広川町「木のぬくもりは、人肌のぬくもり」いなかず商店
「いなかず商店」は1948年創業しました。当初は駅弁などに使われていた折詰弁当箱を作っていたそうですが、平成8年から明太子用の木桶を作ることになり今では酒桝、木桶、樽、弁当箱、盆…地元で採れるスギの間伐材を使用したパッケージ商品の製造にシフトしていきました。(お弁当箱も、お酒も、自然素材で作られているといつもより美味しく感じますよね…(笑))
「昔は結婚式に行くと必ず亀とか鯉とかの大きなカマボコが付きもので、それ用の折箱も作ってました。側はシナ、蓋や底板はマツでしたが、だんだん蓋が紙になり、側は発泡スチロール、今では全部プラスチックです。」しかし、世の中はいま、脱プラスチック。木の折詰箱が再び見直されることは間違いないです。
「いなかず商店」では、自宅用の2段弁当箱も作っている。漆など塗らず木目がとてもシンプルな箱だが、これに料理を詰めると、とたんに料亭の重箱弁当のごとく高級感漂うお重に早変わり✨スギの角盆も部屋で使えばたちまち北欧雑貨です。
日本の山は、ほとんどが終戦後に国の拡大造林政策として植えられたスギやヒノキです。しかし輸入材木の自由化でこれら国産材木は出番を失いました。行き場を無くした木材は朽ち、山は保水能力がなくなり、大雨が降ると大水害を引き起こす。間伐はこうした森林が茂りすぎるのを防ぐために木を切って山の健康を守る策です。国産スギを消費しなければ山はますます衰えていきます。
木のぬくもり感や清々しさ、手作業で削られた素朴感は天然木ならではの肌触りです。人の手で一つひとつ丁寧に作られる特別感や柔らかなぬくもりを、この小さな桶や弁当箱で感じて欲しい…
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[所]福岡県八女郡広川町太田1229-1
☞What’s the ひろかわ新編集
ローカルへ行くと耳にする「ここには何もない」
本当にそうでしょうか?
そうした見過ごしがちのあれこれを、
外部のプロフェッショナルの力を借りつつ
再編集していくプロジェクトです。
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