みやま市「脈々と受け継がれるみやまの伝統芸能」
日本で唯一守られ続ける幸若舞
織田信長も舞ったと伝わる「幸若舞」は、室町時代に流行した曲舞の一つです。能や歌舞伎の原点とも言われており、700年の伝統を持つが、明治維新以降、各地の幸若舞が衰退し、現在は日本で唯一みやま市瀬高町大江地区のみで伝承されています。
「幸若舞は地元の伝統行事。みやま市瀬高町大字大江地区で生まれ育った男性は、小学5・6年生の時に必ず経験しています。当時は参加することが当然で、特に深く考えていませんでした。」そう話すのは、現在青年部に所属する松尾拓尚さんです。その時期を過ぎると変声期などもあり、多くの子どもたちが「幸若舞」を離れます。
しかし松尾さんは5年ほど前に、再び幸若舞の世界へ!就職先の埼玉から地元に戻り、地元に貢献したいと考えていたところ、青年部に所属していた友人から誘われたことがきっかけだったそうです。
毎年10月下旬から11月初旬に、練習をスタートさせる「小屋入り」があり、小学生、青年の部、壮年の部のメンバーが集結します。1月20日の奉納の日まで、ほぼ毎日練習が行なわれるそうです。2013年には松尾さんより若い世代のチームも誕生し、幸若舞はこの土地に根付き、しっかりと継承され続けています。
幸若舞とは…越前の桃井直信(幼名・幸若丸)によって始められたと伝わり、日本最古の舞楽として700年の伝統を持つ国指定重要無形民俗文化財です。毎年1月20日に大江天満神社の舞堂に奉納されており、舞を見るために日本各地から観光客が訪れています。
幸若舞が奉納される大江天満神社の天井絵は、豊臣秀吉(戦国時代)を描いたものです。1列12枚で1つの物語になっています。