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Fuku Spo – アビスパ福岡 /井原 正巳 監督

井原 正巳(Ihara Masami)
監督

攻撃の幅を広げ、 堅守を復活させたい

今季も新しいスタッフや選手が加わりました。特に攻撃の選手が多く加入しました。チームが成長していく姿や結果をシーズンを通してしっかり表現できるようにしたいと思いますし、新しいメンバーと今までのメンバーがうまく融合して攻撃のバリエーションや得点力アップを目指していきたいと思っています。また、就任当初から堅守をイメージしていますので、それも復活させないといけないと思っています。

ただJ2の戦いは甘くありません。しっかりと足元を見て謙虚にやっていかないと、J1昇格は簡単ではないと思っています。J1から最下位で落ちたチームは過去5年 間で一度も1年で昇格できていません。その負のジンクスを破るためには、足元を見て、去年の悔しさをもう一度思い出して、一戦一戦積み重ねていくこと。そして諦めずに一体感を持って戦うことがより必要になってくると思います。戦力は揃っていますので、その食材(選手たち)を私がどう調理していくかだと思います。大変な作業になると思いますが、常に競争意識を持たせ、それぞれの試合でいいチョイスをしたいと思います。

 

人生は多くの人に支えられ、つながって進んで行くと感じます

ターニングポイントがありすぎて(笑)。でも、サッカー選手としてのターニングポイントは、高校3年の最後にUー18日本代表合宿でDFにコンバートされたことですね。それまではFWやMFの攻撃的な選手だったんですが、これによりサッカー観や人生が変わりました。もし、DFになっていなかったら、小さい頃から目指していた教師になっていたと思います。あの合宿の紅白戦でたまたまDFの選手がいなくて、松本育夫監督から「オマエ、やってみろ」と言われたことがきっかけです。そこで初めてDFをやり、次の練習からDFをやることになったんです。

攻撃の選手から守備の選手になるので、プレーは正反対になりました。ただ、FWでやっていた動きや感覚を考えながら、予測や駆け引きでボールを奪ったり、守ったりする楽しさは素人ながらにも感じることができましたし、とにかく代表に選ばれたいという気持ちも強く、『「やれ」と言われたポジションでやってみよう』という思いが良かったのかなと思います。DFでも点は取れますし攻撃の組み立てもできます。ボールを奪う喜びを覚えたことでDFにのめりこみました。Uー18でCBを一緒に組んでいたのは中山(雅史)だったんですが、彼はFWに戻っていきましたね(笑)。私のFWとしての力では、上(社会人やプロ)に行くのは無理だと思っていましたし、同級生では他に武田(修宏)などもいて、ちょっと敵わないなと。逆にDFとして彼らを止めるのは楽しくもあり、自信にもなりました。そこはお互いに競争心を持って切磋琢磨することで自分も伸ばしてもらったと思います。コンバートされたことで、DFの大変さや気持ちもわかるようになり、全体を見る目や心を持てるようになったと思います。選手時代にキャプテンをやった時や、今は監督として、全体の選手を見たり、攻撃の選手と守備の選手の人間性の違いを考えるたりする上で役立っています。

サッカー人生の中で楽しい思いも、ドーハの悲劇のような苦しく悲しい思いもしましたが、それがあるから今があると思います。多くの方との出会いや流れなどに運命的なものを感じる人生を歩ませてもらっています。そういう意味では、(松本)育夫さんがいなければ今の自分はないと思いますし、Uー18代表の仲間はかけがえのない存在です。指導者との運命的な出会いにも不思議な流れがあって、人生は多くの人に支えられたり、つながったりして進んでいくんだなと感じます。実は小学校の頃の監督は僕の高校時代の監督の教え子だったんですよ。高校3年次の担任は筑波大出身で、筑波大への進学を勧められましたし。そうしたみなさんに今お会いした時は、直立不動で挨拶しますよ(笑)。

指導者になってからは育成年代の選手にいろんなポジションをやることはプラスになると伝えてきました。プロの指導者になってから選手をコンバートしていませんが、そうした可能性のある選手がいたらトライしたいですね。その経験は選手にとって間違いなく財産になると思いますし、いろんなポジションができることで長く選手生活を送れると思うので。アビスパでもその辺を考えながら選手たちに指導したいと思っています。

 

一体感を持って戦う。レベスタで一緒に戦ってください

今季はJ2での戦いになりますが、1年でJ1に復帰することが我々アビスパ福岡の使命だと思っています。過去、J2に落ちた時はJ1昇格を果たすまでに何年もかかっていますので、その二の舞にならないようにしたいと思います。補強も含め素晴らしいチーム編成になったと思いますので、このメンバーと一緒にしっかりと1年間戦い抜き、J1復帰を果たしたいと思います。そのためにはサポーターのみなさんの力が必要ですし、一緒に戦ってください。最後の最後まで諦めずに一体感を持って戦っていきます。サポーターのみなさんもぜひレベルファイブスタジアムに足を運んでいただき、一緒に戦ってください。よろしくお願いします。

※シティ情報Fukuoka 2017年3月号本誌掲載

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