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福岡の暮らし。#6 『FRUCTUS』代表 成田さんの住まい

 

息子をサポートすることが僕の生活になっていく

 

普段は一人暮らしだが、週末は息子の才紋くんとの同居生活を送っている。「才紋は映画監督をめざしていて、Instagramや YouTubeで作品を発表しているんですよ」と、嬉しそうに話す成田さん。カメラを手に大濠公園を散策したり、バスや電車に乗って撮影に出かけたりと、穏やかな休日を過ごしている。

 

部屋には成田さんの椅子コレクションが並ぶ。
キッチンにはグラノーラも。

 

「実は、少しずつ福岡に窮屈さを感じ始めてきたんです。福岡が嫌になったワケではなくて、少し行き詰まりを感じているといいますか。ちょっと違うものを見てみたくて。これからは、才紋の才能を伸ばすこと、活躍をサポートすることが、僕の生活の中心になっていくと思っていて。次はドイツで暮らすことを視野に入れています。才紋が映像を学ぶ環境としても魅力ですし、今から始めようとしているインテリアの仕事もできますし。福岡では人に救われました。その経験があるから、ドイツに行ってもいろんな人と出会えれば、サポートしてもらえるという自信のようなものがあります。東京から福岡、そして世界へ。成田さんはその土地の人々と出会い、新しい価値を生みながら、自分らしく、その街での暮らしを楽しんでいくのだろう。

 

 

 

グラノーラと並行しながらインテリアの仕事を再始動!

 

 

2010年4月、東京・千駄ヶ谷にジューススタンドとしてオープンした『FRUCTUS』。ほどなくして、ジンジャーコーディアルやグラノーラの販売をスタートさせ注目を集めるようになる。「1ヶ月に40誌の取材を受けたこともありましたね。当時は、手作りのクラフト的なグラノーラがなかったので珍しかったのでしょう」と、成田さんは謙遜する。順風満帆なスタートを切った『FRUCTUS』だったが、オープンから1年足らずの2011年3月、東日本大震災が発生。成田さんは福岡で暮らすことを決めた。福岡では加工所内にイートインスペースを設けたり、ジンジャースタンドをオープンさせたりと、活動の幅を広げていったが、現在は加工所を大手門に移し、成田さん1人で製造・加工を行なっている。「最近は卸とオンラインショップが中心です。1人ですし、インテリアの仕事もしていますので、この量が精一杯ですね」。

 

一方、26歳のときにチャーナーチェアの代理店を始めたことを皮切りに、インテリアやアートの世界で活動をスタート。28歳のときに目黒に「ローレイダー」というショップを持ち、北欧ブームの火付け役に。34歳のときには日本初のデザインオークション会社を設立するなど、さまざまな活動が注目を集めてきた。

 

トーネット社の椅子は自宅でも愛用している

 

 

『FRUCTUS』を始めてからも、アーキテクチュラル・ポタリー社の輸入代理店として活動したり、飲食店の椅子をセレクトしたりと、インテリアの分野での活動を行なってきた。「そろそろ本格的にインテリアの仕事をしようと考え、トーネット社(チェコ)とアノニマ・カステリ社(イタリア)の輸入代理店を始めました。あと、イタリアの古いものも少しずつ集めています。1年後くらいに展示会ができるよう、準備を進めています」。2つのジャンルで活躍する成田さんの、これからの活動に注目が集まっている。

 

 


株式会社スツール FRUCTUS

http://fructus.jp/

 

 

*本記事は
「シティ情報ふくおか2020年4月号」より抜粋して掲載しています。
https://www.fukuoka-navi.jp/54285

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