奈良屋町のギャラリー「JTL“HYU”ART」所属、人気アーティスト・Ran.さんの魅力に迫る!
Ran.さんのこれまで
奈良屋町のギャラリー「JTL“HYU”ART」に一番最初に所属したアーティストのRan.さん。
10~20代の若年層を中心に絶大な支持を得ており、インスタのフォロワーは10万人。
最近では、ちゃんみなの楽曲『サンフラワー』のMVのイラストなども手がけた。
まずは彼女の原体験から、アーティストになるまでを話してもらった。
「小さなころから一人遊びが好きでした。特に絵を描くのが好きで、中学生のころは漫画家に憧れていました。当時は『家庭教師ヒットマンREBORN!』など、ジャンプの少年漫画に影響を受け、自分も漫画を描きたいと思っていましたね。漫画の道具もたくさん集めていました」
「農業高校と建築系の専門学校を経て、20歳くらいの時かな。納期に追われるのが好きじゃないから、漫画家を目指すのはやめたけれど、自分の作品をSNSにアップしていて。ある日、Twitterがバズったんです。その後、インスタでも一気に人目につかれるようになって。非常に多くの人から反響があり、絵を仕事にして生活できそうだと思ったから、イラストレーターになりました」
取材時もRan.さんは複数の作品を手掛けていた。同時並行的に制作を進めていくことも多いという。
ストーリーを感じさせるRan.さんの作品
JTL“HYU”ARTの2階にはひときわ目を引くトランクケースの作品。ヴィトンのケースに大胆にも白インキの文字を刻み、カセットテープのデザインを施したRan.さんの一作だ。
達筆な英文がストーリーになっており、「You asked me leave.(あなたは私に出ていけと言った。)I picked this trunk with only my belongings and sweet memories.(トランクに荷物と甘い思い出を詰め込んだ。)」という衝撃の一文で始まる文章が、見る者に語りかける。
叙情的かつスタイリッシュで、非常にかっこいい作品だ。Ran.さん自身も出来に満足しているそう。Ran.さんは独自の世界観のあるアートを作ることが多いため、鑑賞していてその作品のバックグラウンドを知りたくなる。
日本酒とRan.さんの作品がコラボレーション
JTL“HYU”ARTでは、福岡の日本酒を世界に広げる取り組みを行なっている。
若者の日本酒離れもあり、美味しいお酒を造っているのに経営が厳しい酒造も多い。
日本酒の魅力を若者、ひいては世界に伝えたい。
そういう思いで、Ran.さんと酒造がコラボして、日本酒をオンラインで販売することになった。
通称「Ran.シリーズ」はピンクの大箱にRan.さんの版画と彼女の作品がラベリングされた大吟醸酒が入っている。
ラベルは9種類あり、それぞれ違う「らん」という漢字をイメージした作品だ。9種のうち、どれが出るのかは買ってからのお楽しみ。コレクション性も高い。
ここまでゴージャスで質の高い一品が2万5800円~で、若い人でも手に取りやすいお値段。700本限定で販売される。
取材した2023年12月4日には、まだ販売されていないにもかかわらず、もうすでにネットで100本近く予約注文が入っていた。
日本酒をこのような形式で販売するのは恐らく世界でも初めての試みだろう。Ran.さんの作品を通じて、若者や海外の方に日本酒を飲んでもらえるのは素敵なことだ。