【すてきなリノベのお宅訪問　戸建】今と昔が心地よく共存するアトリエ併設の住まい〈株式会社ホームランド〉

2020年05月12日 公開

中古物件をリノベーションすると同時に、

思い出の詰まった作品やオブジェを家に招き入れたTさん。

目指したのは、懐かしいモノたちが

心地良く共存する住まいでした。

【kitchen & dining】ダイニングの主役であるテーブルとアンティークチェアは、Tさんがてづくりしたもの。ナチュラルテイストの空間ともマッチしている。間取り決めの際には、ダイニングの窓からなだらかに広がる四天寺山が望めるようリクエストした

2つの空間がたおやかに調和する住まい

約30年暮らした新潟から、故郷の福岡に戻ったのを機に、中古物件を住居兼アトリエにリノベーションした陶芸家のTさん。「基礎の構造を崩せないという制約の中で、どう自由に創造するのかを突き詰められるのが、リノベーションの面白いところ」と、積極的にホームランドと意見を交わし、今と昔が心地よく共存する、快適な住まいづくりを目指した。やりとりの中で、Tさんのビジョンや考えが変わることもあったが、「ホームランドが一緒になって、その変化を楽しんでくれて。柔軟に対応してくれて助かりました」と、二人三脚で構築したマイホームに、想像以上の満足感を得た様子。

明るい色味のシナベニアを多用し、開放感のあるゆとりある空間づくりを目指した。夜は、奇をてらわず、のんびりと晩酌を楽しむのが日課だ

アトリエの天井部には新たに天窓を設け、自然光が入る明るい空間へとリノベーションした。既存の梁とのバランスも見事

住空間とアトリエの距離的バランスも、まさに理想通り。思い立った時にパッと行き来できる位置関係にありながら、アトリエ部分のみ天窓をつけて外光がより射し込む仕様にするなど、光で雰囲気に差を付けた。それでいて、どちらも木の床材を使用するなど、視覚的な統一感は大切に残している。

過去の作品を飾る棚は、高さと奥行きがピッタリ合うようホームランドに造作をお願いした

また、壁一面に設けた収納棚には、同じく陶芸家のお父様の作品やお兄様との思い出の品、旅先から連れて帰ったオブジェなどを、記憶とともにディスプレイ。キッチンには、昔住んでいた家の木材を忍ばせた。全てを一新するのではなく、懐かしさや思い出と暮らすことを希望したTさん。この案配が自由に決められるのも、リノベーションの醍醐味。お気に入りの空間で生み出される作品は、これまでに増して味わい深くなっていくのではないだろうか。

白とグレーのコントラストがシャープな印象を与えるモダンシックな外観。木目の玄関ドアが存在感を示している

【Q リノベーションでこだわったところは？】

帰郷を機に家探しを始め、山にも町にも近いロケーションがいいこの場所が気に入り、中古物件を購入。既存の建物を活かす方がコストが抑えられ、工事上も好都合だったという。