【インタビュー】Fuku Spo – アビスパ福岡 /前 寛之
MF 前 寛之(Mae Hiroyuki・背番号6)
チームのために
黒子として
動き続けたい
2020年の加入以来、3年連続でキャプテンを務めるなどチームに欠かせない存在となりました。今季も出場停止の1試合を除いた、すべての試合に出場し7月以降、11試合連続で勝利がなく、チームは苦しい状況だが、彼はそれをプラスに変えようとしています。
「いい経験になった」と
あとで思えるようにしたい
アビスパが苦しんでいる。第32節・鳥栖戦は0 – 0の引き分けに終わり、11試合連続で未勝利となった。だが、前をはじめとして、誰ひとり下を向くことはなく、現実を受け入れながら、アビスパの強さを取り戻そうとしています。「僕のキャリアの中でもここまで勝てない期間はなかったので苦しい時期ですし、いろいろ考えます。『いい経験になったな』とあとで思えるように、今がんばっています。この間、無失点の大事さを痛感しています。無失点の時間を長くして、相手とやり合う中で、ウチは点を取ってきました。その無失点の時間を長くすることをこれからも大事にしていきたいですし、それをベースに点を取って勝利につなげられるようにがんばりたいと思っています」。
例え目標をクリアできなくても
目の前の勝利を目指すのがプロ
7月からの3カ月間、白星に恵まれなかったことで、チームがシーズン前に目標として掲げていたリーグ戦6位以内もクリアが厳しい状況となりました。「チーム目標の6位以上を達成するために、開幕前からがんばってきました。でも、最近は結果が伴っていない試合が多くなり、現実的には目標達成が難しくなっていると感じます。でも、今後の試合で取れるだけの勝ち点を取り、仮に目標の6位以上になれなくても、そこに向かってやるべきことをやりたいと思います。タイトル獲得がなくなり、その後のモチベーションを維持していくのは難しさがあります。でも、チームの目標、目の前の試合で勝利を目指すことがプロの集団です。リーグ戦は次の試合に勝ったからといって、例え6位が確約されるわけではありません。だから、勝つためにやるべきことを地道に続けるしかありません」。
他のチームにはない
選手がまとまって戦う姿を見て
アビスパに来て、Jリーガーとしての存在感は増しました。何が彼を変えたのだろうか?「アビスパでキャプテンを務めて、少し大人になったと思います。周りの選手をほめることも増えました。僕は、サッカー選手は自分の意見を伝え、時には周りの意見を受け入れることが必要だと思います。みんな勝ちたい気持ちは同じなので、お互いの意見をぶつけ合うことが必要ですね。
来年30歳になりますが、いろんなことを聞きやすい先輩でありたいですね。他の選手の相談にのり、いろんな引き出しから答えを出せるようになりたい。そのためにもリーグ優勝やACL出場も経験したい」。
今シーズンも残すところ4試合。彼やアビスパはどんな戦いを見せるのでしょうか?「最近は時にチームがうまく回るために、僕はどういう立ち回りをする必要があるのかを考えています。僕がボールに触らなくても、チームがいい感じで回っていればそれでいい。チームの汗かき役になり、チームがうまく回れば嬉しいです。見てもわかりにくいし、個人の結果にはつながらないかもしれませんが、そういうところを見てもらいたい。チームのために黒子として動き続けたいと思います。
チームとしては多くの点を取って勝つことが理想です。それができないクラブではない。それとクラブや選手がまとまって戦う姿には、他のチームにないものがあると思うので、そこを見ていただけると嬉しいです」。
前選手のプライベートに迫るQ&A
Q.行きつけの店やスポットは?
A.札幌時代に熊本でキャンプを行なっていたので、熊本の自然や街の雰囲気が好きで年に5 回は行っています。阿蘇や黒川など。福岡だと最近は、赤坂にあるコールドプレスジュース『YES TOKYO』に週1~2回は行っています。それと福岡のうどんは大好きです。
Q.前選手にとって、長谷部監督とは?
A.サッカーに関していうと試合に勝つための行動、準備を怠らない監督です。プライベートではちょっとお茶目。僕はシゲさんの下で多くの試合に出て、いろんなアドバイスを受けました。今の僕を培ってくれ、J1でプレーできるのもシゲさんのお陰です。