ご当地定番スーパーの歴史探訪
創業以来、常に福岡県民の生活に寄り添ってきたご当地スーパー。
利用者からは見えないところで、
数々の挑戦と変革を繰り返してきたことだろう…
福岡に本社を置く2つの企業に、創業以来の歩み、
そして今後の展望を尋ねた。
レガネット
食のインフラとして地域の皆様に『安全・安心』をお届けします。
1969年7月に開業した 『にしてつストア』1号店の創業時の様子 |
創業以来変わらぬ使命
西鉄の「商事部」、いわゆる駅構内の購買店から発足したのが今の〈にしてつストア〉です。1969年に1号店『にしてつストア 朝倉街道』が開店した当初は、駅員さんやバスの運転手さんが店員として働いていたと聞いています。当時から今も変わらない我々の使命は「沿線の価値向上」。電車やバスの運行と同じく、お客様に安全・安心をお届けすることが第一のモットーです。
これまでの挑戦と変革
2009年に北九州エリアの『スピナ』と、2017年には佐賀エリアの『あんくる夢市場』、2つのローカルスーパーを統合したことは、大きな挑戦でした。スーパーの事業規模拡大と同時に、『あんくる夢市場』の系列である酒販店『あんくるふじや』を統合したことで酒販事業に着手できたことは、グループとしての発展につながったと考えています。また’23年から新たに移動販売事業にも着手しました。今は北九州の買い物困難なエリアでの販売がメインですが、街中にも一定の買い物難民がいます。今後はエリア、稼働台数ともに拡大していく予定です。
店舗が持つ強み、そして今後の課題
安全・安心なお買い物のサポートという点では、一部店舗にコンシェルジュを配置しています。また商品としては、CGC商品の取り扱いがかなり多いことが強みでしょうか。価格は安く、それでいて品質は大手スーパーのプライベートブランドに劣らず、お客様にも納得していただける商品だと思います。CGCのマークを見つけたら、ぜひ手に取ってみてほしいです! あとは値段が高い、店が古いというイメージを抱かれている方も多いですので、そこは改善すべく動いていきます。実際、コロナ禍以降は価格を抑えるための取り組みを強化しているところです。お店が駅の近くにあって、楽天ポイントが付いて、ほとんどの電子マネーが使えて…便利がいい反面、置いて行かれてしまう人もいる。そういった方々を、食のインフラとして支えることで、より多くの人に安全・安心な商品をお届けし、豊かなまちづくりへと繋げていきます。
レガネット朝倉街道
筑紫野市針摺中央2-16-14
TEL 092-922-8001
営業時間 9:30~22:00(2階10:00~19:00)
㊡元日、1月2日 ℗あり
カード/可、QRコード決済可
トライアル
ITの力を駆使して、より便利で快適な買い物体験を提供します。
『あなたの「生活必需品」。』を目指して
1992年、大野城市にディスカウントストア『トライアル』(現在は閉店)を開店しました。その4年後、1996年には当時アメリカで盛況であったスーパーセンター業態に着想を得て、現在の形であるスーパーセンター1号店を北九州にオープン。以来、衣食住に関わる様々な商品を1店舗で揃えられるワンストップショッピングを提供しています。コンセプトは『あなたの「生活必需店」。』。良い商品をより安く、よりバラエティ豊かに、より便利に提供することを目指しています。
これまでの挑戦と変革
2016年、グループ会社に『明治屋(本社田川市)』が参画したことで、ワンランク上の美味しさを提供できるようになったことは大きな変革でした。小売業だけでなく外食事業も手掛ける当社では79円のおにぎりから4万円台のコースまで、いずれも優劣や妥協のないメニュー開発を行なっています。
また2021年、「失われた30年」を打破すべく宮若市で始めたのが「産学官の連携」です。「産業に関わるあらゆる企業が垣根を超えて協力する」という考えのもと、本来は競合であるはずの小売企業、そして通信・IT・IoT企業との連携を進めています。宮若のお客さまから頂いたフィードバックは商品やサービス改善へ繋げていて、その手応えも十分です。
店が持つ強み、そして今後の課題
ITやデジタル技術を駆使した取り組み、「リテールDX事業」が強みのひとつです。社内システムを自社で作り、会社全体の運営コストを下げることで、商品の低価格化を実現しています。ショッピングカートにタブレット端末が付属した「レジカート」の開発もその取り組みのひとつです。レジ待ち時間がほぼないことに加え、レジカート限定クーポンでお得に買い物ができるなど、お客さまにとってのメリットも多いと考えます。今後もITの力を駆使することで、いかに便利に、快適に、買い物ができるかを研究し実現していきます。「流通小売業界のムダ・ムラ・ムリを削減し、ローコストを実現することで、お客様・社会の役に立つ」。創業以来受け継いでいる、企業経営の根幹です。