【フクオカリノベ No.11】
すてきなリノベのお宅訪問・マンション|家族と一緒に変わってく アップサイクル・リノベ『リノベエステイト』
すてきなリノベのお宅訪問[マンション]RENOVA
リノベエステイト
福岡市中央区[T邸]
最後まで仕上げない
だから、楽しい
「最後まで仕上げないこと」──。T邸のリノベーションのテーマはじつにユニーク。普通ならば下地材として使われたり、捨てられたりする材料を活かす、アップサイクル型のリノベーションなのだ。
「完成度も75%くらい。本来ならこの壁材の上からクロスを貼ったりするんですが、うちには小さい子どもが3人いて、まだまだ壁にラクガキしたりシールを貼ったりしたい年頃。だからどんどんラクガキできるような壁にしています。こっちも怒らなくて済むからストレスがなくなりました」。
そう話すTさんは[リノベエステイト]の設計士。ご主人の仕事の関係で一家は福岡県から秋田県、長崎県の五島での暮らしを経て、ふたたび福岡に戻ってきた。
「無いものは自分たちで作る。五島ではずいぶんとフロンティア精神が鍛えられました」とTさんご夫妻。特に、家は海沿いに建つ古民家を購入して、夫婦で1年半ほどかけてリノベーションしたのだという。「とても楽しい体験でした。福岡に戻って賃貸マンションで暮らしたものの、五島でのDIY体験が忘れられなくて小さなストレスが溜まるばかり。そんな時にこの物件を見つけて立地の良さと周辺の環境に一目惚れ。ここをまたリノベーションしよう! と決めました」。
美しい眺めを堪能できる
ワイドスパンの造り
空が少しずつオレンジ色に染まっていく夕方、窓を開けると子どもたちのにぎわいが聞こえてきた。きっと授業が終わったのだろう。夕日を受けながら近くをゆったりと流れる川の表情に思わず見惚れる。
「この風景を眺めながら料理を作る時間がいちばん好き」と話すTさん。このマンションを選んだ一番の理由も、開口部の前に視界を遮る建物がなかったからだそう。確かに、広い開口部からの眺めは一枚の絵のように壮観である。
「築43年の物件でもとの間取りは4LDKでした。眺めのいい北西側に窓が並ぶワイドスパンの住戸だったので、設計上も自由がきく造りだなと感じました」。
新たに断熱材を入れて窓を二重サッシにすることで、室内の断熱性や気密性は格段に上がり、壁で必要以上に仕切らないワイドな1LDKの間取りが可能に。下地材や端材を活用する「アップサイクル・リノベーション」というユニークな挑戦にも、自分の家だから思う存分トライできたという。
暮らし方に合わせて
間取りも変えていい
T邸の広いLDKはホームセンターで調達できるDIY向けの壁材やロールスクリーンでゆるやかに仕切り、スタディスペースや主寝室といった個のスペースを確保している。こうした仕切りはいつでも気軽に取り外したり動かしたりできるので、お子さんの成長や家族構成に合わせて空間そのものを暮らしやすく整えていける。
「ワイドなフロアをライフスタイルに合わせて仕切りながら、自由に、便利に暮らす。これもアップサイクル・リノベーションの魅力のひとつです。ちょっとキャンプみたいな感覚があるし、子どもたちともどうやって家を造ろうか? と相談しました。将来、子ども部屋が必要になったら壁を動かしたり増やしてつくればいいし、子どもたちが独立して夫婦2人だけの生活になったら、この物件を売ったり貸したりするかもしれません。その時はまた、マーケットに合わせたリノベーションをしようと考えています」。
大切なのは「今」の自分たちに必要なものは何かを把握しておくこと。そうすればちょうどいいサイズ感が見えてくるという。T邸の場合も持ち物の量や生活習慣を振り返りながら家具やスイッチの位置などを検討し、工事の段階でさらに細かい調整を繰り返しながら最適な空間へと仕上げていったそう。有孔ボードや石膏ボードといった材料の魅せ方や活かし方の巧さも、素材の特長をよく知る設計士ならでは。自由な発想に感心すると同時に、リノベーションの楽しさそのものが伝わってくるのだった。
[ Company Profile ]
リノベエステイト
株式会社アポロ計画
[所]福岡市中央区大手門3-12-12 BLDG64 201
[☏]092-738-9099
[HP]https://re-estate.net/
※この記事は「フクオカリノベno.11」より抜粋して記載しております
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