【嘉麻市】嘉麻を愛したクリエーターたち　大工・城 匠之介

2020年04月21日 公開

陽だまりのプレイグラウンドで
家づくりに情熱を注ぐ

「自分が手がける家に合うアイテムを買い付けて提案したり、ライフスタイルに関わるいろんなことをやっていきたい」と新たな展開も計画中

県道に突如現れるアメリカンな佇まいの建物。家と暮らしをプロデュースする熱い大工《Sunny Spot》代表・城 匠之介さんの拠点だ。敷地内にあるオフィスは、米国直輸入のキャンピングトレーラー《エアストリーム》。アルミをリベット留めした流線形のボディはそのままに、内部をカスタム。図面や3Dパースの製作室として使われている。

自宅のテーマは「明るくて人が集まる場所」。併設するオフィスの前にも、ちょっとした寛ぎスペースが。こだわりのアイテムで作られた空間には家族や仲間が集う

「家は、図面が完成するとそのまま建てる作業に進むけど、暮らしのことを考えるとその過程で図面に違和感を持つこともある。そんな時は作業を止めてでも、徹底的にお客さんと向き合います」と、自分の考えをきちんと伝えられる言葉を選びながら城さんは語る。住宅会社の営業マンとしてキャリアをスタートし実績を残したが、「お客さんの夢を自分の手で叶えたい」と異例の転身。大工となり8年修行した。その後、独立して工務店を立ち上げた頃に建てた自宅が大きな反響を呼び、《Sunny Spot》として新たな一歩を踏み出す。確かな技術力と、様々な立場で「家」を見てきた経験を武器に、日々家づくりに情熱を注いでいる。

城さんがはじめて手がけた家《HI LIFE》。まさにリアルなハワイのような空間には、家族の賑やかな笑い声が響く

城さんがつくる家は、ゆとりある敷地を贅沢に使った平屋。大きな間口と青空に映える美しいルーフラインが特徴だ。例えば《HI LIFE》と名付けられた家は「ハワイにリアルにある一般住宅」がコンセプト。住居前スペース、家族が集まるウッドデッキなど、すべてに余裕があり豊かさを感じさせる作りだ。ガレージから食料庫、キッチンへ続くスペースは、動線を考えて作られたものだが、魅力的なヴィジュアルも実現している。「かっこよさも暮らしやすさも、ちゃんと両立できるんです」という言葉が頼もしい。陽だまりという意味を持つ《Sunny Spot》。ここから生まれる家には、住む人と作り手の情熱が共存する。家族の笑顔が溢れるあたたかい風景もよく似合う。