ちくご ぱんさんぽ

【有名シェフに聞く!】筑後地方でパン作りをするワケ

平日も週末も駐車場にはひっきりなしに車が停まり、

行列ができる人気のベーカリー『シェ・サガラ』は、

自然豊かな久留米市田主丸町にある。

2003年にオーナーシェフの相良一公さんが

自身の生まれ故郷である、ここ田主丸にオープンした。

繁盛店になっても都心部に移転もしくは店舗展開せず、

田主丸にじっと腰を据えているのはなぜか、

相良さんに問うと「田主丸に生まれたからでしょうね」と笑顔で一言。

続けて、この地に店を構えた理由を教えてくれた。

「ここを始めたきっかけは、お世話になった地元の人たちに

食べる楽しみを感じてほしかったからなんです。

店を続けるうちに博多や東京で試したいという気持ちは湧きましたが、

田主丸から離れられるかどうか考えるとそれはできなかった。

その理由は本当に、ここに生まれ育ったからとしか言えないんですよ」

さらに、この場所だからこそ得られる価値があると相良さんは教えてくれた。

「店を構えるなら国道沿いや駅前などアクセスが良い場所の方が

良いのでしょうが、“わざわざ来てもらえる店”にしないと

長く続いていけないと思っています。

僕が修行した飛騨高山の店がまさにそうで、

観光地とはいえ辺鄙なところでしたが、全国から人を集める吸引力がありました。

あぐらをかくのではなく、常に危機感を持っている店が繁盛すると思うんです」と

人気ベーカリーになった今でも常に危機感をもってパン作り・お店作りに

行なわれている姿勢が日々進化する『シェ・サガラ』を作り上げていると感じた。

加えて、今はパンのトレンドが首都圏から地方都市へ

移行する流れがにあるとも語る。

「そもそもパンが日本の食文化に根付いたのは、

おそらくここ60~70年くらいのことなんです。

最初は神戸や横浜などの港町で外国人向けに作られたものが

日本の首都圏に広まり、パン文化は育っていきました。

その文化が少しずつ地方の主要都市に飛び火し、

今は徐々にその郊外にも広がって定着してきている段階だと思います。

特に筑後地方は福岡市から近いので都市部の文化や流行が入ってきやすく、

それに合わせて商品の値段や材料のポテンシャルを上げられるようになりました。

その波に合わせて筑後地方には多くのベーカリーが

誕生しているようですので、一緒にこのエリアを盛り上げていけたらいいですね!」

 

取材あとがき

今後も筑後エリアのパン業界の盛り上がりから目が離せなさそうだ。

新店や新たなちくごパン情報を今後も「パンさんぽ」で追っていきたい。

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