ちくご ぱんさんぽ

【パンと街並み】『ぱんのもっか』(うきは市)

店名の由来でもあるカリンの実のアイアン看板が目印

耳納連山の麓にある豊後街道の宿場町・うきは市吉井町。

趣のある白壁の街並みに佇む1軒のベーカリー、それが『ぱんのもっか』だ。

地元の人はもちろん、週末ともなると遠方からも続々とゲストが訪れる人気店。

それもそのはず、店内を覗いてみると、あれもこれもと欲張りたくなる

種類豊富なパンがお出迎え!

棚が空いたそばから次々に焼きたてが並ぶ店内。そのラインナップは75種類にものぼる

パンを焼くいい香りが立ち込める店内。

ところ狭しと並ぶのは、食パンやライ麦パン、サンドイッチや菓子パンから、

ソフトフランスやハード系のパンまで充実のラインナップ。

店頭には地元うきはの季節のフルーツを使ったデニッシュが並び彩りを添える。

店主の出身地である高知県のご当地パン『ぼうしぱん』(150円)

大手食品メーカーの飲食部門でパンづくりに目覚め、地元高知県で10年修行したのち

「お客さまの顔を見ながら、のんびり楽しくパンをつくりたい」という思いで

都心を離れ、初めて訪れた自然豊かなうきは市で

『ぱんのもっか』をオープンした店主の吉岡亮次さん。

うきはの自然と素朴で温かい人に惹かれ、移り住んで10年。

今や街の人々の暮らしになくてはならない店の一つとして、

すっかり街並みに溶け込んでいる。

サクサクのクロワッサン生地を使用した季節のデニッシュも人気!

勤め人時代に、売れ残ったパンを廃棄することに抵抗があったという吉岡さん。

だからこそ自分の店では「パンが売り切れたら閉店」のスタイルで営業し、

できるだけ食品ロスを出さないよう配慮しているのだそう。

『重岡豆腐』のうきは産豆乳を使用した卵・乳不使用のパンや、うきは市のジャム屋『猫の手舎』のジャムも!

さらに、子どもから年配の方まで誰もが安心して食べられるように、

添加物などを極力使用していない。福岡や佐賀、北海道産の国産小麦粉や、

うきはの「ゆむたファーム」のたまご、うきは産大豆を使った「重岡豆腐」の豆乳や、

野菜やフルーツもできるだけうきは産のものを使うなど、素材選びにもこだわっている。

歯切れのいい生地で幅広い年代に愛される『もっか』のパン

目指すのは、「流行りのおしゃれなパンじゃなく、

何年経っても変わらないお気に入りの味」。

特に、地域の方に愛されている定番のパンや、

毎日の食事になる素朴なパンは、長く焼き続けたいという吉岡さん。

一番人気の『明太子フィセル』(280円)や、

地元産小麦に発酵バターを織り込んだ『クロワッサン』(220円)、

自家製カレーを包んだ『カレーパン』(260円)などの定番のほか、

「リバーワイルド」のソーセージを使った『ほねパン』(280円)や、

自家製チョコクリームの入った『もっかのクロスケ』(120円)、

自家製カスタードクリームを包んだ『もっかのトトロ』(240円)など

思わず笑顔になるかわいくてユニークなアイテムも!

中に板チョコが入った『パン・オ・ショコラ』(280円)は、毎日必ず売切れる人気アイテム

「ただひとつ変えられないのは、パンづくりを教えること。

技術だけは“見て盗め”じゃないけど、言葉でうまく教えられないんです(笑)」と

職人気質な一面を見せ、照れくさそうに笑う吉岡さん。

店裏には水路沿いの緑が気持ちいいテラス席も。うきはの『高山珈琲』が焙煎したブレンドコーヒーと一緒に購入したパンが味わえる

そんな誠実な人柄が反映された『もっか』のパンは、

噛みしめるごとに小麦の香りが広がる、素朴だけれど奥深い味わい。

うきはの地域に根ざしたパンづくりへの思いを感じながら、

ひとつひとつ大事に味わいたい。

白壁の街並みに溶け込む瓦屋根の外観も特徴的

パンと街並みー 白壁通り

まるでタイムスリップしたかのように趣のある街並み

うきは市の中心部に位置する吉井町は、豊後街道の宿場町として栄えた街。

江戸中期以降に精蝋、酒造、菜種の製油などで賑わい、

有力な商人による金融業などで、その栄華を極めた。

市営パーキングに車を停めて散策したり、レンタサイクルで巡るのがオススメ

1996年に、重要伝統的建造物群保存地区に選定された白壁の街並み。

国道210号線沿いには土蔵造りの白壁の町並みが続き、

街なかを流れる災除川・南新川沿いには、約250軒ほどの屋敷群が現存。

筑後地方の商業都市として栄えた往時の賑わいを今に伝えている。

古い建物を利用したオシャレなショップが点在

保存地区には、町屋や土蔵造りの建物を利用した商店や骨董品店などのほか、

この街並みに惹かれ出店したギャラリーや書店、

ベーカリーやカフェなどの人気店も多数。

趣のある街並みを楽しみながら、お気に入りのスポットを探して

のんびり散策するのがオススメ。

ぱんのもっか

[所] うきは市吉井町1127-5
[営]9:00〜18:00(パンがなくなり次第終了)
[休] 月曜・木曜
[☎]  0943-75-3303
[P] 6台
[Instagram] @pannomocca

白壁の街並み

[所] うきは市吉井町1043-2 付近
[P] 近隣に市営パーキングあり

【うきは市ってどんなところ???】

福岡県の南東部に位置し、北は朝倉市、西は久留米市、南は八女市と大分県日田市、東は大分県日田市と接しており、2005年3月20日、旧浮羽町と旧吉井町が合併して誕生した。山の麓には果樹園が広がり、平坦部には白壁の町並みが軒を連ねて情緒あふれる風景が今も残り、カフェやショップが続々オープンしている注目エリアとなっている。

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