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Fuku Spo – 福岡ダンデライオン/乗松聖矢

乗松聖矢(Norimatsu Seiya)

 

さらなる成長を目指して福岡のチームに移籍しました

16歳から車椅子ツインバスケットボールという競技をしていたのですが、23歳の時に沖縄を拠点に活動している車いすラグビーのチーム「沖縄ハリケーンズ」から声をかけてもらったことがきっかけで、沖縄に移りこの競技を始めました。「沖縄ハリケーンズ」は歴史があり、日本選手権でも2連覇するほどの実力のあるチーム。高いレベルで経験を積むことができたこともあり、2016年にはリオデジャネイロで開催されたパラリンピックの代表に選出され、銅メダルを獲得しました。「沖縄ハリケーンズ」は成熟したチームでしたので自分のことだけに集中しておけばよかったのですが、競技者としてさらに成長するためには、もう少し自分にストレスをかける環境が必要だと考えていました。これまで培ってきた経験や知識をアウトプットすることで、自分自身も競技に対する理解が深まると思い、2018年に、チームとしても選手の年齢が若い「福岡ダンデライオン」への移籍を決めたのです。

 

 

車いす同士がぶつかり合う迫力を全身で感じてほしい!

ラグビーは生身の人と人とが思いっきりぶつかり合うことが一つの魅力ですが、車いすラグビーの場合は、車いす同士が全力でぶつかり合う、見た目も音も迫力が魅力の競技です。一度試合を見ていただければ、その迫力に圧倒されることでしょう。非常にエンターテインメント性の高い競技ともいえるのではないでしょうか。ぶつかる瞬間に恐怖を感じてしまう時は、集中しきれていなくてミスをしてしまうこともあります。逆に恐怖を感じることもないくらいに集中できている時は、いいプレーができますね。

車いすラグビーは1チーム4人で戦います。障害の重さによって0.5(重度)から3.5(軽度)まで、0.5刻みで7段階に分けられ、4人の持ち点の合計が8点以下を越えてはなりません。障害の重さによって平等にプレーの機会が与えられているのが特徴です。私の持ち点は1.5と比較的重い方で、ボールを持ってトライを狙うというよりは、彼らがトライをするための道をつくることの多いポジションになります。とはいえ、対戦チームはトライを取りに来る選手にプレッシャーをかけるので、その隙に自分がトライを狙うプレーをすることもあります。

 

 

来年のパラリンピックで金メダル獲得をめざす!

今年の夏に開催される予定だった東京パラリンピックに向けて、日本代表の合宿に参加していましたが、来夏への延期が決定しました。今はもう気持ちを切り替え、個人的なトレーニングに力を注いでいます。前回のリオで初めてパラリンピックに出場したのですが、1万人もの観客の前でプレーするのは初めての経験。リオという土地柄もあり、選手同士の声が聞こえないほどのお祭り騒ぎで、凄く楽しかったです。また、2018年の世界選手権では初めて世界チャンピオンになることができました。国内での注目も集まっており、パラリンピックのチケットは家族や友人も取れていません。福岡ではなかなか試合を見る機会がないと思いますが、一人でも多くの福岡の方に興味を持ち、来年のパラリンピックで日本代表を応援してもらえると嬉しいですね。また、福岡で「福岡ダンデライオン」というチームが活動していることを知っていただき、実際に試合を見て、その迫力を感じてもらえたらと思います。まずは来年のパラリンピックで金メダル獲得に向けて頑張っていきますので、応援よろしくお願いします。

 

●編集部からのおまけ質問

お気に入りのテレビ番組を教えてください!

TNCの「ゴリパラ見聞録」がめちゃめちゃ好きです。行き先を決めるためのロケを冷泉公園でされているのですが、2月に冷泉公園に行ってきました。昨年末に出演した「ジャン九州スポーツ」で「ゴリパラ見聞録」の話をしていたので、お会いした時は私のことを知ってくださってたんですよ。嬉しかったですね。

 

※シティ情報Fukuoka 2020年5月号本誌掲載

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