【気になるリノベ – vol.09】ローマの下町にある大衆食堂のような 家族連れも楽しめる店

2024年06月14日 公開

プロの視点で物件選びをサポート

唐人町商店街のすぐそば。どこか下町感が残る路地の一角に2023年4月にオープンした「TRATTORIA Daje（トラットリア　ダイエ）」。
オーナーシェフの野田聖士さんと、［桑野組］の出会いのきっかけは、桑野社長・副社長夫妻の娘さんだったそう。「以前働いていたお店のお客様で、イタリアへの興味があるという共通点が距離を縮めてくれました」と、野田さんは当時を振り返る。

自身の店を持つにあたり野田さんが意識したのは、ファミリー層が多く、お子様連れの方もわいわい気兼ねなく楽しんでもらえるお店にすること。街場から少し外れた六本松や藤崎などのエリアで物件を探したものの、この物件に出合うまでに約2年の歳月を要したという。

「料理や厨房のことはわかっても、配管などの設備のことは全くわからず、どうしたものかと悩んでいたときに、桑野さんのことを思い出し、相談させていただきました。以来、いいなと感じた物件があったら桑野さんに見ていただき、プロ目線で確認してもらいました」。

こうしてようやく、この件で店づくりを行なうことが決まったのだ。

建築＝まちづくり
この店と街の未来を描く

［桑野組］のはじまりは江戸時代。黒田藩の棟梁大工として福岡城の建築にも携わった歴史を持つ。以来、大工職人の技を継承し続け、現在は一般住宅の新築・リノベーション、施設建設、公共工事まで、幅広い建築物を手掛けている。
「桑野さんをはじめ、皆さんとても気さくで、どんなことでも相談しやすかったですね。また、啓子さんは自分がいろいろ悩んでいると、”ひとまずやってみたら？と背中を押してくれるんです。物事を進めるには勢いも大切だと思うので、その一言がとても心強かったですね」と、野田さんは言う。

これまで一般住宅の新築やりノベーションを中心に手掛けていた［桑野組］だが、その経験が今回の店舗にも大いに活かされている。「この店は自宅のように、自分にとって居心地が良く落ち着ける空間であるところが気に入っています」と、野田さんが語るように、お客様にとっても自宅に招かれたような居心地の良い空気が流れているのだ。
一方、普段から食べること、お酒を飲むことが好きで、数多くの飲食店に足を運んでいる桑野ご夫妻は、客目線の視点も持ち合わせている。ときに野田さんの「こうしたい」という要望が取り入れられないこともあったとか。「実際、カタチになってみて、あぁ、あれはこういうことだったのかと納得することばかりでした。普段はお店で楽しそうに飲んでいる姿ばかり見ていましたが、プロの仕事ぶりに感動しましたね（笑）」。

現在は早良区千隈に社屋を構える［桑野組］だが、江戸時代は唐人町の隣町、現在の西公園にあったとか。「唐人町商店街には新旧の店が軒を連ね、活気もあってとてもいい空気が流れています。ご縁が繋がりここ『Daje』も手掛けさせていただきました。
私たちは“建築＝まちづくり”をモットーに、さまざまなことに取り組んでいます。
すでに唐人町商店街界隈のプロジェクトもいくつか始まっています。今後のこの界隈にもぜひ注目してください」と、桑野さん。

最後に「Daje』への想いを聞いてみた。
「この辺りを通ったときに覗いてみるのですが、いつもお客様が多くて嬉しくなります。1年経ってみてしっくりとハマってきたように感じますね。これからも繁盛店でい続けてほしいですし、今後も長いお付き合いができるよう、応援し続けていきたいですね」。
まるで1歳になったばかりの赤ちゃんを見守るような温かな眼差しで、『Daije』と、この街の未来に期待を寄せている。

［ 取材協力 ］

マルベリーハウス
有限会社　桑野組

[所] 福岡市早良区干隈4-20-9
[☏] 092-861-7126
[HP] https://www.kuwanogumi.com/

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掲載の内容は取材時のものです。取材日と記事公開日は異なる場合があり、メニューや価格、営業時間、定休日など取材時と異なる場合がありますので、事前に公式HPやお問い合わせにてご確認をお願いします。