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《Interview》映画『二度めの夏、二度と会えない君』村上虹郎

’14年に映画デビュー以降、映画・舞台・TVドラマと幅広く活躍していて、次回作も続々控える勢いのある村上虹郎。多くの若手俳優が活躍する中でも、今、目が離せない存在です。この存在感、演技力、個性。すべてに恵まれ、並々ならぬこのオーラはどこからくるのか?
と思っていたら、今回のインタビューでその答えが見つかりました!

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©2017赤城大空・小学館/「二度めの夏、二度と会えない君」パートナーズ

【Story】智(村上虹郎)が通う北高に、高校3年生で転校してきた燐(吉田円佳)。憧れのバンドの出身校で同じように文化祭でライヴをやりたいという夢があったのだ。だがライヴの帰りに燐は倒れる。智は燐から彼女が黙っていた秘密を聞き、とっさに秘めていた思いを告白する。だがそれを伝えたために今までの関係が崩れる。後悔に苛まれる智に、奇跡が起きる。燐と出会った日に戻っていた。今度こそ同じ過ちは繰り返さないと決めた智だったが…。佐賀県唐津市出身のガールズ・バンド〈たんこぶちん〉のボーカル&ギター、吉田円佳がヒロイン演技初挑戦した青春音楽SFラブストーリー。
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—この作品のオファーが来たとき、どう思いましたか?

村上:いわゆる青春音楽ラブストーリーの映画なのですが、恋愛モノは恥ずかしいなと(笑)。『忘れないと誓ったぼくがいた』(’15)や「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」(’15)のように、タイムリープやSF的要素がある青春モノは以前もやらせていただいていますが、この作品はラブストーリーとしては日本的だと思います。色をつけすぎず、学生として無垢でいる必要がある。やるからには以前の作品とは違うものにしないといけないと思いました。系統として近い作品がある中で、いかに演じ分けるか、という課題がありましたね。

—冒頭の、村上さんのアップのシーンで、ちょっとした表情の変化だけで智の感情を表しているのがスゴイと思いました。あのシーンの前に、監督とは何かお話されましたか?

村上:たくさんの言葉を交わした記憶はないんです。監督はすぐ近くで見守ってくださっているという感じでした。もちろん、演技経験が浅い出演者の方には、しっかり演出をつけられていましたが、僕に関しては意志を尊重していただけたような気がします。燐役の吉田円佳さんに関して言えば、出会ったときからすでに燐でした。先にリハーサルなど重ねていたこともあり、円佳さんがお芝居が初めてというのは関係なかったです。

—ギターは以前からされていたそうですが、撮影で演奏するのはまた緊張しませんでしたか?

村上:ギターは少しやっていたこともあり、あまり緊張はしませんでした。演技するよりかは平気でしたね。それよりもドラマ「仰げば尊し」(’16)での吹奏楽は緊張しました。それと、映画『武曲 MUKOKU』(’17)でのラップのシーンも大変でしたね。

—それはすごいですね! バンドでみんなで演奏するのは楽しかったですか?

村上:バンドで演奏するのは気持ちよかったです。仲間がいるし、映画に近いグルーブ感があって、疾走感も感じました。でも、バンドでこのメンバーが揃うって現実ではなかなかないですよね。男女のバンドでこのメンバーは凄いと思いました。

—作品選びで大切にしているところは?

村上:僕だけで決められることではないですし、まだキャリアが短いのでたくさんの監督さんと信頼関係を築いているわけではないのですが、この監督と、この演出家と仕事したいという気持ちは大事にしています。

—こうして話している表情がイキイキしてますね。

村上:楽しいです! 今は1日お休みがあっても、次の仕事の準備をするようにしています。学生の役は作り込んで役作りというより、いつも以上にフラットな状態で「空間を生きる」ことを大事にしました。今回は体を作ったりということもなかったので、どちらかと言うと、削っていく作業が多かったように感じました。最近になって役の幅が広がり、吸収したり、勉強することも増えましたね。

—この作品はあの言葉を言わなきゃ良かったって思ったら、奇跡的にもう一度やり直すチャンスを手に入れるストーリーですが、村上さん自身に「あの瞬間をやり直したい!」というようなことはありますか?

村上:ないですね!なんであれ買っちゃったんだろうとか、母親とのケンカなど失敗もたくさんあります。それはお芝居においてもそう。でも、失敗を正統化するわけじゃないですが、それらがあるから今の自分がいる。だから、やり直したいことはないです。失敗のない人生なんて面白くないと思うんです。

—この映画を観てどう思いました?

村上:智はそうとう頑張っていますよね!やさしい面は本当に尊敬します。もっと頑張れと思うシーンもあるんですけどね(笑)! でも出会いの時から繰りかえすのは、ある意味苦行だなと思いました。あの瞬間だけじゃなくて最初からは辛かっただろうな(笑)。個人的には楽器店のオーナーたちの大人パートも観たかったですね。過去と現在がシンクロすると面白いと思うのですが、原作にはないところなんですよね。

仕事への真摯な姿勢、力のある瞳。
度胸が据わっているのは、ほんの短い時間話しただけでも感じられる。ちょっと照れた笑顔にはまだ少年の面影があるのに、とても大人びた印象。男の色気すらある。存在感、演技力、個性。これらには与えられたり恵まれたりしているのではなく、自らの経験で培ってきたもの。「失敗も今の自分を形成する大切な要素」という覚悟。

今でも凄いけれど、今後さらに凄みを増し、オーラも増していくんだろうな、とワクワクしちゃいました。これからもやっぱり目が離せない存在で有り続けそうです!

『二度めの夏、二度と会えない君』は9月1日(金)よりT・ジョイ博多他にて全国ロードショー
公式HP www.nido-natsu.com

 

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