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福岡の暮らし。#6 『FRUCTUS』代表 成田さんの住まい

時間と距離の感覚がちょうどいい街

 

 

 

「今が理想的な暮らし」と話すのは

関東から移住して9年目に突入した成田さん。

福岡の暮らしがどのように魅力的なのか

休日のご自宅での話を伺ってきました。

 

 

家賃は1/3になり生活満足度は20倍になった

 

東日本大震災をきっかけに東京を離れることを決めた成田さん。「まずは本州を出ようと考えました。友達が暮らしている街がいいなと思い、福岡と鹿児島が候補に上がったのですが、ある程度都会がいいと考えていたので、福岡に住むことに決めました」と、成田さんは当時を振り返る。

 

 

福岡で暮らし始めたのは2012年のこと。この1月から9年目に突入した。成田さんは福岡のことを「時間と距離の感覚がちょうどいい街」だと感じたという。「引っ越してきたばかりのときは、ゆっくりとした流れだなって感じました。何かを決断したり、メールに返信したり、集合時間だったり。東京は速すぎると感じていたので心地よかったですね。また、どこへ移動するにも自転車で行けますし、15分以上要することはありません」。東京では車中心の生活だった成田さんだが、福岡で暮らし始めてからは車を手放し、自転車や公共交通機関を利用している。

 

 

現在の住まいは大濠公園のすぐ近く。リビングからは、公園を走る人たちが見える。「走っている人って、前向きでマイナスの要素がなく、見ていると元気になりますよね。この物件に決めたのは、いつまでも変わらない場所に住みたいと考えたからです。天神周辺はビッグバンなどの開発が進んでいて、少し騒がしくて。ここは、目の前が公園で景色がずっと変わらないという安心感があります。また、日当たりが良すぎないというのもポイント。ずっと日が入っている家って、ちょっと疲れるんです。ここは午前中の1、2時間程度、いい感じで光が入ってきます。かといって暗すぎず、風もスーッと抜けるので、とても気持ちいいんですよ」。
自宅での暮らしが心地良すぎて、成田さんは外出が減っただけでなく、仕事場を薬院から大手門に移してしまったほど。通勤も自転車で5分。通勤路は大濠公園という。「東京時代の約1/3の家賃で、生活満足度は当時の20倍。今は、理想的な暮らしができているという実感があります」。

 

 

 

自宅はインテリアの実験の場
自分のセンスで付加価値を高める

 

引っ越しをするたびにテーマを決めて家具を入れ替えるという成田さん。これまでは、北欧やミッドセンチュリーなどをテーマに空間をつくってきたが、今回は80年代後半のイタリアのインテリアを中心に配置した。

 

 

「イタリアの家具はまだそんなに人気もなくて、価格的にも高くないんです。 ただ、イタリアだけにしてしまうと硬い印象になるので『ライトイヤーズ』で購入したラグなど、プリミティブなものと組み合わせてみました」と成田さん。現在もインテリア家具の輸入·販売業を行なっているが、自宅は実験の場でもあるという。「自分が使わないと説得力がないですからね。インテリアはトレンドがありますが、 僕はそういうのが好きではないんです。 流行りのものをオークションで買い付けて販売すれば確実に儲かるんですけどそれだと面白くないでしょ。僕は自分のセンスで付加価値を付けていきたいんですよね」。

 

 

日本で初めてのデザインのオークション会社を主宰したり、グラノーラブームを起こしたり。成田さんは、さまざまな分野における先駆者であることを楽しんでいる。「インテリアの仕事もそろそろ本格的に再開していこうと考えています。しばらくは店舗を持たず、展示会などを開催するカタチで準備を進めているところですね」。これまでも、0から1を生み出してきた成田さんの新たな試みに、期待が高まる。

 

成田さんの愛用品

グラノーラ保存缶
ウッドプレート
シェーカーボックス
ジンカップ
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