【フクオカ・メイド Vol.8】小倉織ブランド/小倉 縞縞
【連載企画】フクオカ・メイド vol.8
フクオカ・メイドのモノに注目し、その現場を訪ねる企画。一度は途絶えた“小倉織”を復元・再生し、挑戦を続ける『小倉縞縞』を訪ねました。美しい縞模様の生地は、ファッション・アート・インテリア…さまざまな分野で使用され、国内外のクリエイターから注目を集めています。
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一度途絶えた伝統を復元・再生させ、新しいアイデアを吹き込みながら革新を続ける」。口で言うのは簡単ですが、実行するのは難しい。『小倉縞縞』はまさに今、その挑戦の真っ只中にあります。
丈夫で厚手の小倉織は、豊前小倉藩の特産品として全国に広まり、「槍をも通さぬ」と武士の袴や帯に珍重され300年以上続きますが、昭和初期に生産が途絶えてしまいます。時を経て、染織家の築城則子さんが偶然手にしたハギレをもとに小倉織を復元・再生したのが’84年のこと。
その後、’07年に妹の渡辺英子さんと共に機械織ブランド〈小倉 縞縞〉を立ち上げてからの展開は目覚ましい。台湾・台北の『マリオットホテル』のレストランを、北九州空港のラウンジを、ラグジュアリーホテル『ザ・リッツ・カールトン福岡』の廊下やレストランを…『小倉縞縞』の生地は国内外のあらゆる空間を彩っています。さらに’23年には、建築家の隈研吾さんと共にインテリア・テキスタイルブランド〈KUMASHIMA〉を立ち上げるなど、クリエーションはとどまることがなさそうです。
『小倉縞縞』がさまざまな分野で展開を続ける理由、それは生地の”デザイン“と”幅“にあります。通常の織物に比べ、小倉織は経糸が緯糸の2倍以上。立体感のある縦縞が、世界にも通用する美しい「ストライプ」を生み出します。
また、生地を機械で織ることで手織りでは困難な「広幅」を実現。壁紙やカーテンなどのインテリア・ファブリックにも落とし込めるというわけです。
『小倉縞縞』のビジョンは、九州、全国、そして世界へと生地の良さを広めること。その一歩として、小倉織という伝統を子ども世代へと伝えようと、製品をつくる際に出るハギレや残糸を利用して、教育機関向けの教材キットを作成しています。北九州市内の一部小中学校の授業で採用されているそうです。
「小倉織を、いずれは福岡県民が誇る名産品にできたら」。代表・渡辺さんの言葉が実現する日は近いでしょう。
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小倉縞縞 本店
所:北九州市小倉北区大手町3-1 1階
☏:093-561-8152
営:10:00~18:00
休:水曜
P:なし
カード/可、QRコード決済可
https://shima-shima.jp