【福岡のアートを守る場所】けやき通り 『gallery&cafe空のいろ』
新型コロナウイルスの世界的流行により、
大きな打撃を受ける業界が多いなか。
アートも、その例外ではない。
『芸術の発信地』としての顔を持つここ福岡でも
少なからず目に見える形で変化が起こっている。
本日ご紹介するのはそんな福岡の街で
【アーティスト】と【アートを楽しむ人】を
再び引き合わせてくれるような場所。
天神から国体道路を西に進み、
福岡市立美術館へとまっすぐ。
美しい街路樹が立ち並ぶけやき通りから
一つ脇道に入り、短い坂を上るとあるのが
「gallery&cafe 空のいろ」
注意して歩かないと気が付かないような
ちいさな白い入口の先にはゆったりとした時間が流れている。
お店を営むのは店長の武内とも子さん。
物腰柔らかで、でもどこかエネルギーを感じる女性だ。
昨年までは大名でギャラリーを運営していた武内さんは
縁があってここに新しく画廊を作ることを決めたそうだ。
『折角なら芸術に詳しくない人でも芸術を愉しめる場所にしたい。』
そんな思いでカフェを併設することを決めた。
それまで飲食店だったこの場所は当時の店主の要望で
“南フランスのおばあちゃんの家”をイメージして作られている。
ひと一際目を引く庭の大きな楠(クスノキ)は樹齢190年になり、
福岡市の保存樹にも指定されているそうだ。
日光が木の葉を透かし、おおきな窓から注ぎ込んでくる店内には
あたたくて懐かしい、どこか非現実的な空気が漂っている。
お店はギャラリーとカフェスペースの二部構成。
入り口から分かれており、
ギャラリーだけを見に来る方も入りやすくなっている。
定期的にギャラリーの展示は入れ替わり、
作品発表を行いたいアーティストは常にお店のHPから募集しているそう。
過去の展示作品(公式Instagramより)
“福岡にも昔はもっと多くのギャラリーがあって、
アーティストたちの表現の場になっていました。
そこには自然と画家や小説家を志す若者たちが集まって語り合う。
そんなアーティスト同士のコミュニティが形成されるハブの役割も果たし、
福岡のアートを支えていました” (店主:武内さん)
しかし年々そのようなギャラリーは減少しているそうだ。
店の経営難や店主の高齢化が大きな要因となっている。
そこに大きな拍車をかけたのが今回のコロナウイルスだ。
このままでは更に福岡のアートシーンは冷え込んでしまう。
そのような焦りを感じているギャラリー運営者・アーティストは多い。
いま何よりも求められているのは
【アートを楽しむ人】と【アーティスト】の相互の関わり合いではないだろうか。
芸術に関する小難しい知識が無くたっていい。
ちょっと珈琲でも、とお店に足を運ぶことはお店だけでなく
今福岡で活動するアーティストを助けることに繋がるのだ。
この場所をきっかけに一人でも多くの方が
アートの世界に興味を持って頂ければ幸いだ。
【gallery&cafe空のいろ】
▶住所:福岡県福岡市中央区赤坂3丁目6−37
▶電話番号:092-981-3269
▶営業時間:ランチタイム 11:00 – 14:00
ティ-タイム 11:00 – 19:00
▶定休日:月曜日
▶HP:https://www.soranoirofukuoka.com/