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【フクオカ・メイド Vol.11】油専門店/筑前たなか油屋

【連載企画】フクオカ・メイド vol.11

フクオカ・メイドのものに注目し、その現場を訪ねる企画。今回は1901年に創業した老舗『筑前たなか油屋』を訪ねました。120年前から変わらぬ製法で作られる油、その油を用いて作られるドレッシングは、全国にファンの多い逸品です。一度食べたら、忘れられません!

 

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江戸時代より長崎街道の宿場町として栄えた歴史ある町・筑紫野市原田。JR原田駅前のロータリーを抜けて、国道沿いの歩道を歩くと、電柱がなく美しい町だと感じました。その理由を、『筑前たなか油屋』の4代目・田中信行さんの話の中で知ります。

「明治34年に創業し、以来変わらぬ製法で油造りをしています。以前は原田に油の工場を構えていましたが、今から35年ほど前に行なわれた一帯の大規模な区画整理を機に、油造りは外部の工場へお願いすることにしたんです」。原田の町の変化が、”油一筋120年“の老舗油屋に大きな変革をもたらしたのです。

『筑前たなか油屋』4代目・田中信行さん
原田にあった自社工場の写真
かつて油工場で使用していた圧搾機。実物を店舗で見ることができる

 

現在、店舗裏に併設の工場では『ちくし村ドレッシング』を製造しています。保存料・着色料不使用、非加熱で作る”真の生ドレッシング“です。油と原液を混ぜ合わせるタイミングや比率など、すべての工程に長年の油造りで得た知識が生きています。

 

国産のタマネギをカットし、お酢や醤油などの調味料と合わせミキシング
そうしてできたドレッシングの原液と菜種油を攪拌機で混ぜ合わせて『ちくし村ドレッシング』の完成

『ちくし村ドレッシング』左から  ゆず(972円)、スペシャル和風(972円)、和風(756円)

 

「作りたての味をそのまま味わってほしいので、作り置きはしません。商品を卸すのも、長年お付き合いのあるデパートだけです」。そう話す田中さんがモットーとする言葉は、「電話の向こうは工場です」。

 

「従業員によく話すのですが、飲食業において”安全“な商品を販売することは義務。大切なのは、お客様に”安心“を届けることです」。その言葉を裏付けるように、店の売り場からはガラス越しにドレッシング工場を見学できます。「”たくさん売るより、正直に作っていきたい“。父の教えです。製法はもちろん、伝承された家訓も受け継ぐべきことと思っています」。

タマネギのカットからボトルのラベル張りまでを行なう店舗併設のドレッシング工場
店舗からガラス越しに見る工場の様子

 

そんな『筑前たなか油屋』の新たな挑戦は、美容オイルの製造。「かつて油は大変高価なもので、庶民が食用に使い始めたのは明治維新以後。用途や売り方が時代とともに変わり続けているのが油の歴史ですから、(挑戦は)自然なことですね」と田中さん。老舗油屋が積み重ねてきた知識が今後どんな商品に昇華するのか、ワクワクしながら見守りたいですね。

 

『筑前たなか油屋』の礎を築いた2代目ご夫妻が、店内を見守る
店内では油の試飲が可能。口に含んだ瞬間にわかる質の良さをぜひ体感して。商品は店舗のほか、通信販売でも手に入る
用途により使い分けたい油 各種270g/1296円~

 

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筑前たなか油屋

所:筑紫野市原田-8-7
☏:0120-172-580
営:10:00~17:00(土曜10:30~)
休:日祝日
P:あり
カード/可、QRコード決済可
公式HP:https://www.chikushimura.co.jp

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