても、また新しい解釈、楽しみ方ができる映画だと思っています。